• 投稿の最終変更日:11月 18, 2023
未経験の歯科助手ライフ-高校生もOK!ゼロからのスタートを切るために-

未経験の歯科助手ライフ-高校生もOK!ゼロからのスタートを切るために-

こんにちは、ハルカです。

歯科助手歴は3年以上。日本で2年間4ヵ月、アメリカで1年間1ヵ月の経験があります。

■まず、軽く自己紹介【トーマン悠】

>■まず、軽く自己紹介【トーマン悠】
信州大学の教育学部卒で、教員を辞めて、24歳のときに転職・未経験で歯科助手になりました。
歯科助手になって3ヵ月で仕事を覚え、日本・アメリカで新人歯科助手の指導・教育もやっていました。未経験で歯科助手になり、先輩歯科助手からいろいろ教えてもらったり、独学したり、歯科医師に質問したり…それらをノートにまとめて勉強していました。
仕事を覚えるまでの3カ月間、毎日3~5時間は、歯科について勉強していました。歯科の勉強にはお金をかけていませんし、歯科の学校にも通っていません。歯科助手の検定も持っていません。
歯と歯科助手の仕事が大好きです。

■なぜ歯科助手向けに、この教材を作ったのか?

私が未経験で歯科助手になったとき、歯科の知識や仕事を覚えるのに、本当に苦労しました。当時の私は、「わからないことが、分らない」状態でした。
今になって思うと、歯科助手のための「実践的なガイドマップ」がないのが原因でした。なので私が作っていきます。未経験で歯科助手になったとき、「こんなのあったらよかったな」と、過去の自分に向けて書いていきます。
私の経験・知識・ノウハウを注ぎ込み、未経験で歯科助手になった人のための教材、また、海外で、未経験で歯科助手を目指す人のための教材を作りました。

✓未経験歯科助手のための完全講義とは

・歯科助手の仕事を、わかりやすく解説します
・高校卒業後、歯科助手を目指す人にも優しい

・海外で未経験歯科助手を目指したい人もOK

・歯科受付ではなく、歯科助手の仕事がメイン

・完全初心者に対応。順を追ってゼロから解説

・歯科助手の業務・知識・経験を共有します

・治療補助方法や歯科助手の悩みを共有します

・女の職場で、うまくやっていくコツを解説

・歯科知識を理解、仕事のストレスを減らします

上記のとおり。
基本的には「歯科の知識・経験」にフォーカスしていますが、教材の本質は、「未経験で歯科助手になった人が、歯科助手の仕事に必要な歯科の知識を身につけ、理解すること。なるべく早く歯科助手の仕事を覚えて、少しでもストレスや不安から解放されること。仕事を覚えて、“歯科助手って楽しい”と思えること」です。
これらをサポートするものとして、この教材を作りました。高校を卒業してすぐに歯科助手になる人も多いかと思うので、10代の若い子でも理解できるように、ていねいに、わかりやすく解説していきます。

また、海外在住で、未経験だけど歯科助手になりたい人に必要な知識・経験を共有します。

この教材を作るにあたって、現役歯科医師に質問したり、改めて歯科助手の仕事に関する本を読んだり、インターネットで調べました。
インターネット上には、無料で学べる質の高い情報がたくさんあります。英語で検索できれば、わかりやすいものもたくさん出てきます。
つまり、この教材を買わなくても、インターネット上で無料で学ぶことができると言うことです。でも、未経験で歯科助手になった場合、「なにを、どうやって調べればいいのかわかならない…」。
そんな悩みを解決してくれるのが、この教材の役割でもあります。
本教材は、ものすごい膨大な情報量なので、パソコンで見るようにお願いします。歯科助手ノートの写真もたくさんあるので、パソコンの画面で見た方が見やすいです。
(スマホでも見れますが、文字が多すぎて私なら挫折しそう…)パソコンがない人でも、図書館で無料でパソコンを使えます。

■仕事さえ覚えてしまえば、いろいろラクになる

■仕事さえ覚えてしまえば、いろいろラクになる
歯科について学ぶことで、歯科助手の仕事を理解し、仕事ができる・わかるようになります。仕事ができればストレスも減り、結果的に仕事が楽しくなります。歯科助手の仕事を覚える目安は、「早くても3ヵ月~半年」です。
歯科助手の仕事を覚えてしまえば、日本全国、どこの歯科医院でも歯科助手として働くことができます。歯科衛生士を目指すきっかけになるかもしれません。
また、ワーキングホリデーや海外移住などで、私のように海外で歯科助手として働くことも可能です。

■この教材の「歯科助手」の意味について

私の言う「歯科助手」とは、歯科受付ではなく、歯科助手の仕事です。
私には歯科受付の経験がないので、レセプトなどの受付業務については、ほとんど解説していません。また、インプラントやホワイトニング、歯科矯正もあまり経験がないので、主に「一般歯科・口腔外科」について解説します。
✓お値段は「4,500円」です。
ぶっちゃけ、かなり安いと思います。
内容としては、次のとおり。

1. 歯科助手になるために必要なこと(マインド)

2. 歯科助手の仕事内容や業務を解説

3. 歯科助手になってまず覚えること(ユニット・器具の片づけ)

4. 歯科に関する基礎を身につけよう(歯式・面数・レントゲン)

5. むし歯・病名の基礎を学ぼう

6. 歯科治療の方法。基礎を学ぼう

7. 問診の仕方・カルテ記入方法

8. 治療補助の方法やコツを解説

9. 歯科衛生士がする歯磨き指導とは?

10. その他、歯科助手が知っておくと役立つ色々

11. 海外で歯科助手として活躍する話には

上記に加えて、下記の特典もあります。
・歯科助手の質問や悩み相談に対応します。(アメリカ在住なので、メールにて対応。できる限り、全力でお答えします。)
主に質問・悩み対応できるのは、メンタル面や歯科助手としてのスキル面、人間関係の悩み相談などです。歯科医院や歯科医師によって、使っている歯科材料や治療方法が異なります。歯科に関する専門的な質問は、職場の歯科医師や衛生士、ほかのスタッフに聞いたほうが的確です。
(念のために言いますが、私は歯科の専門学校にも行っていません。私の歯科の勉強は、職場の先輩からの指導と独学、歯科医師への質問、自身の経験から成り立っているものです。質問に答えられない場合も当然あるので、ご理解ください。)
上記のとおりです。
しっかり学び、仕事を覚えつつ、実践で活かせるようになれば、間違いなく損しないはずです。歯科助手の仕事は半年も経てば、新しく覚えることはほぼなくなります。未経験で歯科助手になったら、初めの3ヵ月はとにかく勉強を頑張ってください。
仕事を覚えてしまえば、ストレス・不安も減り、仕事が楽しくなるはずです。
歯科助手としての知識とスキルが身につけば、日本中・世界中で歯科助手として活躍できるようになります。歯科助手になったことをきっかけに、歯科衛生士を目指すのもアリです。
また、この教材を作った私が勤務していた歯科医院(静岡県内)は、院長が鬼怖い人でした。本当に厳しくて、大変な職場だったので、この教材で細かくキチキチと書いてあることに気をつければ、「超気の利く、仕事のできる歯科助手」になれるはずです。
院長が優しくて、みんな仲良しで働きやすい歯科医院なんて、日本全国探せば山ほどあるはずです。(ただし、見つけ出すのが大変…)
細かな部分まで、基本を身につけておけば、どこでも通用します。私がアメリカで歯科助手になったときには、日本で得た知識と経験が本当に役立ちました。

✓教材を購入する前の注意点

注意点があります。下記の7つです。
・教材を買っても、勉強しなければ仕事は覚えられません。
・歯科助手の仕事を覚えるまでに、最短でも3ヵ月~半年はかかります。
・教材を買って仕事を覚えても、「歯科助手の仕事が絶対に楽しくなる」とは言えません(職場環境・人間関係によります)。

・歯科の知識は、基本的には日本全国(世界中)で同じです。教材の内容は、あくまで私の職場(日本・アメリカ)を参考にしているものです。当たり前ですが、各歯科医院で細かな部分(治療の流れや使う歯科材料・器具、器具の呼び方など)は異なります。

・日本の歯科助手には免許や国家資格がないため、医療行為・歯磨き指導・レントゲン撮影は禁止です。行った場合は、処罰の対象となります。
・教材では、あくまで「歯科助手として、知っておきたい歯科知識」を共有するものです。教材で解説する内容を推進・推奨するものではありません。医療行為、違法行為にも反対です。作成者(私)は、歯科に関する学校には通っていません。国家資格も持っていません。あくまで、歯科助手として働いていたときに、現場で学んだ知識・経験を基に書いています。
また、この教材を作るにあたって、現役歯科医師(日本・アメリカ)に質問したり、歯科助手の本を購入したり、インターネットでいろいろな歯科医院のwebサイトを読んだりして、参考にしています。
・歯科受付、インプラント、ホワイトニング、歯科矯正、乳歯の根幹治療については詳しく解説していません。(私には経験がないので。)
すべて当たり前の話ですが、念のために書いておきます。
まず「教材を買えば大丈夫」と勘違いしている人は、それは「東大予備校に入れば、東大に合格できる」「英会話に通えば、英語が話せる」という勘違いです。
作業・勉強するのは、購入者のあなたです。歯科助手になったのなら、もう、やるしかないのです。
教材の本質は、「未経験で歯科助手になった人が、歯科の知識を身につけ、理解すること。なるべく早く仕事を覚えて、少しでもストレスや不安から解放されること。仕事を覚えて、“歯科助手って楽しい”と思えること。」です。
これらをサポートするものとして、この教材を作りました。
参考までに…私が勤務した歯科医院の規模を書いておきます。
私が2年以上勤めていた静岡の歯科医院は、ユニット(診察台)が5台、歯科医師2人、歯科助手10人前後、歯科衛生士1人。
歯科受付と歯科助手は、ほぼ完全に別れている感じの職場でした。木曜休みで、朝9時~夜8時まで営業していました。(昼休み13~15時)

