• 投稿の最終変更日:10月 3, 2023
エルサルバドルは、なぜビットコインを法定通貨に採用したの?

エルサルバドルは、なぜビットコインを法定通貨に採用したの?

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仮想通貨に興味がある人「エルサルバドルという国が、ビットコインを法定通貨として採用したニュースを読みました。なぜエルサルバドルは、ビットコインを採用したのですか?結果的にどうなったのかも知りたいです。」

こういった疑問に答えます。

✓もくじ

1.ビットコインを法定通貨にした、エルサルバドルってどんな国?

2.エルサルバドルは、なぜビットコインを法定通貨に採用したのか?

3.エルサルバドルと法定通貨・ビットコインの現状

4.エルサルバドルはなぜ、ビットコインを法定通貨にして失敗したのか?

5.エルサルバドルとビットコイン、今後の課題

夫・アダムは、2017年から仮想通貨を運用しています。

超IT系の友人も、2017年から仮想通貨を運用中。

もう一人の友人は、米国株をメインに運用。彼はテスラ株で約3,000万円を作り出しました。

エルサルバドルとビットコインに関して、英語の文献調査に基づいて解説します。

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1.ビットコインを法定通貨にした、エルサルバドルってどんな国?

仮想通貨に興味をもつと、「エルサルバドルが、ビットコインを法定通貨として採用した」という話を耳にするかと思います。

今回は、エルサルバドルとビットコインについて詳しく解説していきます。

■エルサルバドルの基本情報

✓エルサルバドルってどこにある国?

そもそも「エルサルバドルってどこの国?」って思う人も多いはず…。

エルサルバドルは、中央アメリカに位置する小さな国です。

↓赤く囲まれている部分が、エルサルバドルです。

画像引用:グーグルマップ

エルサルバドルを英語で書くと「El Salvador」です。発音は「エル・サルヴァドァ」って感じ。

「エルサルバドル」って言っても、まったく通じません。

✓エルサルバドルの国旗

エルサルバドルの国旗はこれです。

✓エルサルバドルの首都

エルサルバドルは、「エルサルバドル共和国」です。

首都は、サンサルバドルです。公用語はスペイン語。

✓エルサルバドルの観光

↑イサルコ火山

エルサルバドルの観光地としては、遺跡や湖、火山、教会などが挙げられます。

エルサルバドルは、とっても美しい国です。→エルサルバドルの画像

エルサルバドルに関する、おもしろい旅行ブログを見つけたので、リンクを貼っておきます。≫<中央アメリカ旅行記(7)>エルサルバドル(2):サンタ・アナ観光

✓エルサルバドルの大統領

エルサルバドルの現大統領は、Nayib Bukele (ナジブ・ブケレ)という男性です。

この大統領、まさかの1981年生まれ。現在41歳です。まさに「ミレニアムボーイ」です。

アメリカのバイデン大統領が79歳なので、めちゃくちゃ若い大統領だということがわかりますね。(2022年時点)

✓エルサルバドルの人口

エルサルバドルの人口は、約630万人です。国の面積は、四国ほどの大きさです。

国の面積が小さいので、人口密度が高いです。

✓エルサルバドルってどんな国?

エルサルバドルは、貧困層の国です。

十分な教育システムを得られない子ども、子どもへの支援不足、食料や安全な水の確保ができない人・子どもたちがたくさんいます。

18歳未満の妊娠率も、5人に1人の割合です。

一方で、エルサルバドル人は明るくて親しみやすい、フレンドリーな人が多いようです。とても真面目で働き者、といった面もあります。

✓エルサルバドルの治安は?

エルサルバドルの治安は、よくありません。南米の中では、かなり危険とされている国です。

12年間続いた内戦(1980~1992年)終結後の現在も、内戦中に流れ出た武器が国内に大量にあります。

経済状況も停滞しており治安はよくないので、夜の外出はしてはいけません。

でもエルサルバドルの夜も楽しそう…≫エルサルバドル nightlife画像

「エルサルバドルの犯罪者」と検索して出てくるのは、ギャングばかり…首都は普通に怖いですよ→エルサルバドルの犯罪者で画像検索

✓エルサルバドルの平均年収

エルサルバドルの平均年収は、44万円くらいです。月収にしたら4万円以下です。

エルサルバドルといえば、コーヒーの栽培が盛んです。

エルサルバドル産のおいしいコーヒーがあります。

2.エルサルバドルは、なぜビットコインを法定通貨に採用したのか?

2.エルサルバドルは、なぜビットコインを法定通貨に採用したのか?

