• 投稿の最終変更日:7月 5, 2023
アーミッシュの青春?「ラムスプリンガ」ってなに?

アーミッシュの青春?「ラムスプリンガ」ってなに?

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アーミッシュが気になる人「アーミッシュのラムスプリンガってなんですか?」

こういった疑問に答えます。

✓もくじ

1.アーミッシュのラムスプリンガとは?

2.ラムスプリンガはアーミッシュの青春?タバコもドラッグも体験できる。

3.ラムスプリンガのあと、アーミッシュは自分で人生を選択する

4.ラムスプリンガのあと、アーミッシュのコミュニティに戻らなかったら…

この記事を書いている私は、アメリカ在住3年。現在は、ミネソタ州レッドウィング在住です。

夫・アダムは、アメリカ・ウィスコンシン州出身です。そのため、アーミッシュが馬車で移動しているのを日常的に目にしていました。

また、ウィスコンシン州の田舎に住んでいる友人宅に行くと、家の前をアーミッシュが通るのを毎回見かけます。

この記事は、アダムや彼の家族から聞いたアーミッシュに関する情報や、インターネット上で収集した情報(英語記事を含む)を基に、まとめたものです。

✓アーミッシュの石けん

アーミッシュが作っているハンドメイドのソープもあります。

アメリカのアマゾンで探したら売っていました(ちょっとびっくり)。

日本への送料も含めて、3,000円ほどで買えます。

アメリカのアマゾンを使って購入する方法は、【超簡単】アメリカ版のAmazonアカウントの作り方・手順。英語が苦手でも大丈夫!で解説しています。よかったらご覧ください。

1.アーミッシュのラムスプリンガとは?

1.アーミッシュのラムスプリンガとは?

アーミッシュは、独自のコミュニティに閉じこもっているイメージが強いですが、そんなことはありません。

■アーミッシュってなに?

アーミッシュとは、アメリカ・カナダに住むキリスト教徒のコミュニティのこと。アーミッシュは、ドイツからアメリカに移民してきた当時の生活様式を、今でも伝統的に送っています。

現代文明を拒否するアーミッシュの暮らしは、車なし、水道なし、電気なし、シャワーなし、テレビなし。アーミッシュ以外とはほとんど交流せずに、自給自足で暮らしています。

アーミッシュについて、もっと詳しく知りたい人は、アーミッシュとは、アメリカにいる質素な暮らしをする人たちで解説しています。よかったらご覧ください。

✓アーミッシュに関する本

↑アーミッシュに関して書かれている本『アーミッシュ―もう一つのアメリカ』もあります。興味がある人はぜひ。

■アーミッシュのラムスプリンガとは?

アーミッシュの子どもが14~16歳になると「ラムスプリンガ:Rumspringa」と言われる”自由の期間”が与えられます。

ラムスプリンガは、ドイツ語で「Running around」=走り回る、つまり、「外の世界をいろいろ見て体験する」という意味です。

■ラムスプリンガでは、アーミッシュのコミュニティの外を体験できる

親元から離れて「外(イングリッシュ)の世界」で自由に暮らすことができます。

絶対に親元を離れて普通の暮らしを体験しなくてはいけない、という決まりではありません。

しかしながら、ラムスプリンガはアーミッシュの伝統です。

「外の世界」を体験し、知ることで、今後の人生が決まるため、ほとんどのアーミッシュは親元を離れて生活します。

↑ネットフリックスが、ラムスプリンガの映画を作りました。

アーミッシュやラムスプリンガに興味がある人は、見た方がいいです!