アメリカ・ミネソタ州で1年以上勤めた歯科医院は、ユニット4台、歯科医師2人、歯科衛生士1人、歯科助手5人前後でした。受け付け1人、マネージャー1人もいました。

平日のみ営業、9時~夕方5時まで営業。(昼休み13~14時)

■教材を部分的に「無料公開」します。

第1章~第3章までは、無料で公開します。
教材の「質」が気になる方も多いと思いますので、前半部分は無料公開します。実際に読んでみて、そして「わりと使えそうだな」と思ったら、購入をご検討いただけたらと思います。
第4章以降も、かなりボリュームがあります。この教材のために、歯科助手ノートを作り直しました。ノートの写真も満載です。
なお、私が言うのもあれですが、歯科助手検定なんて必要ないと思います。5~6万円も通信講座に費やすのも、かなりもったいないです。この教材自体も、私の3年間の経験・知識を基に作成しています。
この教材の内容はすべて、お金をかけずに、職場から学びました。「歯科の勉強方法や、検索方法がわからなくて困っている…」という人に向けた教材です。
歯科助手は、誰でもなれる職業です。私自身、実際に未経験で歯科助手になってみて、職場で学んだことを家で復習し、ノートにまとめて身につけていきました。やろうと思えば、独学で学ぶこともできます。(おそらく多くの歯科助手の人は、ほとんど独学・職場から学んでいるはずです。)
私自身、歯科助手になりたての頃は「勉強したいけど、インターネットで、どんな言葉で検索すれば、知りたい情報にたどり着けるのかわからない」状態でした。未経験で歯科助手になると、わからないことがわからないです。
この教材を買うことで、「なにから勉強したらいいのかわからない」「どうやって勉強したらいいのかわからない」という疑問を解決してもらえるとうれしいです。
「歯科に関する仕事内容などを、理解する“サポート”が得られる」「少しでも早く歯科助手の仕事内容を把握し、未経験で歯科助手になったとき特有の、不安やストレスを軽減する」「新しい職業(歯科助手)に挑戦できる」ことにつながれば、うれしいです。

1. 歯科助手になるために必要なこと(マインド編)

1. 歯科助手になるために必要なこと(マインド編)
未経験で歯科助手になると、最初の3カ月間はけっこうハードです。なぜなら、覚えることが山ほどあるから。
しかも、歯科医療の専門用語・知識ばかりなので、はじめは慣れる・理解するのにも、相当の時間とエネルギーを使います。(実際に私がそうでした。)
歯科助手になりたてのころは、休日は勉強と睡眠しかしていませんでした。

■未経験の歯科助手は、離脱率が多い

私の職場でも、未経験で歯科助手になって、数日・数週間で辞めていった人を何人も見てきました。
日本でも、アメリカでも、全く同じです。
歯科助手になりたいと思っている人も、歯科助手になった人も、「仕事を覚えて慣れてくるまで、きつくて辛い」という事実を知っておかないと、途中で挫折します。

■最初はキツイので、歯科助手になったことを後悔する

正直、私も始めたばかりの数週間は、覚えることの多さ・難しさに、歯科助手になったことを本気で後悔しました。
不安やストレスから、眠れない日もありました。アメリカで歯科助手になったときも、辛くて逃げ出したいと思う日もありました。
日本もアメリカも、未経験で歯科助手になった他のスタッフは、初めは同じ悩みを抱えています。キツイのは、あなただけではありません。

■精神的に強くなる

でも、3ヵ月~半年も経って仕事を覚えてしまえば、ウソのように仕事が楽になります(正社員でフルタイムの場合)。私が本当に辛かったのはたった3ヵ月ですが、当時は「永遠」のように感じられました。
挫折しても、やめずに続ければ、最初の3ヵ月ですでに、精神的にかなり強くなります。

■ミス・間違いは、新人歯科助手のせいになる

歯科医院で働き始めるとわかりますが、何かミス・間違いがあったとき、何でもかんでも新人歯科助手のせいにされます。アメリカの歯科医院でも同じです。(他のどんな仕事でも同じですね…。)
特に、未経験の歯科助手は「ミスする」と思われがちなので、たとえ自分のミスでなくてもあなたのせいにされるのです。(私も経験アリです。当たり前ですが、マジでむかつきます。)
未経験の新人歯科助手が仕事を覚えて、他のスタッフと仲良くなるまでは、簡単に起こりえる状況だと言うことを、心の片隅においておきましょう。
仕事を覚えて、周りから認めてもらうまでは、反論してもあまり意味がないので、自分のミスじゃないのにせめられたときは、あまり波立てずに、サラッと流していきましょう。

■体験談:それ、私のミスじゃないのにな…

■体験談:それ、私のミスじゃないのにな…

私もこの経験は、何回かありました。

たとえば、

・準備した器具がまちがっていたとき。

私が用意したものではないのに、先生から「これじゃないよ」って言われるとか。

・サクションチップが、1つなくなったとき。

だれかがサクションチップをゴミ箱に、まちがって捨ててしまっていたときは、みんな新人を疑っている感じでした。

・基本セットに、まちがった器具が入っていたとき。

忙しいときは、誰だって間違うものなのに、すべて私のせいにしないでよ、って内心思いました。
私は何もやっていないのに、他のスタッフのミスが自分に回ってきて注意されること…ありますね。仕事を覚えるまではずっとこれが続くのか、と思うと、本当に嫌でした。なので必死に勉強して早く仕事を覚え、「ミスが少ない人」「歯科助手の仕事を早く覚えた人」というイメージを持ってもらえるよう努力しました。

■歯科知識がゼロからのスタート

未経験で歯科助手になった場合、歯科の知識はほぼゼロだと思います。私も完全に知識ゼロから始めました。
ぶっちゃけ、歯科助手になるまでは、歯について意識したことすらありませんでした。歯が全部で何本あるかさえ、知りませんでした。
未経験で歯科助手になって、歯の本数や形の違い、根っこやむし歯のことなど、知らなかったことを、1つ1つ学んでいきました。
歯科助手になって、歯についての勉強を始めると、とにかく初めて聞くような専門用語、漢字ばかり出てきます。私は歯科助手になった最初の数日間は、不安で夜も寝れませんでした。

■歯科助手の悩みは、わかってもらえない

歯科医師も歯科衛生士たちも、免許を持っている人たちは学校で勉強しているので、現場に立った時点で、すでに知識が豊富です。
そして、私のような未経験で歯科助手になった人たちの「悩みやストレス」を理解することができません。未経験の新人歯科助手の「わからないことが分らない」という悩みに共感してくれません。
だって、学校で勉強しているんだもの。
歯に興味があって、学校で勉強している人たちと、未経験でまったく知識のない、歯への興味・関心も少ない人を比べたら、歯の専門知識への「理解スピード」にちがいが出るのは、当たり前です。

■歯科助手は誰にでも開かれた道。でも挫折者は多い

■歯科助手は誰にでも開かれた道。でも挫折者は多い
歯科助手の仕事は、覚えることが本当に多いです。
未経験で歯科助手になった女の子たちは、最初の数週間で精神的に辛くて、すぐに辞めてしまう子もかなり多いです。
それでも、高卒の人や未経験の人、転職の人、年齢不問など、歯科助手の職業は、誰にでも開かれている道です。
私の職場にも高卒の、超頼れる先輩がいました。そして、学歴も年齢も関係なく、多くの人が歯科助手として活躍しているのも、事実です。ちなみに、アメリカでは、歯科関係の仕事はとても人気です。

■歯科助手は、思っている以上に仕事の「幅(はば)」が広い

実際に歯科助手になってみるまで、歯科助手の仕事内容って、けっこうナゾですよね…。
未経験で歯科助手になると、お給料のわりに仕事内容が多いことに驚きます。見たこともない、名前も知らない歯科器具を滅菌消毒し、パックに詰めて高温の器械でさらに滅菌…。
歯科の知識だけではなく、仕事の業務でも覚えることがいっぱいあります。仕事を覚え、慣れるまで本当に大変です。

■院長の性格・気分で左右される歯科医院

院長や歯科医師がいい人かどうかで、その歯科医院の雰囲気・仲の良さ・働きやすさが決まると言っても過言ではありません。
院長、または働いている歯科医師が優しければ、スタッフも優しく、なかよしな場合が多い傾向にあります。
一方で、院長・歯科医師が超神経質で、いじわるな人だったりすると、まじで働きにくいです。
働き始めて、院長や歯科医師がいつもイライラ・ピリピリしているような歯科医院は、ブラック企業なことも多いので、早めにほかの歯科医院を探すことを検討してもいいでしょう。

■仕事を覚えるまで、早くても3ヵ月はかかる

■仕事を覚えるまで、早くても3ヵ月はかかる
未経験で歯科助手になった場合、仕事を覚えて、ミスの少ない一人前の歯科助手になるまでには、どんなに早くても3ヵ月かかります。
普通に学べば半年くらいは、勉強を積み重ねないと無理です。
ここまで読んで「うわぁ…キツイ」と思うかもですが、これが事実です。なので、包み隠さずに書いていきます。
なぜ本音で書くかというと、過去の自分に届けたいからです。
当時の私がこれを読んでいたら、「3ヵ月だけ必死に頑張って、努力して、耐えれば、あとは楽になるんだ。もう少しだけがんばろう」と思えたはずです。
当時の私は、出口の見えないトンネルの中を、必死に手探りして走り続けている状態でした。
「なぜ、そんなに辛かったのに辞めなかったの?」と思う人もいるかもです。が、私は「転職者」で未経験歯科助手になったため、「辞められない状況」だったからです。
しかも、今となっては、歯科助手の仕事が大好きになったので、あのとき歯科助手になってよかった、辞めなくてよかった、と思います。
あの経験があったからこそ、アメリカでも歯科助手として働くことができたのです。

