• 投稿の最終変更日:9月 10, 2023
【教員は世間知らず】は本当か?元教員だった私は、世間知らずだった。

【教員は世間知らず】は本当か?元教員だった私は、世間知らずだった。

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教員を目指している人「教員はよく、「世間知らず」とか「常識がない」って言われるみたいだけど、なんで?教員が世間知らずだったら、なにか悪いことでもあるの?」

という疑問に答えます。

✓もくじ

1.【教員は世間知らず】は本当か?元教員だった私は、世間知らずだった。

2.教員が世間知らずと言われる原因は?

3.教員が世間知らずだとダメなのか?

この記事を書いている私は、横浜市立の小学校教員になり、うつで半年で退職。

その後、転職・未経験で歯科助手→北海道移住・事務員→国際結婚→アメリカ移住→レストランでサーバー→歯科助手→スーパーの青果売り場担当(現在ココ)です。教員を辞めて社会に出て、世界に出ていろいろ経験をしています。

教員が世間知らずだと言われることに関して、実体験に基づいて解説します。

1.【教員は世間知らず】は本当か?元教員だった私は、世間知らずだった。

結論として、教員を辞めるまでの私は、「世間知らず」でした。

なぜかというと、教員を辞めて、初めて「就職活動」をしたからです。

■体験談:世間知らずの教員だった私が、人生で初めて就職活動をした話。

具体的なお話をすると、横浜市の教員採用試験に合格した私は、24歳で新卒・初任・小学校教員になりました。結果的には半年でうつになり、退職。

実家のある静岡に戻り、人生初の就職活動をしました。ハローワークに行ったり、ネットで求人を探したり、無料の求人冊子を見たり…。そもそも就活なんてしたことがなかったので、何をすればいいのかもわかりませんでした。

■世間知らずだった元教員の私の就活体験談① 【ベンチャー企業】

ベンチャー企業に応募したこともあります。電車で1時間ほどかけて、職場まで行き、面接と見学させてもらいました。お給料もいいし、どんなものかと気になったので、この謎の会社に応募しました。

・ベンチャー企業の面接で驚き

ベンチャー企業だったので、オフィスはイケイケの音楽が流れ、出勤時間も自由、服装も自由、お給料は24万円~。面接で聞いた話では、営業職は歩合制なので、実力次第、実績次第とのこと。20代後半の営業職の女性スタッフは、フリーターからこの会社に就職し、毎月50万円は稼いでいる…そんな話もされました。危ない会社なのかな、とか思ったり。

・ベンチャー企業の見学

で、見学で2時間ほど、新しいスタッフの営業に同行させてもらいました。「地元・地域を盛り上げる」という会社理念だそうですが、そのスタッフはリアカーを引いて、1日中、家を1軒1軒練り歩き、北海道のお土産や九州の特産品などをセールスするのです。

・世間知らずの元教員の私に、ベンチャー企業は合わなかった

そして「なんだこの会社…まったく意味がわからん。私はリアカー引いて毎日暗くなるまで歩き回りたくないし、静岡で、急に家にそんな人が来て、北海道のスイーツです、九州で人気のお土産です、なんて押し売りされても気持ち悪い。」って、正直まじで思いました。「教員を辞めたけど、こんな仕事、私はしたくない」って思いました。結局後日、電話で辞退しました。

■世間知らずだった元教員の私の就活体験談② 【田舎すぎる工場事務員】

■世間知らずだった元教員の私の就活体験談② 【田舎すぎる工場事務員】
私は、「土日休みの事務員」に憧れがありました。平日勤務でアフター5(←5時以降のこと)はまったり過ごす。平日ランチは、お財布を持って近くのレストランへ…なんて、マンガみたいなことを思い描いていました。

募集を見かけたのは、実家から車で30分くらいの場所にある超ド田舎の工場の事務職。近くのコンビニまで車で10分くらいの場所です。ってか、コンビニ1軒しかないような場所。お給料が12万円ってのが気になりましたが、土日休みの事務員だし、ってことで一応応募しました。面接を受け、工場見学をさせてもらいました。