ではなぜ、エルサルバドルは仮想通貨であるビットコインを、法定通貨として採用したのでしょうか。

その理由を詳しく見ていきます。

■エルサルバドルが、ビットコインを法定通貨にしたのはいつから?

エルサルバドルがビットコインを法定通貨にしたのは、2021年9月のことです。

■エルサルバドル政府が、ビットコインを大量に購入

ブケレ大統領のツイッターの情報では、当時の価値が700万円以上だったビットコインを、200個(200BTC)購入したそうです。

国家予算を15億円も投下しています(2021年9月時点)。現在の総額はもっとです。

仮想通貨(ビットコイン)に関しては、仮想通貨とは世界共通の単位。初心者にもわかりやすく簡単解説。で詳しく解説しています。よかったらご覧ください。

↓仮想通貨について学ぶなら、この本がおすすめ。

↑仮想通貨の基礎知識~実践的な内容まで学べる1冊。実際の取引方法なども解説されています。

仮想通貨の将来性に関しては、仮想通貨の将来性とは。将来性がありそうな仮想通貨はどれ?で解説しています。よかったらご覧ください。

■エルサルバドルの法定通貨は、米ドルだった。

ビットコインが法定通貨になる前は、アメリカドルが法定通貨でした。

2001年1月から法定通貨を、全面的にアメリカドルに切り替える政策が敷かれました。

それ(米ドル)以前は、自国通貨「コロン」が使われていました。

現在は、アメリカドルとビットコインの両方が使われており、コロンはほぼ流通していません。

✓エルサルバドルの若者が、アメリカに流れてしまっている現状

2001年からの米ドル施策のおかげで、エルサルバドル国内でアメリカドルが流通しました。

一方で、若者はアメリカンドリームを追って、アメリカに流れて行ってしまっているのが現状です。

(日本の若者が、東京や札幌などの大都市に流れていくのと同じ感じですね。)

■なぜ?アメリカ人が、エルサルバドルにお金を寄付したことが始まり。

3年ほど前(2019年)、アメリカの誰か裕福な人(アメリカ人)が、エルサルバドルの小さな漁村に$100,000(日本円で約1,400万円)を寄付しました。

ソーシャルプログラム(慈善団体みたいなもの)に突然お金が寄付されたのです。

(アメリカって、そういう素晴らしい人がたくさんいます。)

✓寄付されたお金で、ビットコインを買ったエルサルバドル人

寄付金を受け取った漁村の人たちが、周りの人に「ビットコインを買ったほうがいい」と呼び掛けたのが、そもそものきっかけです(仮想通貨の波が来ていたので)。

エルサルバドルの人たちは、貧しいので銀行口座を利用できないため、ビットコインが銀行口座の代替となると考えたのです。

で、何人が実際にビットコインを購入。2019年だった当時、ビットコインが話題となり、タイミングよく価値が急上昇しました。

エルサルバドル人にとっては、まさに「ビットコイン、すげぇ!」の体験だったのです。

✓エルサルバドルの小さな漁村で、なぜかビットコインが流行っているのが話題に。

その漁村に観光に来ていた人(←たぶん地元民以外のエルサルバドル人)が、ビットコインが使われているのを見て、話題として広まりました。

その後、もっと観光客が訪れるようになりました。

小さな村だったのに、ビットコインをきっかけに有名になり、観光客からのお金やビジネスも流れてきて、村が栄えたのです。

これがまさにシンデレラストーリー。そりゃ、みんな期待に胸を躍らせますよね。

ビットコインをやり始めたら、村が栄えて、タイミングよくビットコインが急上昇して、一気に、そして簡単にお金が増えたのですから。

世界で仮想通貨をやってる人の割合に関しては、仮想通貨をやってる人の割合。3億人以上が仮想通貨をやってるで解説しています。よかったらご覧ください。

■なぜ、エルサルバドルの大統領はビットコインを信じるのか。

イケイケの、ミレニアムボーイのブケレ大統領。

上の写真が、エルサルバドルの大統領です。大統領ってこんな感じでいいの?って思ってしまいました。

ミレニアムボーイなので「ビットコイン、いいじゃん。イケそうじゃん。」ってことで採用した感じなんでしょうね、きっと。

エルサルバドルの法定通貨がビットコインになったのは、大統領が仮想通貨の可能性を本気で信じているからです。

国のリーダーがそんな感じでいいんですかね…(+_+)

仮想通貨の危険性に関しては、なぜ危険?仮想通貨の危険性と危険回避のためにできること。で詳しく解説しています。よかったらご覧ください。

✓エルサルバドル大統領の、ビットコインの狙い

ブケレ大統領は、ビットコインで世界的な先駆者となり、ギャングや暴力など、エルサルバドルという国の「悪いイメージ」を払拭したいという狙いがあるようです。

また、ビットコインを法定通貨に採用することで、エルサルバドル国内を心機一転させ、世界でも注目される先進的で画期的な国に一新したいという気持ちがあったと考えられます。

■エルサルバドルの大統領が語る、ビットコイン・シティとは?