■3ヵ月経ったら、仕事がラクになり、楽しくなった

最初の3カ月間、とにかく必死に勉強し、ノートをまとめまくりました。すると、3ヵ月くらい経ったころには、知らないうちに仕事の基礎部分を覚えていました。
歯科助手になって、早く仕事を覚えるといいことばかりです。たとえば、以下のとおりです。

・不安、ストレスが減る

・ミスが減る

・注意されなくなる

・他のスタッフと仲良くなってくる

・他のスタッフから信頼される

・自信がつく

・仕事以外での自分の時間が増える

・仕事とプライベートをわけられる

・歯の大切さがわかるので、フロスなどで自分の歯をケアするようになる

仕事を覚えれば、ミスすることも減るので、注意されることもなくなります。ストレスもグッと減ります。仕事ができるようになると、周りのスタッフからも信頼されるようになります。

■私は歯科助手になって、プライベートが充実した

■私は歯科助手になって、プライベートが充実した
私の場合、勉強しまくったので、働き始めて3ヵ月後にはもう、ほとんど新しく勉強すること・覚えることがなくなりました。そうなれば、あとは実践あるのみ。
知識があっても、スキルが伴わなければ歯科助手の仕事はうまくいきません。
歯科助手の仕事はほぼ残業もないし、完全シフト制だし、プライベートの時間の確保がしやすいです。
たくさん勉強して、仕事を覚えれば、家で復習・勉強しなくてよくなり、自分の時間が増えます。すると、プライベートの時間を、楽しむことができるようになります。
平日休みなので、外出してもどこも混んでいないし、平日割でお得だし、いろいろいいことだらけです。
実際に私は、歯科助手になって最初の3ヵ月以降は、家でほぼ勉強しなくなりました。仕事に慣れてきたらプライベートでは、カフェめぐりや温泉旅行、海外旅行、スクーバダイビング、スポーツジムや英会話教室など、いろいろなことに挑戦しました。
実家暮らしだったので、親には感謝です。(ちなみに、思い切って始めた英会話で、今の主人と出会い国際結婚。今はアメリカ在住です。)

■私は一人で圧倒的に勉強しました

というわけで、今回の教材では、未経験で歯科助手になった人のために、歯科助手が理解し、覚えていかなくてはならない仕事や歯科に関する知識の基礎について、「ひとつひとつ、わかりやすく」解説していきます。(情報量が多すぎるので、がんばってわかりやすく解説しているつもりです。)
そして、過去の私は「遠回りしながら、猛烈に勉強」したのですが、その理由は「適切な教材がなかったから」だと思っています。
というのも、誰でもなれる歯科助手の仕事なのに、「歯科助手検定」なんて言って、通信講座がめっちゃ高い値段だったりします。実際には、検定なしで歯科助手になれますし、働きながら職場で学んでいけばお金もかかりません。
私は歯科助手の仕事を勉強するのに、お金をかけていませんし、歯科助手検定も持っていません。ぶっちゃけ、歯科助手検定の取得を考えているくらいなら、歯科衛生士の学校に通って、歯科衛生士を目指した方がいいと思います。
また、歯科衛生士向けの本はたくさんあるのに、歯科助手向けは少なかったり…。内容も教科書っぽくて、わからないことが多くて読んでいても飽きてしまう、専門的すぎて1人じゃ理解するのが難しい、挫折しそう、など…。
しかし、過去の私が求めていたのは「実践的に使える、わかりやすい、歯科助手のための教科書」です。「歯科助手として、これさえ覚えて、理解しておけば大丈夫、的な」やつです。
ゴールの見えないまま仕事をする不安さやストレスを減らし、適切なアドバイスをくれるような本がないので、私が作っていきます。
というわけで、マインド編はいったんこれくらいにします。
ここからは「歯科助手の、実際の仕事内容・覚えること」に進んでいきます。以下の内容でも、必要に応じてマインド面にも言及していこうと思います。

2. 歯科助手の仕事内容や業務を解説

2. 歯科助手の仕事内容や業務を解説
歯科助手の仕事内容について、サクッと解説していきます。

■歯科助手のメインの仕事内容

歯科助手って、めちゃくちゃやることあります。だから飽きない、っていうメリットでもあります。

・治療の準備

・患者さんを席へ誘導・問診(もんしん)

・歯科医師の治療をサポート(サクションでだ液をゴーゴー吸う)

・印象(いんしょう)に石こう(せっこう)をつぐ

・カルテにメモ

・治療後の滅菌・消毒

・治療後の器具の片づけ

など

上記が、主な歯科助手の仕事内容になります。
患者さんに問診するのも歯科助手の仕事なので、やっていくうちにコミュニケーション能力も身につきます。
患者さんに「どの歯が、どんなふうに、いつから痛いのか」を聞いて、先生に正確に伝えなくてはいけません。
歯科助手になると、問診や、先生と患者さんとの会話、治療の内容・流れなど、たくさんメモを取るようになるので、「内容の全体・流れを把握し、ものごとを簡単に、短くまとめる能力」が身につきます。

■歯科助手がやってはいけない仕事内容

・患者さんの唇(くちびる)に触れていけない

・マスイを打ってはいけない

・レントゲンを撮影してはいけない(歯科衛生士も撮影禁止)

・口のクリーニングをしてはいけない(歯科衛生士の仕事)

・歯磨き指導をしてはいけない(歯科衛生士の仕事)

など

ここの部分は、過去に無料のブログ記事で解説しています。下記に貼っておきます。

✓歯科助手の仕事内容【ブログ記事で解説】

上記のとおりです。当然ですが、各歯科医院で業務内容は多少異なります。

多かれ少なかれ、私が働いていた歯科医院(日本もアメリカも)ではこんな感じの業務内容だったので、日本全国(世界中)、どこも同じかなと思います。

■大切なこと:未経験の歯科助手なら、最初から完ぺきは不要です。

少し注意点を書いておくと、まず「完ぺき主義」は捨てましょう。
毎日数時間、勉強した私でさえ仕事や病名、器具名などを覚えるのに3ヵ月ほどかかりました。
また、歯科助手の仕事を勉強するのはテストのためではありません。仕事のためです。知識はあるのに、実践で使えないようじゃ、意味がありません。
仕事を覚えるためには、カンペを用意してもOKです。治療の補助前や治療中にカンペをチラ見してもOKなんです。だから、最初から「完ぺきに覚えなきゃ!」とあせる必要なんてありません。

■未経験で歯科助手になって、多くの人が悩むこと

悩み①:未経験で歯科助手になったけど、大変すぎてツラい…。

悩み②:歯科助手になったけどすぐにやめてもいいの?

悩み③:歯科助手の服装ってどんな感じなの?

悩み④:歯科助手になったけど、ネイルってダメなの?

悩み⑤:歯科助手になったけど、髪型や色はどうなの?

悩み⑥:毎日新しいことばかり…どうやって勉強すればいいの?

順番に、サクサク答えていきます。

✓悩み①:未経験で歯科助手になったけど、大変すぎてツラい…。

未経験で歯科助手になった人なら、ほぼ全員が「大変すぎてツライ…辞めたい」と思うはずです。
昔の私もまったくそうでした。特に、初めの1~3週間はストレスやプレッシャーで、本当にツラくて、仕事に行きたくない日もありました。
「ツラいのは、あなただけじゃない」ということを知っておくと、ちょっとの壁にぶつかっても、心が折れにくくなります。何度もくり返しますが、毎日勉強して3ヵ月くらい経つと、ウソのように変わってきます。
ちょっとでも「歯科助手の仕事いいな」って思う気持ちがあるなら、とりあえず3ヵ月だけがんばってみてください。
万が一、就職先がブラック企業だった場合、早めにほかの医院へ移ることもアリです。

勤務先がブラックなので、仕事を辞めたい。けど院長が怖くて辞められない、引き留められた…という場合は、退職代行サービスも検討してみるといいでしょう。

ブログ記事で無料解説しているので、よかったら参考にしてください。

✓悩み②:歯科助手になったけどすぐにやめてもいいの?

せっかく歯科助手になったけど、やめて後悔しないなら、やめていいでしょう。別に辞めたところで、今後もう社会でやっていけない…なんてことはないので、安心して大丈夫です。
30歳までなら、海外で挑戦できるワーキングホリデーなんてのもあります。日本でダメなら、日本以外でやりたいことに挑戦すればOKです。
「歯科助手になってみたけど、仕事が大変すぎる…まだ5日しかたってないけど、やめたい」と思う人も多いはずです。
実際に、日本でもアメリカでも、私の職場で数日・数週間でやめた人を何人も見てきました。3日でやめた人もいますし、1週間くらいで職場に出勤しなくなった人、1ヵ月でやめた人など…日本もアメリカも同じです。
原因は「覚えることが多すぎる・専門的でむずかしい・大変・キツい」などです。未経験で始めたばかりの仕事は、どの職業も大変です。
最低でも1ヵ月くらいは働いてみて、大まかな仕事の内容を知ってから、実際に働いてみて「自分に合っている職業かどうか」を判断するのがいいと思います。
仕事をもらう(やとってもらう)方がよっぽど大変です。そして、その仕事を続けるのは、もっと大変です。
「やめたいな…」と思ったら、「なんでやめたいのか」ちょっと考えてみてください。その理由で辞めて、後悔しないのであれば、辞めてもいいでしょう。
こちらの記事で、詳しく解説しています。

✓悩み③:歯科助手の服装ってどんな感じなの?