・ド田舎の工場の事務員は、お給料が低すぎた

が、「お給料は12万円で、今後一切の昇給はない」とのことでした。働いても、頑張っても、実力があっても、お給料の昇給見込みがないなんて、絶望的すぎます。

向こう側からしたら「こんなド田舎の小さな工場に、大卒の事務員なんて、すごすぎる!」とめちゃくちゃ私を採用したかったようですが(ありがたいです)、昇給ナシなので辞退しました。

他にも、大手工場の事務に応募しましたが、面接の連絡が来るのに1ヵ月くらいかかって、その連絡の前に、すでに歯科助手として働き始めていました。

■世間知らずの元教員の私が、初めての就活で色々な会社を知った

教員を辞めて、人生初の就活をした私でしたが、世の中にはいろいろな会社があるんだなー、と学びました。

ベンチャー企業はイケイケで謎だし、創業歴の長い中小企業は、事務員のお給料(生活)なんて気にしてない感じだし、大企業は応募してくる人数も多いから面接までにめっちゃ時間がかかるし…。歯科医院は、違法なことをスタッフにさせているし。

■教員向けの転職エージェント・サイト2社

過去の私がすべきだったのは、リクルートエージェントなど、大手の転職サイトに登録して、いろいろな求人を幅広く調べて、情報を集めて見極めることだったのかな、と反省しています。

↓登録無料なので、転職をちょっとでも考えているなら登録しておくといいでしょう。

30歳までなら、ワーキングホリデーで海外で働くことができます。

ワーホリに関しては、ワーホリとは、海外に住んで働けるビザが取れる最高の制度!で解説しています。よかったらご覧ください。

2.教員が世間知らずと言われる原因は?

私なりに原因を考えてみたので、ここに3つ書いていきます。

■「教員は世間知らず」と言われる原因① 学校という組織しか知らない

ほとんどの教員は「小学校→中学校→高校→大学卒業→教員として学校社会に戻っていく」という「学校」という組織の中しか知りません。教員になるには、就職活動ではなく、教員採用試験の勉強が必要です。とにかく勉強が軸になっている感じです。
あと、教員って学校に遅刻しても、失敗しても、間違っても、案外怒られないんですよね…。「子どもの失敗を責めない」のと同じように。こういう点が、一般社会とズレているのかな、と。

■「教員は世間知らず」と言われる原因② 学校は利益の追求ではない

「学校」は、一般企業のように「利益の追求」はしないので、働き方や組織の作り・システム・考え方なども全然違います。国や文部科学省が決定する事項、方針に沿って動いていきます。もちろん、変更や改革なんて数年、数十年はかかりますので、ほぼ変わることはないと言えます。

・一般的な社会人が中心の考え方

社会人の半数以上は「利益の追求」の仕事に就いているため、「世間=みんな(多数)の常識」的なイメージ・感覚になっているだけであって、もしも社会人の半数以上が教員だったら、「教員は世間知らず」だなんて言われないはずです。

■「教員は世間知らず」と言われる原因③ 経験がないことを子どもに指導する

■「教員は世間知らず」と言われる原因③ 経験がないことを子どもに指導する

学校の先生って、ほとんどの人が社会経験がなかったり、就職活動をしたことがなかったりすると思います。でも、よく考えると、そういう大人(教員)が中学生や高校生の進路相談にのっているって、おかしな話だな、と私は思います。

だって自分には経験がないのに、子どもにすすめたり、教えたりしているんですから。

・泳げない私が、水泳指導なんてできるわけない

私が教員だったときに、放課後の水泳(泳げない子への指導)で子どもに「先生、泳げない。どうやって泳ぐの?」って聞かれたことがあります。

ぶっちゃけ私自身、泳げません。泳ぎ方も分かりません。教えたくても教えられない、私だってわからないんです。子どもに申し訳ないし、「なんで私、教員やってんだろう…」って思った瞬間でもあります。とはいえ、「私だって1人の人間なんだから、得意不得意はあるし、泳げないのは仕方がない」という気持ちもありました。