日本のネットフリックスのアカウントがあれば、VPNを利用して視聴できます。
アメリカのNetflixで「ラムスプリンガ」を見る方法は、インド映画【RRR】アメリカNetflix/ネトフリで配信中で解説しています。よかったらご覧ください。

↑VPNのサーバーをアメリカ国内につなげばOKです。

日本語訳はなく、ドイツ語か英語で視聴することができます(+英語字幕あり)。

私もこの映画、観ました。映画に出てくる役者はどれも演技が下手くそですが、ラムスプリンガがどんな感じなのかはよくわかります。

ネタばれになってしまいますが、ラムスプリンガとこの映画をよく理解するためにも、ちょっと解説しておくと、

アメリカ・ペンシルベニア州のアーミッシュが、彼の先祖が誰なのか、名前(祖先のルーツ)を知るために、ラムスプリンガでドイツに行く話です。

この映画は「ドイツ語+英語字幕」で見る方がいいです。

というのも、私は「英語+英語字幕」で見たのですが、映画の最初でドイツ人が主人公のアーミッシュに向かって「何言ってるか理解できないんだけど…」って感じのシーンがたくさん出てきます。

英語で観ると「?」ってなりますが、オリジナルのドイツ語で見ると、ドイツ人はドイツ語を話していますが、アーミッシュは古~いドイツ語(ペンシルべニアダッチという言語)を話しているので、現代のドイツ人には通じないんですね。

日本語で考えると、平安時代の言葉と現代人の言葉で会話しているので、通じない感じ。

映画に中ではアーミッシュがラムスプリンガでパーティーを楽しむ様子が描かれています。多くのアーミッシュがラムスプリンガ中にお酒やドラッグ、車の運転やセックスなどを楽しむんですね。

神や聖書の教えに背(そむ)く行為や思想・考え(ビールとか、ダンスとかセックスとか…)は「けがれ」なので、アーミッシュは深夜にも関わらずお風呂で体を洗おうとするシーンもうかがえます。

そりゃあ、そんな体験後に、アーミッシュの世界に戻るのも大変ですよね。

2.ラムスプリンガはアーミッシュの青春?タバコもドラッグも体験できる。

ラムスプリンガ中は、なんの制限も決まりもありません。とにかく。自由です。

ラムスプリンガ中なら、たとえアーミッシュでも、映画やカフェなどの娯楽や恋愛を楽しんだり、スマホの所有や車の運転も可能です。

ダンスクラブやお酒やたばこ、ドラッグも体験したりします。(お酒はもちろん未成年で違法ですが、アメリカの多くの若者は体験します。)

※アメリカでは、お酒は21歳から飲めます。

■ラムスプリンガでは、アーミッシュ独特のルールも解禁

また、ラムスプリンガ中なら、アーミッシュ以外の服も着ること髪の毛だって自由にアレンジ可能です。

髪の毛だって自由にアレンジ可能です。

アーミッシュで決められた8年間の義務教育では、ドイツ語、英語、数学しか勉強しません。

でも、ラムスプリンガ中なら、科学やテクノロジーの勉強もOKです。

今まで聖書しか読んではいけなかったのに、ラムスプリンガ中なら、本も漫画も読んでいいのです。

とにかくアーミッシュのルールから外れていいのです。

✓ラムスプリンガ中でも、アーミッシュの男女で差が生じる。

ラムスプリンガ中に、多くの男の子アーミッシュはイングリッシュの服(私たちの服)を着るのに対し、ほとんどの女の子のアーミッシュは、アーミッシュの服を着て過ごします。

ラムスプリンガ中、男の子アーミッシュはたいてい車を運転しますが、女の子はほとんど車を運転しません。

ちなみに車で20分の場所でも、アーミッシュのバギーだと2時間かかります。

■ラムスプリンガでは、アーミッシュも自由に恋愛できる

この期間には、アーミッシュではない普通の人と恋愛することもできます。

アーミッシュコミュニティでのデートは牧場でピクニックか散歩くらいでしょうが、ラムスプリンガではカフェでお茶をしたり、映画館デートだって可能です。

■アーミッシュのラムスプリンガでは、テクノロジーOK!

