オーガニックは体に悪い、は間違い。アメリカでは大量消費されている
オーガニック食品が気になる人「なんでオーガニックと、オーガニックではない食べ物があるのですか?実際のところ、オーガニックの野菜や果物は体にいいのか、悪いのか知りたいです。海外では、野菜や果物だけではなく、ミルクや卵や肉など、いろいろなオーガニック商品が売られています。海外の人はオーガニックをどのくらい食べているのですか?」
という疑問に答えます。
✓もくじ
1.世の中には「オーガニックは体に悪い」と主張する人がいる。
2.【事実】オーガニックは体に悪い、は間違い。理由は?
この記事を書いている私は、アメリカ在住2年。ミネソタ州のスーパーで、青果売り場を担当しています。
オーガニックの食べ物に関して、英語の文献調査に基づいて解説します。
1.世の中には「オーガニックは体に悪い」と主張する人がいる。
結論として、世界には「オーガニックは体に悪い」と主張する人が、たくさんいるのは事実です。
そして、逆に「オーガニックは体にいい」「オーガニック食品以外は食べない」という人がいるのも、また事実です。
なぜこんなことになるかというと、オーガニック食品はレギュラー(オーガニックではないもの)と比べて、値段が非常に高いからだと言えるでしょう。
「オーガニックは高いから嫌い」「オーガニックを食べられるのは、お金持ちだけ」などの反感が強いからです。
■ベジタリアンが摂るべき、タンパク質の目安は約50g
アメリカには、「オーガニック反対派」「オーガニックは体に悪い」と考える人たちがいます。その理由は、オーガニックの値段が高すぎるから。
オーガニックじゃなくても安心、大丈夫だと考えているのも理由の1つです。あと、健康とか気にしていない人もたくさんいます。
また、「オーガニックを作るには、広い土地が必要なのでよくない」とか、「牛のフンを肥料として使うので危険」だと主張している人もいるようです。
(彼らの主張が間違いなのか、正しいのかは別として、個人的にはオーガニックが体に悪いとは思わないですが…。)
■アメリカで「オーガニック以外は体に悪い」と主張する人たち
一方で、多くのアメリカ人は、オーガニックのほうが栄養価が高い、味がいいと考えているのも事実です。
また、オーガニック食品には、遺伝子組み換え食品がないのも、食の安全につながります。
■体験談:私が感じた「オーガニック以外は体に悪い」という空気。
私が職場のスーパーで働いていたとき、職場の男性スタッフが買い物をしていました。たまたま私は、サラダキットのところで作業中でした。
彼がサラダを選び始めたので「これおいしかったよ!」って、私のお気に入りのサラダについて話しかけました。
そしたら彼は「俺、オーガニックしか食べないから。」って一言。
私がすすめたサラダはオーガニックではなかったので、彼の一言でバッサリ斬られた感じ。「(私)あ、そう。」って、そこで会話は終了しました。
なんか「オーガニック以外は体に悪いよ」って無言のメッセージを受け取った気分で、不愉快した。
・レギュラーは体に悪いと思っているので、オーガニックしか食べない彼。
彼は、オーガニック食品しか食べないそうです。
そして、健康のためにいつもランチにサーモンの刺身を3切れ、必ず食べています。(休憩室で何度も、サーモンを食べているのを目撃。)
彼は小柄で、見た目がちょっと痩せこけている感じなので、ぶっちゃけ「体の中身は健康なんだろうけど、健康そうには見えないのにな~」なんて思ってしまいました。
■オーガニックが高い理由①:ネームブランド
アメリカでは、「オーガニック=いい商品」というイメージが根付いています。
オーガニック商品の値段が高い理由の1つが、「オーガニック」という名前(言い方)がブランド化しいるということです。
日本でも「オーガニック」って聞いたら「よさそうなイメージ」を持つ人が多いかと思います。
■オーガニックが高い理由②:大量生産できない
オーガニックの野菜や果物は、合成化学物質などを使わずに、自然の力(太陽、水、土)だけで育ちます。
オーガニックを育てるには、時間も手間もかかりますし、広い土地も必要です。
オーガニック野菜の形や大きさが、不ぞろいだったり、見た目が変だったりするのも、自然の力で育つためです。
2.【事実】オーガニックは体に悪い、は間違い。理由は?