ブケレ大統領によれば、「ビットコイン・シティ」を建設して、国内にある火山をエネルギーに利用して、ビットコインをマイニング(=ビットコインを作り出す工程)したいとのことです。

とりあえず、「ビットコイン・シティ=パラダイス」ってイメージでいいのかも。

■エルサルバドルが、ビットコインを法定通貨にするメリット

では、エルサルバドルがビットコインを法定通貨にすることで得られる、メリットについてみていきます。

✓エルサルバドルがビットコインを使うメリット

・貧しい人でも、口座を持てる

・海外からの送金がスムーズになる

・国際市場に参加できる

主に上記の3つ。それぞれ解説すると、こんな感じです。

・貧しい人でも、口座を持てる

エルサルバドルは、非常に貧しい国です。エルサルバドルの国民は、(貧しさから)銀行口座を持てない人が非常に多いのです。

まさに国民の70%もの人が、銀行口座を持っていません。

銀行口座を持ちたくても、手数料すら払えないほど貧しいのです。

でも、ビットコインならインターネット環境があれば誰でも利用できます。

仮想通貨を利用することで、銀行なしで投資ができたり、将来ための貯金や子どもたちのための貯金ができたりするのです。

・海外からの送金がスムーズになる

仮想通貨なら、海外からの送金がスムーズになり、手数料がかからないので非常に有効的なのです。

エルサルバドルでは、海外に出稼ぎに行って、外国からエルサルバドルにいる家族に生活費を海外送金している人もいます。

海外送金にかかる手数料は、バカになりません。仮想通貨を使えば、手数料をグッと抑えることができるのです。

・国際市場に参加できる

仮想通貨市場はどんどん拡大しています。

将来的にも、もっと多くの人、企業、国が仮想通貨(ビットコイン)を使うと考えられます。

ビットコインを利用することで、エルサルバドルという小さな貧しい国でも、すぐに国際市場に参入できるのです。

仮想通貨やビットコインのメリット・デメリットに関しては、【仮想通貨】メリット・デメリットとは?今後の課題もで詳しく解説しています。よかったらご覧ください。

3.エルサルバドルと法定通貨・ビットコインの現状

3.エルサルバドルと法定通貨・ビットコインの現状

こんな感じで、2021年9月から国内の通貨をビットコインに統一したわけですが、現状はどうなのでしょうか。

■エルサルバドルとビットコインの現状

ビットコインの法定通貨化から、丸1年経った現在…現実はかなり厳しいようです。

✓なぜビットコインは、エルサルバドル国内で普及していないのか

そもそも仮想通貨(ビットコイン)を理解していない国民も多いし、ビットコインの普及も進んでいません。

そんな中、法律によって「ビットコインを使わなくてはならない」といきなり定められても、困りますよね。

混乱を招くだけです(で、結果的にそうなった)。

✓エルサルバドルの企業は法律上、ビットコインに対応しなくてはならない

↑お店のレジにはビットコインのサインが。

ビットコインが法定通貨となった以上、国内企業は法律上、ビットコインに絶対に対応できるようにしなくてはなりません。

具体的には、お客さんが「このリンゴを、ビットコインで買いたい。」となれば、企業は対応しなくてはならないのです。

ビットコインに対応するには、ビットコインを使えるシステムを導入しなくてはなりません。

✓エルサルバドル国内の企業も、ビットコインを使っているところは少ない

一方で、法律で定められていても、現在、実際にビットコインを利用している国内企業は、とても少ないのが現状です。

数字で言ったら、国内の20%の企業しかビットコインを使っていません。

■エルサルバドルの、ビットコイン政策の大ダメージ

急にビットコインが法定通貨になったことで、カオスな状況になったエルサルバドル。

さらに追い打ちをかけたのは、ビットコインの価格(価値)が大幅に下がったことです。

ビットコインを法定通貨にしたとき、ビットコインの価格は700万円以上でした。

その後、大きな価格変動によりビットコインの価値は下がっています。当時と比べたら、現在は半分以下の価値です。

仮想通貨の価値が上がる理由に関して、【なぜ上がる?】仮想通貨の価格が上がる理由5つ。で解説しています。よかったらご覧ください。

■エルサルバドルの大統領は、仮想通貨を甘く見過ぎ?