スマホを使って、アーミッシュではない友人(イングリッシュ)に連絡を取るなど、今まで許されなかったことがすべてできるようになり、今までの「アーミッシュの常識」が、すべて「常識」ではなくなるのです。

ラムスプリンガ中のアーミッシュは本当に複雑な思いでいっぱいになり、混乱するのです。

そして「やっぱりアーミッシュのコミュニティで生きていくのが一番いいんだ」と考えるのです。

↑これが狙いです。

3.ラムスプリンガのあと、アーミッシュは自分で人生を選択する

■ラムスプリンガは、アーミッシュの青春期間

ラムスプリンガは、アーミッシュにとって「青春期間」と考えられています。

外の世界を知ったあと、彼らは1年ほどの「考える期間」を与えられ、アーミッシュのコミュニティに戻るか、家族と絶縁してイングリッシュの世界で人生を送るかを選択できます。

■ラムスプリンガのあとでも、アーミッシュのコミュニティに戻る人が大半

実に85~90%ものアーミッシュが、自分のコミュニティに戻っていきます。

■ラムスプリンガのあとも、アーミッシュのコミュニティに戻る理由とは

こんなにも高い割合でアーミッシュコミュニティに戻る理由は、「外の世界は危険で怖い」と思うからでしょう。

アーミッシュの教育は、ドイツ語、英語、数学のみです。歴史や科学などは一切の教育を受けません(受けてはいけない)。

初めて「外の世界」を知り、新しいこと、知らないことに対応できず、結果として「外の世界は怖い、危険」だということを肌で感じ、アーミッシュ社会に戻るのだと考えます。

(ラムスプリンガは、「外の世界は危険」ということを若いアーミッシュに知らしめるのが狙いです。)

■アーミッシュの女の子にとって、ラムスプリンガは外の危険を知る手段?

特にアーミッシュの女の子にとって、外の世界での自分の「未来の可能性を見通す」ことは非常に難しはずです。

そもそも女性の人権がない社会(アーミッシュのコミュニティ)から来ているので、我々普通の女性とは感じ方・考え方が違います。

たった1,2年のラムスプリンガで、アーミッシュの女の子たちがイングリッシュの世界(現代、テクノロジーを使う私たちの世界)に広がっている、無限の可能性に気づけるはずがありません。

4.ラムスプリンガのあと、アーミッシュのコミュニティに戻らなかったら…

では、ラムスプリンガのあとにコミュニティに戻らなかったら、どんな人生を送ることになるのでしょうか?

■アーミッシュのラムスプリンガ後に、家族と絶縁。

アーミッシュコミュニティに戻らず、イングリッシュの世界で生きていくと決めたアーミッシュたちは、もうアーミッシュではなくなり、アーミッシュコミュニティとの交流も一切なくなり、二度とアーミッシュに戻ることはできません。

自分の家族とも絶縁しなくてはなりません。

たとえ父、母、もしくは仲の良い兄弟や友人であっても、金輪際の接触や連絡は途絶えます。

家族に会いたくても絶対に会えません。手紙を送り合うこともダメです。

■アーミッシュ・ラムスプリンガ後の、切ない暮らし。

アーミッシュをやめた男の子が、「自分がいたコミュニティからたった3マイル(約5㎞)の場所に(家族には内緒で)住んでいて、本当は家族に会いたいけれど、アーミッシュである両親を尊重して隠れて暮らしている。」と語っているドキュメンタリーを観ました。

本人としては、偶然に、遠目でいいから少しでも家族の顔や様子が見れたらうれしいのでしょう。

しかし、自分の姿は家族には見られてはいけない。…本当に辛そうでした。

■アーミッシュのラムスプリンガっぽい動画

ラムスプリンガ期間中の動画ではありませんが、長年ダンスをやってみたいと思っていたアーミッシュ女性の願いが叶った瞬間です。

「Breaking Amish」というテーマで、アーミッシュの常識・ルールを越えて撮影している動画です。

人生初のダンス、ずーっとやってみたかったダンス…本当にうれしそうですね。

以上、参考になればうれしいです。

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