「結局、何が正しいの?」って混乱しますよね…。この記事のためにいろいろ調べて、英語のブログや調査結果、データなどを読みまくりました。
でも、「オーガニック食品=体に悪いわけではない」「オーガニック以外の食品=体に悪いわけではない」のは、事実です。
結局のところ、「なにがよくて、なにが悪いか、何を信じるのかは、信仰に近いもの」だということ。
■「オーガニックは体に悪い」が間違いな理由
例えば、オーガニックの牛乳や卵、肉を例にとって考えてみます。
オーガニックの牛乳や卵、肉は、「放し飼い」によって育った動物から採れたもの、という意味です。
狭いケージの中で、大量の仲間たちとぎゅうぎゅうになりながら育ち、ホルモンを投与されて育った家畜ではない、ということです。
放し飼いで育てば、家畜は好きなときに食べたいものを、食べたい分だけ食べて、のんびり自由に育ちます。
ストレスも少ないですし、成長も自然なので、牛乳や卵の質や栄養価も高くなると考えられています。
■「オーガニック=体に悪い」は間違い
アメリカの環境保護団体である、EWG(Environmental Working Group)は、毎年、残留農薬に関して調査分析を行い、結果を発表しています。
EWGによると、アメリカのオーガニック以外(レギュラーと言う)の生鮮食品の70%は、害のある合成化学物質が使われているそう…。
「米国農務省が定めた基準にのっとったものとはいえ、必ずしも安全とは限らない」とのことです。
■オーガニックのメリット
オーガニック食品を食べることの、最大のメリットは「食の安全」です。
オーガニックの野菜や果物には、遺伝子組み換えはありませんし、残留農薬の心配もいりません。また、オーガニック(有機栽培)は、生産者の顔や情報を公開しているものが多いです。
一方で、オーガニックのデメリットは、値段が高すぎることですね。
■スーパー勤務だけど、オーガニックの生鮮食品が結構売れる話。
私は2021年5月から、近所のスーパーで青果売り場を担当しています。オーガニックの野菜や果物も、たくさん取り扱っています。
オーガニックの値段はレギュラーのものより高い(2倍以上するのも普通)ですが、多くのお客さんが買っていきます。
ちなみに、うちのスーパーでは、ニンジンとキノコ、ハーブ類はなぜか、オーガニックしか取り扱っていません。
■アメリカ人は、オーガニックをたくさん消費している事実。
米国農務省のデータです。
2014年、購入されたオーガニック商品の合計金額は35億ドル、日本円にして約4035億円です。今はもっと増えているはずです。
都市を中心に、オーガニック商品をたくさん消費しているのが、分布図から見て取れます。
田舎に行くほど、消費量は減ります。(田舎の方が気にしない人が多いようです。)↓
分布図の出展・参考文献:Organic Market Summary and Trends
■体に悪い「残留農薬」検査結果(アメリカ)。オーガニックを選ぶ参考基準にしよう。
アメリカの環境保護団体「EWG(Environmental Working Group)」は、米国農務省のデータをもとに、残留農薬の観点から調査分析を毎年行っています。
そして毎年、生鮮食品に関して「残留農薬が多いもの、少ないもの」のリストを発表しています。
「残留農薬が多い、生鮮食品トップ12位」までを、英語では「Dirty Dozen(発音:ダーティダズン)」と言います。(※ダズン=12の意味)
■レギュラーは体に悪いので、これだけは「オーガニックを選ぼう」リスト
食品の中には、「オーガニックではないものを、避けた方がいい」というものもあります。
なぜなら、「残留農薬が多く、体に及ぼす悪影響の可能性がある、必ずしも安全とは限らない」からです。
■【2021年版:Dirty Dozen】オーガニックが好ましい食品12位
1.イチゴ
2.ほうれん草
3.ケール、チャード、マスタードグリーン
4.ネクタリン
5.リンゴ
6.ブドウ
7.さくらんぼ
8.桃
9.洋ナシ
10.ピーマン