歯科助手の制服は、基本的に職場で貸し出されるのが一般的です。どうせなら、スタイリッシュでシンプルなデザインがいいですよね。
でも歯科医院の中には、どピンクでフリフリなど、「これ、ちょっと嫌がらせじゃない?」と思われるようなものもあるようです。 
そんな歯科医院はいい職場環境である可能性が低いので、面接時にスタッフが着ている制服をチェックしましょう。
ちなみに、私が働きだした最初の1年間は、なぜかナースキャップ着用でした。ただの歯科助手なのにナースキャップって…。完全に患者さんからの「信頼感・安心感を高めるため」ですよね。そういう職場はナシかな、って思います。

✓悩み④:歯科助手になったけど、ネイルってダメなの?

ネイルは完全に、歯科医院によりけりです。従業員の全員が雇われスタッフで、チェーンの歯科医院や、大都会にあるイケイケ系の若い歯科医院とかだと「ネイルOK」のところも多いかもです。ネイルに関しては、面接時に確認するほうがいいでしょう。
ただし入社後、他のスタッフと仲良くなってからネイルを始める方がいいかな、って思います。女の職場は何があるかわかりませんので、初めから目立たない方がいいでしょう。
私の職場(静岡)はネイルNGでした。爪も長かったら「切ってきて」と注意されました。
アメリカでは、歯科助手でもネイル・ピアス・化粧・ネックレス・派手な頭髪もOKです。
ただ、あまり長いネイルだと、仕事に支障が出ます。器具がつかめないくらいの長さはNGです(アメリカの友人歯科助手のネイルが長すぎて、本人が「これじゃ器具が取れないから短くしなきゃ…せっかく昨日やったのに!」って言っていました笑)。

✓悩み⑤:歯科助手になったけど、髪型や色はどうなの?

髪の毛の色も、ネイルと同じです。歯科医院によります。ただし、仕事がめっちゃできるようになって、院長(または歯科医師や経営者)と仲良くなれば、大目に見てもらえることが多いです。
私の歯科医院では、暗めの茶髪まではOKでした。1人、院長に気に入られているスタッフは、金髪でOKでした。
髪型に関しては、長ければしばる必要があります。モリモリに盛らない限り、髪型に関しては案外自由です。アメリカは、赤でも金でも緑でも、なんでもOKです。

✓悩み⑥:毎日新しいことばかり…どうやって勉強すればいいの?

未経験で歯科助手になると、毎日毎日とにかく新しい知識を学んでいきます。
歯の構造や歯科器具の名前・使い方、滅菌方法…などなど、本当に永遠に続いていきます。メモをたくさん取って、家で復習がてらノートにまとめましょう。
こちらのブログ記事で無料で解説しているので、参考にしてみてください。

この部分の内容は、有料部分でもっと細かく、わかりやすく解説していきます。

この教材を作るにあたり、新しく歯科助手ノートを作成しました。自作のノートを使って、動画解説していきます。

3. 歯科助手になってまず覚えること(ユニット・器具の片づけ)

3. 歯科助手になってまず覚えること(ユニット・器具の片づけ)
ここからが本番です。というか、歯科助手になって最初に学ぶのが「診察台の片づけ・消毒」ですが、ここが最重要です。
多くの未経験・新人歯科助手は、ここの理解が浅いです。歯科助手になりたての頃は、私もそうでした。なので、先輩からよく注意されていました。

■未経験の歯科助手にとって、「診察台の片づけの理解」が重要な理由

なぜ、診察台の片づけの理解が大切なのか?その理由は、自分自身を「感染症の危険から守るため」です。(私はそう考えています。)

自分自身を守るということは、自分だけでなく、患者さんや他のスタッフの安全にもつながりますし、歯科医院の信頼度にも直結します。

・感染症の可能性は常にある

歯科医院で働くということは、だ液や血液、感染症に触れる可能性があります。しかも、だ液がついていても(透明なので)目には見えないことがほとんどです。細かな部分まで、しっかりと拭き、消毒・滅菌することが非常に大事なのです。
感染症から、自分自身を守るためにも、また、他のスタッフや患者さんを守るためにも、しっかりとした理解・行動が大切です。

感染症から身を守るためにも、B型肝炎ワクチン(予防接種)を受けるといいでしょう。(私はアメリカで歯科助手になって接種しました。)

■まずはザックリと、必要な言葉を覚えよう

ユニット:診察台(しんさつだい)全体のことをさす
チェア:患者(かんじゃ)さんが座るイスのこと
1番、2番、3番など:ユニットを番号で呼びます
サクション:だ液を吸う、バキューム装置(そうち)のこと
トレー:基本セットを乗せるトレー
基本セット:常にユニットに用意する、基本の治療器具のセット(基本的には、基本セットの器具でパックに入ったもの、エプロン、紙コップ、サクションの柄(え)、サクションチップです。)
エスピー(SP):消毒のこと
アルコール綿(めん):アルコールを含ませた脱脂綿(だっしめん)のこと。「アル綿」と略して呼んでいました。(これでユニット周りなど、すべて殺菌・消毒する)
表(おもて):患者さんが治療を受けるスペース(ユニットがある側)
裏(うら):患者さんが行かないスペース(器具の滅菌処理(めっきんしょり)の作業場所や、技工物(ぎこうぶつ)の処理、歯科材料を保管する場所)
導入(どうにゅう):患者さんを呼んで、チェアに座らせること
問診(もんしん):患者さんに症状(しょうじょう)を聞くこと
6番:トイレ(私の歯科医院では6番=トイレでした)
・消毒、滅菌(めっきん)、殺菌(さっきん)はどれも同じ意味で使うので、違いは気にしなくて大丈夫です。(厳密には意味が違うんだろうけど。)
こんな感じです。
ユニットには、患者さんがうがいをする部分がついていたり、サクション(だ液を吸うやつ)がついていたりします。
うがいをする部分は、「スピットン」と言うそうですが、そんな言葉は、歯科助手は覚えなくていいです。

↓基本セット動画はこちら。

■歯科助手に必要ない用語は、覚えなくていい。

この教材では、あくまで私が歯科助手として働いていたときに、実際に使っていた用語などを中心にまとめていきます。
歯科助手は歯科医師でもないし、歯科衛生士でもないので、覚えなくていい用語や必要のないことは、省略していきます。(ムダは省略したほうが、覚えることが少なくなって楽なので。)
もし、あなたの職場で先生や他のスタッフがよく使う(よく聞く)用語があれば、それはあなたにとって必要な用語なので、覚えましょう。

■未経験の歯科助手は、とにかくメモを取ろう。

未経験で歯科助手になったら、とにかく初めはメモを取りまくりましょう。
メモをとる時間がないくらい忙しくても、忘れる前に、必ずメモメモメモ…。ギリギリ読める程度の、殴り書きメモでいいんです。
そのメモが、後々あなたを救ってくれます。私は、本当に記憶力が悪いので、とにかくめちゃくちゃメモを取りまくっていました。
仕事を覚えてきたら、どんどんやることが増えて、メモを取る時間や質問する時間もなくなってしまいます。そうなる前に、ひたすらメモです。

新人歯科助手なのに、忙しいからと言ってメモすら取らせてくれないような歯科医院は、ブラックな可能性が高いので要注意。

■未経験の歯科助手が、メモを取るメリット

・内容を忘れても、後で見返すことができる

・家で復習するときに役立つ

・質問するときに使える(「ここが分らない」と言いやすい)

・何度も同じことを質問しなくて済む

・メモを取っている姿勢が、「マジメでやる気のあるスタッフ」に見えるので好感度アップ

■メモなしでは、「歯科用語」を覚えるのが大変

歯科助手になって学ぶことは、すべて専門的な歯科の知識です。
未経験で歯科助手になった人にとって、聞いたこともない言葉が飛びかう職場で、仕事や用語を1回聞いただけで覚えられるなんて、無理です。
私は歯の仕組みが理解できなかったし、治療内容も全然覚えられなかったし、最初は泣きたいくらい毎日が大変でした。歯科器具だって、最初は全部同じに見えました。
自分が理解できるまで、何度も同じことを質問して、先輩をイラつかせたこともあります(笑)。
インターネットで歯科の情報を見ていると、スタッフによっては、「昨日教えたよね…?もう忘れたの?」なんていう、いじわるな先輩もいるようですね。
私の職場の先輩たちはみんな、なんでも教えてくれる感じの人だったので、ラッキーでした(院長は、超超超鬼コワな人でしたが)。

■未経験で歯科助手になって、最初に覚えることは「ユニット周りの片づけ・消毒」

多くの新人歯科助手が最初に学ぶことは、ユニット(診察台)の片づけです。歯科助手になった時点で、最初に求められる仕事です。
「片づけなんて簡単だから、すぐ覚えられるよ」って思うかもですが、歯科医院での仕事は、あくまで医療従事の仕事です。家の掃除や片づけとはワケがちがいます。

■未経験歯科助手の、ユニット掃除の心得(こころえ)

ユニットの掃除以外でも言えることですが、新人歯科助手にとって「教えてもらったことを、教えてもらった通りにやること」が非常に大切です。
なぜなら、自分が良かれと思ってやったことが裏目に出る場合があるからです。
たとえば、「こっちの方が便利だから」と思って、勝手に戻す配置を変えてしまったり、歯科材料やコットンロールなどを、決められた量よりもちょっと多めに用意しておいたりするのはNGです。

■全員が共通の認識を持つこと、ルールを守ることが重要

・各歯科医院で、独自のルールがある。

各歯科医院には、それぞれのルール・やり方があります。歯科医院は、そのとおりに従って仕事を覚えてくれる人材(歯科助手)を求めています。
スタッフ全員が共通の認識・ルールを理解し、守ることで、治療や業務がスムーズに行えるのです。

・自分が安心できるなら、相手も安全。

他のスタッフが自分と同じように、しっかりと除菌・殺菌作用をしていれば、感染症や血液、だ液の拭き残しを心配しなくてすみます。
結果として、相手(他のスタッフ)を信用し、安心して働くことができますね。

・1番簡単な方法は、先輩たちのマネ

教わったことをしっかり覚えたり、他のスタッフのやり方を細かく観察して、正しいやり方を覚えましょう。
基本的なやり方を一通りおぼえた時点で、自分のスタイルを確立していくのがラクです。(1度間違って覚えてしまうと、あとで直すのに時間も労力もかかるから。)

・「患者さん優先」は、世界中の共通ルール

そして、第一優先は患者さんです。これは、日本だけではありません。私の経験上から、アメリカの歯科医院でも同じでした。
まぁ、当たり前ですよね。世界中の歯科医院のほとんどで、この方針は変わらないでしょう。
ユニットを早く片づけて、次の患者さんが使えるようにしましょう。特に時間通りに来てくれた患者さんは、待たせてはいけません。

■ユニットの片づけって、何をするの?