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、価格変動も大きく歴史もまだまだ浅いです。

そんなに簡単に物事が進むなら、誰もが億万長者になれますよね。

ミレニアムボーイは、世の中を甘く見過ぎている気がします。

大統領個人の希望を叶えるために、国のお金をギャンブルに投じているのも同然です。

4.エルサルバドルはなぜ、ビットコインを法定通貨にして失敗したのか?

4.エルサルバドルはなぜ、ビットコインを法定通貨にして失敗したのか?

ここでは、エルサルバドルがビットコイン導入に失敗した原因を探ります。

■エルサルバドルが多額を投入した直後、ビットコインが下落

ビットコインの価値が暴落したせいで、政府が投下したお金の半分以上が損失となっています。

そもそも貧しい国なのに…巻き込まれている国民がかわいそうです。

■当時は多くのエルサルバドル国民が、ビットコインに挑戦した

それでも、当初は多くの国民がビットコインに挑戦したのも事実です。

でも、結果的にうまくいかなかった理由は、主に以下の通り。

✓エルサルバドルがビットコインに失敗した理由

・ビットコインの価値が暴落したこと

・ビットコイン利用のシステムが整っていない

・ビットコインのATMが遠すぎる

・インターネット環境が整っていない

・ビットコインの価値が暴落したこと

エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用したあと、ビットコインの価格が下がりました。

・ビットコイン利用のシステムが整っていない

ビットコインの法定通貨採用後も、ビットコイン利用のシステムは整っていないのが現状です。

お店側は、「お客からビットコインで支払われたはずなのに、口座に振り込まれておらず損失になってしまった」などのトラブルが続出。

システム上の問題が何度も発生して、利益につながらないので、結局ビットコインを使わなくなってしまったという企業がたくさんあります。

・ビットコインのATMが遠すぎる

ビットコインのATMが設置されている場所が限られているので、気軽にアクセスできない人もたくさんいます。

ATMが遠ければ、全然便利じゃないですよね。

ちなみにChivo(チボ)という機械がATMとして、エルサルバドルで主に使われているようです。

・インターネット環境が整っていない

2019年の時点で、国民の半分(50%)もの人がインターネットへのアクセスを持っていません。

仮想通貨は、インターネットがなければ絶対に使えません。

また、エルサルバドルでは特にお年寄りは、スマートフォンも持っていない人が多いです。

■エルサルバドルの国民がビットコインを理解していない

そもそもインターネットが普及していないので、ビットコインを知らなかった人も多いです。

現在、エルサルバドルの国民10人中7人が、ビットコインを使いたくない、法定通貨になってほしくないと思っているのです。

↑エルサルバドルで行われた「ビットコイン反対」のデモ活動。(2021年9月)

ビットコイン反対派はたくさんいます。

■ビットコインに関するサポートセンターは、基本つながらない

国全体でビットコインが法定通貨とされたことで、ビットコインに関する相談窓口やサポートセンターが設置されました。

当然ですが、電話が殺到するわけです。

電話しても全然つながらないので、困ったことがあってもサポートを受けられないのが現状です。

こんな状況では、みんな従来の米ドルを使うに決まっています。

5.エルサルバドルとビットコイン、今後の課題

5.エルサルバドルとビットコイン、今後の課題

大統領はまだまだやる気です。ビットコインから手を引く気はなさそうです。

ビットコイン・シティも建設予定ですからねぇ。

■エルサルバドルの大統領は、国民のことは考えていないかも

大統領はまだまだやる気です。ビットコインから手を引く気はなさそうです。

あんまりいい大統領ではないかも…。

■ビットコインの将来は、誰にもわからない

今までにない施策なので、将来のことなんて誰にもわかりません。

けど、ビットコインに関するシステムを整えないと今後もうまくいく気がしません。

■エルサルバドルとビットコイン、今後の課題とは

・システム環境を整える

・もっと多くのビットコインATM設置

・サポートセンターを増やす

・ビットコインに関する教育

・インターネット環境を整える

・誰もがスマートフォンを持てるようにする

など

エルサルバドル政府がしなくてはならないことは、たくさんあります。

私個人の願いとしては、エルサルバドルの国民が幸せになってほしいことです。

以上、参考になればうれしいです。

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参考記事

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