・英語の先生なのに、パスポートを持っていない

日本で英語を教えている教員のうち、海外に行ったことがある人はどのくらいいるでしょうか?私の夫は、日本で8年間英語講師をしていました。その中で出会った「英語の先生」の半数以上がパスポートを持っていません。20代~50代の英語の先生です。年齢は関係ありません。
実際に海外に行って、日本以外の空気・におい・味・文化・習慣など、体感しなくては「ホンモノの英語」 「実践的・実用的な英語」 「外国語を学ぶことの意味、楽しさ」を教えることは難しいです。「テキスト英語」なら、教えるのは簡単です。
・運動会での宣誓は、ナチスポーズ

小中学校の運動会の宣誓では、右手を上げて宣誓ポーズをします。(私も小学生の時に、児童会でこのポーズをしました。)

これは、ナチス政権のヒトラーのポーズです。ドイツでは、このポーズをすることは法律で固く禁止されています。

アメリカ人やカナダ人、イギリス人などのALTの外国人講師が見たら、日本の子どもがあのポーズをしているのが、本当に信じられないのです。

ナチのポーズなんて、やってはいけないのです。

・私は、外国人の英語講師に頼っていた

特に現代では、小学校低学年から英語学習が始まります。外国人の英語講師だけに任せるばかりじゃいけません。って…私が実際にそうでした。フィリピン人女性の英語講師と一緒に、小3のクラスで英語を教えていましたが、私自身、外国人講師が言っていることが、半分くらいしかわかりませんでした。

当時の私は「英語が大嫌い」「日本に住んでいたら、英語なんていらない」って心の中では思っていました。週1回の英語の授業は、彼女にほぼ任せている感じだったのを覚えています。(※私は、大学生のとき、タイ・シンガポールに行っていますが、英語嫌いでした。)

3.教員が世間知らずだとダメなのか?

3.教員が世間知らずだとダメなのか?

なんで一般的に「教員は世間知らずだ」なんて言われるのでしょうか?あんなに激務の教員がわざわざ叩かれなくてはならないのでしょうか?「教員は世間知らず」じゃダメなんでしょうか???

■「教員が世間知らず」と言われるのは税金のせい?

教員がいろいろとニュースなどで、叩かれてしまう主な理由は、「教員が公務員で、税金からお給料が支払われているから」だと思います。公務員も同じですが、教員は「子どもに教える立場」なので、「全部できて当然、世間知らずじゃダメ」みたいに思う人が多いんじゃないかな、と思います。

教員はお給料が保証されているし、リストラもない、ボーナスももらえる、ノルマもない、夏休みがある、など、教員の「激務」を知らない人からしたら、自分が払っている税金で暮している教員が憎いんでしょうね。

■教員が世間知らずでもいいのでは?

もちろん、子どもに教える立場にいるからには、色々なことを知っていて損はありません。もちろん、英語だって話せた方がいいし、県外や海外に出て、色々な人と出会い、自分とは違った価値観や文化に触れ、いろんな経験をし、「人生を豊かにする」ことで「よりよい人間」になれると、私は思っています。

「教員は世間知らずだ」って叩く人も世の中にはいますが、教員が世間を知らないからと言って、子どもに悪影響かと言えば、そうでもないと思います。

■「教員は世間知らず」と、他人を批判する前に、自分を見つめ直そう

■「教員は世間知らず」と、他人を批判する前に、自分を見つめ直そう

私自身がそうだったように、確かに、教員のときは世間知らずでした。しかし、教員を辞めた今の私でも、まだ世間知らずな部分はたくさんあります。政治や宗教の話、学校教育のシステムの話、戦争の話、歴史の話など、一般教養の学習は無限です。

教員であるかに関わらず、1人の人間として、「人生を豊かにする」ことを目標に掲げれば、おのずと道は開けていくと思います。

以上、私の経験を基に書きました。賛否両論あると思いますが、誰かの参考やなにかのきっかけになれば幸いです。

■教員向けの転職エージェント・サイト2社

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