「ユニットの片づけが大事って言うけど、具体的にはどんなことをするの?」という疑問があるかと思います。そこを詳しく解説していきます。
まずは、ザックリと。以下のようなことをするのが、「ユニットの片づけ」です。

【片づけ・消毒】

・患者さんが使った紙コップの水を、サクションで吸う(サクションのホースの中をきれいにするため)
・治療後、使った基本セットや器具などをすばやく片づける(トレーにまとめて、裏にもっていく)
・先生側・歯科助手側の台など、すべてをSP(アルコール消毒)
・ユニットにパソコンがあれば、マウスやキーボードもSP(画面をホーム画面に戻す)
・先生が使っていた器具(タービン)の持ち手やホースの部分も、細かくSP
・サクション(バキューム)をSP
・ライトをSP
・患者さんのイスをSP(チェアは汚いので、1番最後に消毒します)
などなど…とにかくすべて、念入りに拭きます。 ※SP(エスピー):消毒のこと
患者さんの治療が終わったあとすぐに、ユニットにある、使い終わった基本セットや器具、歯科材料を裏方(滅菌作業する場所)にさげます。
そしてすぐにユニットの場所に戻り、アルコールを含ませた脱脂綿など(歯科医院によって使うものはちがう)でユニットをきれいに拭いて、殺菌消毒します。

【次の治療の準備】

ユニットの片づけとSPが終わったら、次の患者さんの治療の準備までします。

・基本セットを準備

・スケジュールを見て、次の患者さんの治療の器具を準備

・診察台のパソコン画面が、ホーム画面になっているか確認(個人情報保護のため)

もし、次の患者さんがいなくても、基本セットだけは常に準備しておきます。ここまでしたら、「ユニットの片づけ・消毒」が完了です。
「ユニットの片づけ、お願いします。」と言われたら、基本セットまで用意して、いつでも次の患者さんが使えるような状態にしましょう。

■言葉の使い方:「SP(エスピー)」=消毒

歯科助手になると、「SP(エスピー)」という言葉をよく使うようになります。「SP」という言葉を、どういうふうに使うのか解説しておきます。
たとえば、

「3番(ユニット)SP終わってます。」

「SPしました。」

「これSPしてありますか?」

「1番(ユニット)SPお願いします。」

「4番、SPまだです。」

みたいな感じで、他のスタッフ同士の間で使います。毎日、本当によく使う言葉です。

■ユニットの片づけで重要なポイント

ユニットの片づけで、「何に気をつけたらいいか」、重要なポイントを解説します。何をやればいいかわからない状態でも、これだけはとりあえず頭の片すみに入れておきましょう。

・とにかくすばやく行動

重要なのは、「いかに素早くユニットをきれいに消毒して、次の患者さんのために準備できるか」です。最初は大変ですが、慣れてくると「このユニットは、もうすぐ治療が終わる」ってのが分ってきます。
もうすぐ治療が終わりそうなユニット・患者さんを察知して、患者さんが診察台をはなれしだい、すぐに片づけに取りかかりましょう。
慣れてくれば、「この患者さんはもうすぐ終わるな」ってのが分ってきて、ササっと動けるようになります。

・最優先は患者さん

何度も言いますが、最優先は「患者さん」です。
使い終わった器具などは、裏方であとで時間があるときに処理できます。(←他のスタッフがやってくれることも。)
とにかく、まずは表のユニットを片づけ、きれいに消毒し、次の患者さんをいつでもユニットに座らせられるようにしましょう。
混雑している時間帯で、治療が長引いたり、患者さんが遅れて来て、スケジュールが狂っている場合…。
モタモタとユニットの片づけをしていて、患者さんを待たせていると、歯科医師がイライラしてくるので、要注意です。

・念入りにSP

ユニットをアルコール綿で拭くときのポイントですが、多くの未経験歯科助手は、「だいたい、なんとなく拭き」ます。
しかし、歯科医院での仕事では、「だいたい」「なんとなく」「テキトー」はNGです。
なぜなら、目には見えない「だ液」や「血液」などが付着している可能性・危険性があるからです。
「え、そんなところまで拭くの?めんどくせー…」って心の中で思うくらい、念入りに拭かなくてはダメです。
例えば、ライトのスイッチの小さな棒や、先生が使う器具につながるホースの部分、パソコンのマウス、サクションを固定している部分などなど…。

・「細かすぎるSPがめんどう…」と思うのはしょうがない。

歯科助手になりたてのころは、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手が、「治療中にどんな動きをして、どこを汚いグローブで触って、どこが特に汚れているか」が分りません。
実際に先生の補助に入ってみると、先生の動きやしぐさが見れるので、「ユニットって、目には見えないけど、治療後はこんなにだ液で汚いんだ。」「先生は、だ液や血液がついたグローブで、治療中にあんなところも触っているのか。」っていうのが視覚的に、体験的にわかるようになります。
それまでは、頭で理解していない状態で、とにかく細かく拭きまくらなくてはならないので、ぶっちゃけ「ダル、めんど…」と感じてしまします。
私も、実際に治療補助に入ってみるまでは、そうでした。

・まだSPしていないときは、ウソをつかない

まだSP(消毒)途中なのに、先生や他のスタッフから「もうSPした?」と聞かれた場面です。
たとえ急いでいるときでも、「もう全部SPしました。」と、ウソはついてはいけません。ここ、マジで重要です。

・SPのウソはバレます…

SPしていない部分があるのに「もう全部、SPしました。」と言っても、どうせあとでバレます。長い間、歯科で働いている人は、だ液や血液・歯科材料がついていることに、本当によく気がつきます。
今となっては、私がいつも「拭き残しを見つける側」です。
死角になっている部分(患者さんのアームレストの裏側や先生側の台のサイドとか)に、血液が残っていたり、入れ歯の型取りに使う材料(アルジネートという、ピンクのやつ)が残っていたりします。

・もし先生が、汚れの拭き残しを見つけた場合

もしも、怖い院長や、超神経質な先生だった場合…考えただけでも恐ろしいです。
先生が汚れを見つけた場合、治療中でも患者さんに気づかれないように、無言で、ジェスチャーと目で伝えてきたりするので「あぁぁ、スミマセン…!」って感じです。
たとえ、他のスタッフがSPした場合でも、その時に治療に入っていたスタッフが注意されるので、最悪です(笑)

・未経験の歯科助手が、SPのウソをつくのが1番ダメ

新人歯科助手は、多くの人がまだSPしていないのに、「もう全部SPしました。」って言ってしまいます。
これは、日本もアメリカもまったく同じです。経験上、アメリカの新人歯科助手の方がタチが悪いですね(笑)。
残念ながら、先輩たちは、新人歯科助手の拭き残しや汚れ、拭きの甘さを簡単に見抜けます。新人歯科助手が一人前になるまでは、SPをあまり信用してもらえません。
初めからそんな状況なのに、もしウソをついたらどんどん信用を失っていきます。「この子は、SPしてないのにしたって言っちゃう子か…」ってレッテルを貼られてしまします。なので、ウソはだめ。
新人は、最初はみんな仕事が遅いんだから、「まだSPできてない」と言っても大丈夫です。逆に、「SPまだです」と言える子の方が、「素直でいい」と好印象になることも。

■体験談:未経験で歯科助手になったとき、私もウソつきました…

ぶっちゃけ私は新人のときに、少なくとも1回はやってますね。
どこを拭けばいいかわからず、テキトーに拭いていて、トロトロしていたとき。だって、「もうやった?遅いんだけど、早くして!」っていう周りからの無言の圧力がイヤで…。
だって、初めてやるときは、本当に、どこを拭けばいいかわからないものです。でも、これ、本当にやっちゃダメです。
だ液や血液、いろいろな歯科材料が目に見えないところについているので、残ってしまします。自分自身を守るためにも、すべて、細かいところまで拭かないといけません。
もしSPが遅いときは、「まだそっち側はSPしてません。」と正直に、はっきりと伝え、他のスタッフが手伝ってくれるのを期待しましょう。
もし、誰も手伝ってくれない場合は、しかたがないので「このクソっ」って心の中で思いながら、急いでSPしましょう。

・未経験の歯科助手が気をつけること。歯科器具は、絶対に落とさないで!