11.セロリ
12.トマト
イチゴは毎年ランクインです。
「残留農薬=イチゴ」と言ってもいいくらい、有名です。イチゴを食べるなら、できるだけオーガニック(有機栽培)を選びましょう。
これが理由で、私はイチゴをほぼ食べなくなりました(日本のイチゴも同じです)。
■オーガニックを選ばなくても、体に悪いわけじゃない「Clean 15」
「Dirty Dozen(発音:ダーティダズン)」とは反対に、残留農薬が「少なかった」食品トップ15までを「Clean 15(クリーンフィフティーン)」と言います。
残留農薬が少ないので、わざわざオーガニックを選ぶ必要がない食品、と考えれば大丈夫です。
【2021年版のClean 15】
1.アボカド
2.スイートコーン
3.パイナップル
4.玉ねぎ
5.パパイヤ
6.冷凍グリンピース
7.なす
8.アスパラガス
9.ブロッコリー
10.キャベツ
11.キウイ
12.カリフラワー
13.きのこ
14.ハニーデューメロン(ハネデューメロン)
15.カンタロープメロン
【NON‐GMO】の表記を選ぶか、オーガニックがおすすめです。
■EWGの調査
EWGの調査では、「クリーン15」で検査された生鮮食品の70%からは、残留農薬が検出されませんでした。
また、2種類以上の残留農薬が検出されたのは、たった8%だったそうです。
クリーン15のトップ2、アボカドとトウモロコシに関しては、サンプルの2%からのみ残留農薬が検出された、との報告が出されています。
■体に悪いものを避け、買えるときはオーガニックを選ぼう
オーガニック食品は、基本的に高価です。
「特売で、オーガニックが安くなっているときは、極力オーガニックを選ぶようにする」、「Dirty Dozen(発音:ダーティダズン)のリストの食品だけは、オーガニックを選ぶ」など、自分ができる範囲で、バランスよく食品を選ぶようにしましょう。
参考文献:Dirty Dozen™
EWG’s 2021 Shopper’s Guide to Pesticides in Produce™
↑無農薬野菜の定期便をうまく活用して、日常的にオーガニック(有機野菜)を取り入れていく感じでいいでしょう。
ちなみに私は80%レギュラーで、20%オーガニックの食生活を送っています。
科学の発達により、食の安全の確保が難しくなっている気がします。安全においしく、楽しい食生活を送っていくださいね。
この記事は、植物ベースの食生活の栄養リスクについて評価したり、指摘したりすることを意図した記事ではありません。
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トーマン悠(トーマンはるか)
英語が大嫌いで、英会話に通って英語が話せるようになりました。英検4級だけ持っています。
アメリカ人と結婚して6年、アメリカ在住4年。現在は夫・アダムと、のんびりキャンパー暮らしをしています。
新卒で小学校教員
→半年で退職
→歯科助手
→英会話に通う
→アメリカ6週間1人旅
→北海道移住
→事務員
→夫婦で仕事を辞め、エベレストのベースキャンプまで120㎞を完歩
→アメリカ移住
→レストランでサーバー、3か月で辞める
→歯科助手
→スーパーの青果売り場勤務
→ミネソタ州でキャンパー暮らし
→ホテルの清掃員
→RVパークのスタッフ
現在はアメリカ・ミネソタ州在住です。
目標であった、夫・アダムの奨学金450万円を完済しました(2021年12月末)。
ヒッピー思考で、愛と自由と平和がモットー。
アダム・トーマン
このサイトの英語アドバイザーを担当。
2011~2019年まで、日本各地で英語・英会話講師を経験。
初めて住んだ岩手県二戸市が超大好き。
幼児~大人まで、ビギナー~超上級者まで、幅広く教えてきました。
Make your English your style.
★仮想通貨・米国株を2017年から運用中。
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