どんなに急いでいても、歯科器具は「絶対に」落とさないように、気をつけましょう。歯科治療器具は、基本的にすべて高額です。
先生が使っている歯を削る器械(タービンと言います)は、1本あたり10~20万円します。もしこわしても弁償(べんしょう)したくない金額です。
しかも、タービンを落とした時の音って、独特の低い音なので、落とすと絶対にバレます。
遠くにいても、歯科医院という狭い空間では、「あ、誰か今、タービン落とした。」ってわかります(みんな心の中で「あーぁ、誰か落としちゃった。」って思います)。
もし、タービンを床に落とした場合、院長にバレたらめっちゃ注意されます。そして、その日1日、院長の機嫌が悪くなることも…。
しかもオイルやだ液、水分のせいで、グローブですべりやすくなっているので、タービンは落としやすいです。本当に気をつけて!
また、歯科器具は、先がとがっているものが多いので、うっかり落として自分の足やつま先に刺さってしまう危険性もあります。十分に気をつけましょう。

・必ずグローブをしましょう。

グローブは、あなたを感染症の危険から守ってくれます。
歯科医院では、最大の消耗必需品(しょうもうひつじゅひん)なのが「グローブ」なんですかね…?アメリカと比べて、日本の歯科医院ではお金がないところも多く、グローブのムダ遣いにはかなり厳しいです。
十分にグローブを使わせてもらえない歯科医院は、よくないです。あまりにひどいようなら、他へ移ることも検討してもいいかも。歯科助手もグローブは絶対に必要です。「歯科助手だから、グローブはいらない」なんて言うような歯科医院で働いてはいけません。

・汚いグローブで触らない

使い終わったユニットを片づけたときに使ったグローブで、新しいトレーや基本セットを触らないようにしましょう。ユニットの片づけの過程で、グローブにも目には見えない血液やだ液がつきます。
もし、汚いグローブで、きれいな(滅菌ずみ)の基本セットなどを触ってしまうと、次の患者さんでそれらは使えません。
でも感染症の危険(だ液や血液など)は、目には見えない場合もあるので、知らずに使ってしまう危険性もひそんでいます。

・「クリーンステーション」と「汚いステーション」をまぜない

歯科医院には、クリーンステーションと、汚いステーションがあります。
クリーンステーションとは、滅菌ずみできれいな器具しか置かれていないスペースです。ノートやペン、ティッシュ、歯科治療剤、ガーゼなども置かれています。
一方で、汚いステーションは、使用ずみの器具や、かぶせ物や入れ歯の型取りしたもの(印象/いんしょうと言う)を置いたりするスペースです。
クリーンステーションには、滅菌されていないものや汚いものは置いてはいけません。また、汚いグローブでクリーンステーションに触れてはいけません。

 ・トイレに行くタイミングに注意

治療がもう少しで終わる、というタイミングでにトイレに行くのは避けましょう。理由は、治療が終わったらすぐにユニットの片づけに、「新人のあなたが必要」だからです。
治療が終わるタイミングでトイレに行ったら、ユニットの片づけが遅くなり、次に待っている患者さんを待たせてしまいます。
また、歯科医院はすべてスケジュール通りに動いているので、「1分の遅れもダメ」という厳しい職場もあります。(私の静岡の職場は、超体育会系で1分1秒の世界でした。つねに時間に追われている感じ。)
トイレに行くタイミングとしては、治療が始まったときです。
治療中でも、「タオルお願いします」とか、必要なものをお願いされる場合もあるので、トイレに長居するのもよくありません。
(※緊急でトイレに行かなくてはならないときは、仕方ありません。)トイレに行くときは、必ず他のスタッフに伝えてから行きましょう。

■治療補助につき始めてからは、トイレに行けなくなる

また、治療の補助につき始めてからは、本当にトイレに行くタイミングがなくなります。治療補助についてからのトイレに行くタイミングは、治療と治療の間か、昼休み中です。
忙しい日には、1日に1回しか行けないことも…(アメリカの歯科医院も同じでした)。治療が終わり次第、他のスタッフにSPをお願いしてトイレにササっと行く以外、時間がありません。
(なので、新人歯科助手は、治療が終わりそうなタイミングでトイレに行くのは避けた方がいいです。)

■【悲報】未経験の歯科助手のSPは、最初は信用されない

新人歯科助手は、働き始めのころ(仕事を覚えたてのころ)は、他のスタッフから信用されていません。特に最初の1カ月目とか。理由は、ユニットの掃除をはじめとする、「目に見えないだ液や感染症の可能性・危険性」からです。
新人歯科助手は、SPの拭きが甘いです(私も初めはそうでした)。そのため、拭き忘れや、十分でない殺菌のため、だ液・血液が残っている可能性がゼロではありません。SPされてない部分なんて、誰も触りたくありません。
自分が先輩の立場になって初めて分かりますが、新人歯科助手のSPは他のスタッフから信頼されていません。歯科助手の後輩が入ってきて、あなたが先輩になったとき、きっと初めはあなたも新しい後輩のSPを信用しないことでしょう。

■新人歯科助手の、ありがちなダメ行動(私も全部やった。アメリカも同じ)

以下の内容は、新人歯科助手がよくやってしまう、ありがちなダメ行動です。私もすべて経験済みです。

また、日本だけでなく、アメリカの新人歯科助手も同じことをやってしまっています。やらないように心がけましょう。

・汚いグローブできれいな場所や器具をベタベタ触ったり

・汚い器具をクリーンステーションに置いて混合させたり

・ごみだと思って大事なものを捨てちゃう(型どりのやつとか)

・まだ滅菌していない器具や基本セットなどをまぜる

・器具を落とす

・歯科器具を乱暴にあつかう

・グローブや歯科材料をムダ使いする

これらは、新人歯科助手のほぼ全員が必ずやってしまうことです。現場のベテランスタッフたちは、すでに承知ずみ。

でも、それでは感染症の危険から自分たちを守れません。なので、とにかく新人歯科助手のしりぬぐいをしてる感じ。

■未経験の歯科助手は、とにかく【すべて、念入りに】滅菌作業

■未経験の歯科助手は、とにかく【すべて、念入りに】滅菌作業
未経験の新人が、一人前の歯科助手になり、感染症対策の重要性(掃除・消毒・滅菌の大切さ)をしっかり「理解して、実践できる」ようになるまで、あまり信用されません。
そして、自分が先輩の立場に立ったとき、このことがよくわかります。
新人歯科助手は汚いグローブでベタベタ触るから、見ていてヒヤヒヤするし、「これ、本当に消毒済み?触っても大丈夫なやつかな?」って心配になります。
新人歯科助手は、初めは理解が浅いので、「それ、きれいです」って本人は良かれと思って言っていても、実際にはまだ70%くらいしか拭けていなかったり…(本人は、本当にきれいだと思って言ってる)。
※ちなみに歯科医院では、消毒したものをグローブなし(素手)で触ることも多いです。

■ぶっちゃけ、信用できるのは自分だけ。

ぶっちゃけ、信用できるのは自分だけ。
自分はしっかり消毒して、徹底しているのに、他のスタッフが手を抜いていたら、歯科医院全体がどんどん汚染されて、目に見えない感染症の危険性が高まります。
患者さんのだ液がついてるペンとか、絶対に触りたくないですよね。
他のスタッフから信用されるためにも、また、他のスタッフを信用・信頼するためにも、消毒は「徹底的に、残りなく」です。

■新人歯科助手は、どこを消毒すればいいかわからない。

最初はどこを消毒するのか分からないので、とにかくありえないくらい細かく拭いて消毒しましょう。(でも、すばやくです。)
「そんなところも?」って部分も、治療によっては先生が触っている可能性もあります。また、だ液や血液が飛び散っている可能性もあります。
なので、答えは「全部」です。
以上が、ユニットの片づけ・消毒のパートでした。
ここが、歯科助手になって最初にぶち当たるところです。結構長くなってしまいましたが、大事なポイントは解説できたかと思います。
さて、ここからは器具の片づけの方法について解説していきます。
裏方で、使用済みの器具を消毒液に入れたり、熱消毒したり…まだまだ覚えることはたくさんあります。それではいきましょう。

■歯科器具の滅菌・殺菌処理の方法

■歯科器具の滅菌・殺菌処理の方法
使用ずみの器具の、処理方法を解説していきます。私の職場(日本とアメリカ)でやっていた方法で解説していきます。
基本的な部分は共通していますが、各歯科医院でやり方は異なるので、自分の職場のやり方で覚えていきましょう。

①器具を消毒液の中へ入れる。(15分以上)

②ゴミはゴミ箱へ。

③消毒液から器具を取り出し、超音波にかける(15分間)

④超音波が終わったら、水でゆすぐ

⑤滅菌パックに詰めていく

⑥高熱の滅菌器械(オートクレーブ)にかける(40分くらい)

⑦⑥が終わり、器具の温度が下がったら、パックを定位置に戻す

では、それぞれを詳しく解説していきます。

①器具を消毒液の中へ入れる。(15分間)

使い終わった器具を、消毒液の中に浸(つ)けます。最低でも15分間はつけないといけません。
サクションチップも、金属製のトレーも、消毒液の中へ入れます。
「ファイル」と呼ばれる針みたいな器具は、指に刺さらないように気をつけ、茶こしで使う網(あみ)の中などに入れてから消毒液の中へ。
※消毒液に入れない器具もあるので、注意が必要です。特に、「タービン」と呼ばれる、歯を削る器械は水に浸けてはいけません。
故障の原因になります。タービンは1本10~20万円するので、間違っても入れないように。

体験談:私もやった?歯科器具の水没…

歯科助手になって初めのころは、右も左も分かりません。一生懸命やっていても、気づかぬうちにミスをします。
新人歯科助手が入ってくると、必ず1回は見かけます。タービンが消毒液の中に入っている光景(笑)。
他の歯科助手からは注意程度で済みますが、院長に知られたらめちゃくちゃ怒られます。気をつけて!
実際には、ベテラン歯科助手も忙しいときに同じミスをします。
※万が一、タービンを消毒液の中で見つけた場合…誰も見ていなければ、バレないように消毒液から取り出し、ササっとタオルで拭いて知らんぷりしましょう。タービンの故障の原因にはなりますが、実際にはすぐに壊れることはないので、そんなに心配しなくても大丈夫です。

②ゴミはゴミ箱へ。

トレーの上には、使い終わった器具だけではなく、コットンロールや小綿球(しょうめんきゅう)と呼ばれる綿(わた)、フロスやガーゼ、先生が使ったグローブなどがのっています。それらはすべてゴミです。
だ液や血液がついていることが多いので、要注意。

・サクションチップに注意

サクションチップが1番、誤ってゴミ箱に行きがちです。気をつけていても、小さいのでうっかり別のゴミ(グローブなど)に紛れて捨ててしまうケースです。また、ゴム状なので、はねます。知らないうちに、ピョンッとゴミ箱の中へ入ってしまうことも。
私の職場では、毎晩サクションチップの数を数えていました。1つなくなっていた場合は、全員でその日に出たゴミ袋を開いて、見つかるまで探さなくてはいけませんでした。
(アメリカでは、サクション自体が使い捨てのプラスチックタイプだったので、サクションチップすらありませんでした。使い捨てだと、めちゃくちゃ楽です。)

・抜歯後の歯は?

抜歯後は、トレーの上に「抜いた歯」がのっていることも。歯は、一般ごみとして捨てません。多くの場合、専用のボトルなどにためていき、いっぱいになったところで滅菌パックに詰めて、高温殺菌(オートクレーブ)にかけます。
そのあとは専門業者に引き取ってもらい、医療廃棄って感じです。歯科助手になりたてのころは、抜かれた歯を見て「うわっ」ってビビッていました。
でも、歯を見るのもだんだんなれます。トレーに乗っているピンセットを使って、歯をつまめばOKです。

・型どりしたもの

つめ物やかぶせ物、入れ歯などの型どりをしたあとは、トレーの上にアルジネートと呼ばれる、ピンク色のモノがのっていることもあります。「なんだこれ?」と思うようなものは、だいたいゴミではありません。
捨てちゃダメなものも多いので、捨てる前、他のスタッフに確認しましょう。
アルジネート印象は、乾燥すると変形してしまうので要注意。
また、その患者さんの型どりなのかわかるように、紙に名前を書いて一緒に置いておくと確実です。

・つめ物などの模型(もけい)

つめ物やかぶせ物などをセットした後のトレーには、模型や石こう(せっこう)がのっています。薄い水色(藤色)や薄い茶色の模型が多いです。
こちらは、ゴミに見えませんが、つめ物のセット後は不要な場合がほとんどですので、ゴミになります。
一般ごみではなく、技工所に引き取ってもらうこともあるので、捨てる前に、捨て方を確認しましょう。
アメリカでは、一般ごみとしてバンバン捨てていました。
※たまに、使い終わった模型を保存して、次回の治療で使う場合もあります。仕事に慣れて判断力がつくまでは、捨てる前に、毎回ほかのスタッフにすべて確認しましょう。

③消毒液から器具を取り出し、超音波洗浄機にかける(15分間)

消毒液につけて15分経った器具を、消毒液から取り出し、水ですすぎます。その後、超音波の器械に15分かけます。
「ジリジリジーッ」と、頭痛をひき起こすようなうるさい器械、アレです。いろいろなタイプがあります。
※超音波の中につけた器具が、全て水の中に入ってないと意味がありません。水から飛び出している部分は、しっかり水につけましょう。
※器具が大量の場合は、2回に分けたり、15分よりも長めに超音波にかけましょう。
※タービンは、超音波洗浄機にもかけてはいけません。
※(歯科医院によっては、ミラーが割れるのを避けるため、ミラーのヘッドを超音波洗浄機にかけない場合もあります。)

④超音波が終わったら、水でゆすぐ

15分間、超音波にかけたら、水から取り出して、水ですすぎます。
ここはテキトーで大丈夫です。そんなに念入りにすすがなくても、たっぷりの水をジャージャーかければOK。
どこの歯科医院でも、タオルがあるので、入れものごとひっくり返して、タオルの上にドバっと広げます。手でわしづかみすると、とがった器具が手に刺さるのでやめましょう。

⑤滅菌パックに詰めていく

器具ごとに、単体でパックに入れる器具や、他の器具と一緒にパック詰めする器具などに分かれます。最初はどの器具も、だいたい同じに見えてしまいます。私もそうでした。
どの器具を、どうやって、どのパックに入れるのか。他のスタッフに聞いたり、すでにできているパックを見て確認したりしましょう。
初めはみんな、パック詰めする器具を間違えます。やっていくうちにだんだん覚えるので、がんばりましょう。また、とがった器具が指に刺さりやすいので、気をつけましょう。
器具をパックに入れたら、「シーラー」という器械で熱して封をします。(シール付きのパウチなら、シーラーは使いません。)
滅菌パックは、「滅菌バッグ」や「パウチ」と呼んだりもするようです。
※私が歯科助手になりたてのころは、パックに詰める器具をとにかくメモしていました。特に器具は、イラストで描いてメモしていました。絵で描いておいた方が見返したときにもわかりやすいです。

⑥高熱の滅菌器械(オートクレーブ)にかける(40分くらいかかる)

パックづめまで終わったら、高熱の滅菌器械にかけます。専用のトレーにパックを乗せて、ドアをしっかり閉めて、スタートさせます。
この器械(機械?)は、スタートさせてから作業が終わるまで、約40~50分くらいかかります。
器械が動いている間は、圧もかかっていて、高温なため、基本的にはキャンセルして中のモノを取り出すことができません。
※滅菌パックは、ビニール側が下になるようにして、高熱殺菌の器械に入れます。白い紙っぽい側が、上を向く(私たちから見える)ように、専用のトレーに入れます。
(未だにこの理由がわからない。たぶんくっつかないように、とか、溶けないように、とかかな?)
とはいえ、間違った向きで入れてもそこまで問題はないので、焦らなくて大丈夫です。
※この器械はオートクレーブといって、モノによっては値段が100万円くらいします。壊したらヤバイやつです。
※使用中、使用後はめちゃくちゃ熱いので、ヤケドに注意です。
※使用直後にドアを開けたとき、蒸気や熱がブワッと出てくることがあります。のぞき込んで、顔をヤケドしないように気をつけましょう。
※1度にたくさんのパックを入れすぎると、しっかり滅菌できません。それでは意味がないので、専用のトレーの上には3~4パック乗せるのが、目安です。
でも実際は、忙しくてそんな少量では回しきれないことが多いです。ぶっちゃけ、結構つめ込んで回します。
※1度スタートさせたら、約40分間は中のモノを取り出せないので、治療のスケジュールを考えながら回さなくてはいけません。
※朝イチの時間、昼休み前、診察時間が終わって帰宅前は、ほぼ必ず器械をスタートさせます。(患者さんがいなければ、時間に追われることもないので。)
夜回せば、朝には滅菌完了。昼休み前に回せば、午後の診療で使える。朝イチで回せば、患者さんが来る時間に被っても、短時間ですみます。

⑦ ⑥が終わり、器具の温度が下がったら、パックを定位置に戻す

高熱殺菌が終わったら、中のパックを専用のトレーごと取り出します。熱いので、ヤケドに気をつけましょう。
専用のトレーを取り出す際、専用のトング(?)みたいなものがあるので、それを使いましょう。
滅菌が終わったパックは、定位置に戻します。
※まだオートクレーブ自体が高温のうちに、次のものをかけてはいけません。オートクレーブの故障の原因になります。高温の器械(オートクレーブ)がしっかり冷めてから、使いましょう。
※滅菌パックには、色の目印があります。
パックの種類によって、目印の色は異なりますが、高温滅菌前は、薄いピンクや水色の目印が多いです。高温滅菌後は、その色が、濃くなります。薄かったピンクが濃いピンクに変わったり、薄い水色だったのが、濃いグレーに変化したりします。
パックの目印の色で、滅菌前か、滅菌後かを判断しています。(高温滅菌の器械に入れすぎて、しっかり滅菌できていない場合は、目印の色の変化がはっきりしません。そういう場合は、念のため、もう一度、高温滅菌しないとなりません。)

出展:P.D.RさんのHPで滅菌パックの色の変化が見られます。(上の画像)

・定期的に、オートクレーブのタンクに水を入れる

高熱器械(オートクレーブ)のモニターに「水を入れてください」みたいなメッセージが出たときは、タンクの中の水量が足りないです。一定量の水をタンクに入れれば、またオートクレーブを使えます。
古いタイプの高温滅菌器械(オートクレーブ)だと、モニターはありません。タンクの中の水量を確認できるラインが書いてあるので、それを見て判断します。

■歯科器具の処理で気をつけたいこと。

・消毒液に入れない器具に注意

タービンと呼ばれる器具(歯を削る器械)は、消毒液には入れません。
油をさして、アルコール綿で拭いてパックづめです。パックに入れたら、高温滅菌器械(オートクレーブ)にかけます。
※タービンは、1本10~20万円もする器械です。落とさないように、気をつけましょう。
※タービンに油をさす器械がある歯科医院もあれば、缶を使って手で油をさす歯科医院もあります。

・器具についた汚れは取ってから。

◇白いセメントの残りを取る

治療後は、器具に歯科材料がついて残っていることも多いです。
歯科器具についた歯科材料(特に白いセメント)は、カリカリと取ってきれいにしてからパックにつめましょう。
他の歯科器具を使って、けずり取ってOKです。
滅菌済みの器具なのにまだ汚れていて、歯科医師の目に入ってしまったら、怒られる原因になります。(しかも、だいたい新人歯科助手のせいにされる)

◇患者さんが見ている

患者さんも意外とジロジロ見ている人も多いです。特にトレーは、患者さんのすぐ横、超見える位置にあります。
自分が患者さんの立場だったら、汚れが残っている器具で治療してほしくないですよね。
また、治療中などになにか落としてしまっても、拾わないようにしましょう。
床に落ちたもので口の中を触られたくないですよね。もしくは、床に落ちたものを触ったグローブで治療してほしくないですよね。

◇型どりのトレーは念入りに

特に、型どりをしたあとのトレーは、細かいところまで念入りにきれいにしなくてはなりません。掃除用の歯ブラシなどでゴシゴシしてきれいにします。
「これくらいでいいだろう」と思っても、オートクレーブにかけたあとで、汚れの残りが乾燥によって目立つようになります。汚れの残りが目立ってバレやすいので、注意です。

・抜歯後は血液がついている。

抜歯後の器具には血液がついています。血液は、お湯ではなく、冷たい水の方が落ちます。消毒液に入れる前に、水と掃除用歯ブラシできれいにしましょう。

・歯科器具で、指を刺さないように注意。

歯科器具は、基本的にとがったものが多いです。めちゃくちゃとがっているので、触り方・扱い方によっては、けっこう簡単に手や指にささります。
もし消毒前だったり、血液がついていたり、感染症をもっている患者さんで使った器具だったり…とにかく、細心の注意が必要です。
基本セットの中に入っているピンセットを使って、とがった器具をつまんで扱う方法もアリです。
万が一のためにも、B型肝炎の予防接種は受けておいたほうがいいです。

・使わなかった歯科器具について

もし、用意した器具を使わなかった場合ですが、滅菌パックが開いているなら、滅菌作業をします。
パックを開けていない場合は、中の器具が完全にきれいな状態なので、滅菌パックをアルコール消毒し(拭い)て、また使います。ちなみに滅菌パックも結構高いので、むだ使いは禁物です。
使わなかった器具の対応は、歯科医院によって対応が違います。自分の職場のやり方に合わせましょう。一応、私の歯科助手経験から、対応例を書いておきます。

①アルコール消毒して、また使う

先生がパックにも一切触らなかった場合、アルコール綿で拭いて、また次の患者さんで使うことがあります。用意したけど、使わなかった器具や、念のため近くの台に用意しておいて使わなかった器具など。

②オートクレーブにかける

先生が触らなかった、使わなかった器具(滅菌パック)を、そのまま再度、オートクレーブにかけます。

③パックを新しくして、高熱殺菌の器械にかける

先生が滅菌パックに触れていなくても、新しいものに入れ替えて、通常どおりオートクレーブにかけます。

④すべて1から消毒する

先生がパックに触れていなくても、パックを開けて、中身の器具を消毒液に入れてすべての殺菌作業の工程をおこなうこともあります。
(これはまれなケースかな…中身はすでにきれいなので、消毒しなくても大丈夫。)

■歯科助手の、朝の準備業務について

朝の準備も、新人歯科助手が最初に覚えなくてはならない業務の1つです。朝の準備は、歯科医院ごとにやり方や段取りがすでに決まっています。
また、毎朝同じ流れなので、1度覚えてしまえばかなり簡単です。
患者さんが来院する前の時間帯なので、比較的、時間にも気持ち的にも余裕があります。(←他のスタッフに質問するチャンスです。)

◇歯科助手の出勤時間の目安

歯科助手になってから、「朝や午後などのシフトでいろいろだけど、何時に職場に行けばいいんだろう…?」って不安になりますよね。
もちろん、歯科医院によってルールが違うので、他のスタッフが何時ころ出勤しているのか聞いてみましょう。
・私の歯科医院の場合。朝9時から診療開始でしたが、出勤時間は朝の7:50~8:00の間でした。仕事自体は8:20スタートで、患者さんのためにドアを開けるのは8:45でした。「9時から診療」=「9時には最初の患者さんを診れる状態」ということです。
9時に出勤できるのは、歯科医師だけです。
・アメリカで働いていた歯科医院では、9時から診療開始で、私とマネージャー、受付の子は8:45出勤。残りのスタッフは、歯科医師を含め9時前後に出勤していました。9時に遅刻しなければOKって感じで、日本とは全然ちがいました。

◇歯科助手が朝やること

・ユニットを下げる

・コンピューターをオンにする

・レントゲンの機械の電源を入れる

・サクションとエアーの電源を入れる

・治療に必要な器具や道具のコンセントをつなぐ(電源を入れる)

・駐車場の掃除

・タオルなどの洗濯

・朝の掃除

・朝1番の治療の準備

・届いた技工物の管理

以上のような業務を、スタッフ全員で分担しておこないます。
私の歯科医院は、いつも同じ人が、同じ業務にならないように、ゆるいローテーションでおこなっていました。

・ユニットを下げる

前日の夜の片づけで、ユニット(チェア)が1番上まで上がっている状態です。そのため、朝はユニットのイスを1番下までさげた状態に戻します。
ユニットについているスイッチのうち、だいたい1つのスイッチ(ボタン)が「自動的に1番下までさげる」機能があります。
他のスタッフに、どのスイッチか聞いてみましょう。わからなければ、すべてのスイッチを押してみて、どのスイッチが、何の機能なのかを確認してもいいでしょう。
ちなみに、「↓下げるボタン」を押し続ければチェアがどんどん下がっていきます。(古いチェアだと、自動で下げる機能がついていないこともあります。)
(アメリカのユニットのスイッチは足のぺダルで操作するものもあり、1~4番の番号が書かれているスイッチでした。)

・コンピューターをオンにする

各ユニットについているコンピューターや、先生のパソコンの電源を入れます。
パソコンを起動するまでに時間がかかるので、すぐにやった方がいい業務の1つです。

・レントゲンの器械の電源を入れる

レントゲンの機械に、電源を入れるスイッチがついているので、オンにします。

・サクションとエアーの電源を入れる

全てのユニットのサクションとエアーの電源を入れるスイッチが、だいたい裏の入り口付近にあります。
スイッチをオンにすると「ゴッ」って感じの、変な低い音がします。
これをオンにしないと、治療中、サクションが動かず、だ液も吸えないし、エアーも出ません。(私の歯科医院は、裏口の玄関にスイッチがあったので、1番最初に出勤した人がオンにしていました。アメリカの歯科医院も同じ。)

・治療に必要な器具や道具のコンセントをつなぐ(電源を入れる)

前日の夜の片づけで、治療に使う器具のコンセントをや電源を切っているので、朝、また電源を入れます。電源を入れてから、その治療道具が使えるようになるまで(温まるまで)、約15分かかるものもあります。
治療時間前ギリギリではなく、時間に余裕をもって電源を入れましょう。(起動に時間のかかるコンピューターと、温まるのに時間がかかる道具は、優先的に電源を入れた方がいいですね。)
歯の印象を取るための歯科材料「寒天(かんてん)」なんてのもあります。電源を入れて温め、寒天をドロドロにした状態でないと使えないものです。これも、朝電源を入れるのを忘れずに。

・駐車場の掃除

歯科医院専属の駐車場がある場合は、歯科助手が掃除をしなくてはならないことが多いです。タバコの吸いガラや、秋にはかれ葉もたくさん落ちています。

・タオルなどの洗濯

歯科医院では、タオルが必需品です。治療で患者さんが使ったり、裏の器具の滅菌処理で使ったり、スタッフが手を拭いたり…。
私の歯科医院では、毎朝、歯科助手が大量のタオルを洗濯して、外に干していました。
アメリカでは、タオルを洗ったり、商品の注文をしたりする業務は、マネージャーがすべておこないます。

・朝の掃除

私の歯科医院では診療前に毎朝、床に掃除機をかけていました。土足禁止の院内でしたが、毎日かなりのホコリがたまります。
冬場は、床に落ちた髪の毛やほこりが静電気でめちゃくちゃくっついています。

・朝1番の治療の準備

朝9時に、診察を開始する歯科医院が多いかと思います。9時ぴったりに患者さんを導入して、すぐに診察・治療を始められるのがベストです。
1日のスケジュールを紙ベースやコンピューターの画面(歯科医院によってさまざま)で確認できます。ユニットが5台あれば、5人の患者さんを同時に診察できます。つまり、5人分、それぞれの治療の準備が必要だということです。
根の治療だったり、初診の人、子どもや、入れ歯の型どり、抜歯まで…治療内容にはいろいろあるので、少しずつ覚えていきましょう。
中には開院前に来院して、待っていてくれる患者さんもいますので、時間通りに来てくれる患者さんは特に、1分でも待たせないように急ぎましょう。

・届いた技工物(ぎこうぶつ)の管理

技工所(歯研-しけん)さんと提携している歯科医院は、毎朝、技工物を受け取ります。
私の歯科医院では、歯研さんが毎朝来て、できた技工物の配達と、前日の型どりの模型(もけい)を引き渡していました。
技工物とは、銀のつめものやかぶせ物、保険外の白い被せ物、入れ歯などのことを言います。歯科医院では、型どりと技工物のセットをおこないますが、技工物を作るのは、技工所さん(歯研さん)にお願いしています。
歯科医院によっては、技工士のスタッフをやとっているところもあるようです。
以上、朝の診療前だけでも、やることはけっこうあります。
「え!めっちゃやることあるじゃん!!」って驚いた人もいるかもしれません。
でも、安心してください。上記で書いた内容を、スタッフ(歯科助手)全員で分担しておこないます。さすがに1人ですべてやるわけではないので、ビビらなくて大丈夫です。

■朝の時間帯について

朝の準備の時間は、患者さんがいない時間帯なので、他のスタッフに質問するチャンスの時間です。
わからないことは、どんどん聞いて、間違えてもいいので1つ1つ覚えていきましょう。
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