• 投稿の最終変更日:9月 11, 2022
アーミッシュの生活って?シンプルな暮らし方を覗きたい。

アーミッシュの生活って?シンプルな暮らし方を覗きたい。

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アーミッシュが気になる人「アーミッシュの生活やライフスタイルって、どんな感じですか?」

こういった疑問に答えます。

✓もくじ

1.原始的な生活を送るアーミッシュとは?

2.アーミッシュの生活は、厳格なキリスト教で厳しい規律がたくさん

3.アーミッシュの生活は、家のもシンプル

4.アーミッシュの生活:食事

5.アーミッシュの生活:お風呂事情

6.アーミッシュの生活:洗濯事情

7.アーミッシュの生活:トイレ事情

8.アーミッシュの生活に必須な馬車は、危険も伴う。

9.アーミッシュの生活では、ほしいものは手に入らない

この記事を書いている私は、アメリカ在住3年。現在は、ミネソタ州レッドウィング在住です。

夫・アダムは、アメリカ・ウィスコンシン州出身です。そのため、アーミッシュが馬車で移動しているのを日常的に目にしていました。

また、ウィスコンシン州の田舎に住んでいる友人宅に行くと、家の前をアーミッシュが通るのを毎回見かけます。

この記事は、アダムや彼の家族から聞いたアーミッシュに関する情報や、インターネット上で収集した情報(英語記事を含む)を基に、まとめたものです。

1.原始的な生活を送るアーミッシュとは?

1.原始的な生活を送るアーミッシュとは?
アーミッシュは、畑や酪農で自給自足の生活、自分たちのライフスタイルと伝統を守りつつ、独自のコミュニティを形成して暮らしています。

■アーミッシュってなに?

アーミッシュとは、アメリカ・カナダに住むキリスト教徒のコミュニティのこと。アーミッシュは、ドイツからアメリカに移民してきた当時の生活様式を、今でも伝統的に送っています。

現代文明を拒否するアーミッシュの暮らしは、車なし、水道なし、電気なし、シャワーなし、テレビなし。アーミッシュ以外とはほとんど交流せずに、自給自足で暮らしています。

アーミッシュについて、もっと詳しく知りたい人は、アーミッシュとは、アメリカにいる質素な暮らしをする人たちで解説しています。よかったらご覧ください。

■アーミッシュの生活に憧れる人も多い。

「自給自足でテクノロジーに頼らない、シンプルな暮らし」

…これだけ聞けば美しい響きです。

どんなに素敵な生活を送っているのだろう、とアーミッシュの暮らしにあこがれる人もいるのではないでしょうか?

実際に、多くのアメリカ人がアーミッシュにあこがれて、「私もアーミッシュになりたい!」と、アーミッシュのコミュニティにお願いしてアーミッシュになります。

たいていは1~2か月でアーミッシュの生活スタイルにギブアップして、イングリッシュの世界(普通の世界)に戻っていきます。

だって、アーミッシュになったら、外の世界とのつながりはなくなるので、家族や友人とも絶縁しなくてはならないのです。

2.アーミッシュの生活は、厳格なキリスト教で厳しい規律がたくさん

アーミッシュの生活は、とても伝統的です。

「伝統的」と聞けば、「ステキ!かっこいい。」なんて思うかもしれません。

しかしながら、テクノロジーがなくては生きていけない現代人にとって、テクノロジーなしのアーミッシュ生活は、とにかく過酷です。

■アーミッシュの生活が大変な理由

テクノロジーを使うとすべてが楽になりますね。

アーミッシュがテクノロジーに頼らない主な理由も、一生懸命働くほど、神に愛されるという宗教的な信条からきています。

■アーミッシュの生活は、働きづめ?

アーミッシュは男女ともに、毎朝5時に起床し、日の入りまで働きます。

夜9時までには、全員ベッドに入っています。

老若男女問わず、アーミッシュは一日中、毎日、一生働かなくてはいけません。

まさに、働かざる者食うべからずです。

厳しい暮らし、不自由で大変な生活ほど神に愛されると信じているのです。

■アーミッシュの生活は、過酷な肉体労働

アーミッシュは、カイロプラクター : chiropractor(整体みたいなもの)に頻繁に通います。

理由は、日々の肉体労働で体への負担が大きいから。特に男性ですね。

農業や巻き割り、家やコミュニティの建物を建てたり…。

■アーミッシュの生活は大変…決まりを破れば罰も。

アーミッシュのコミュニティには、それぞれ決まったルールや規律が存在します。

決まりを破った場合は、アーミッシュのコミュニティから村八分/完全に無視(Shun:シャン)にされます。

改善が見られない場合は最終的に追放され、家族から絶縁されます。

■アーミッシュの生活を大きく左右する規律

コニュニティのルールや決まりに関しては、コミュニティ内で年に2回大きな話し合い(ミーティング)が行われます。

そのコニュニティのリーダーである牧師(教父)が、ルールや変更を最終的に決定します。

この牧師が厳しいか、柔軟かで、コニュニティの全体が左右されます。

一度決まったルールを変えることは非常に難しく、変えるとしても、長い時間がかかります。

教父によっては、コミュニティ自体がカルト状態になってしまっているコミュニティもあるようです。

コミュニティの教父に関する事件については、【衝撃】アメリカのアーミッシュに起こった事件まとめで解説しています。よかったらご覧ください。

■アーミッシュの生活では、快楽も禁止

私たちが普段する娯楽やリラックスなど、アーミッシュ社会では禁止されています。(宗教上の理由から)

音楽を聴いてリラックスしたり、ダンスをしたり、スポーツを楽しんだり…。セックスを楽しむのだって快楽です。

これら、すべて禁止です。

3.アーミッシュの生活は、家のもシンプル

3.アーミッシュの生活は、家のもシンプル

アーミッシュの生活は、家の中もシンプルです。

■アーミッシュの生活の中に、全身鏡はない。

アーミッシュの家には、全身鏡がありません。

鏡に映る自分の姿を見て、自尊心・虚栄心を高めることを防ぐためです。

小さい鏡はあるようです。(ひげを整えたり、ボンネットとかぶったりするのに使っていると思われます。)

■アーミッシュの家の中は質素。

インテリアやデコレーションもしてはいけません。

壁紙も一色のみで、とにかくシンプルに。

✓アーミッシュの家にカーペットはダメ?

また、床もむき出しか、質素な板で覆ってあるだけです。アーミッシュはとにかくすべてが質素です。

部分的なラグはOKですが、アメリカで一般的に見かける「部屋全体にカーペットを当てている(取り外し不可能なカーペット)」のはダメだそうです。

理由はわかりません。

寒い冬は、ストーブが大活躍です。

■アーミッシュの生活で、電話はどうするの?

アーミッシュは、家電話やスマホの所有が禁止されているコミュニティが多いです。

電話の所有が禁止されている理由は、電話を所有すると「何か話したいこと、伝えたいことがあるときに、実際に相手に会わなくても話ができてしまうから」です。

電話がなければ、相手に直接会わない限り話すことはできません。

アーミッシュのコミュニティは超規模(100人くらい)なので、コミュニティ内のつながりをとても重視しているのです。

✓アーミッシュのコミュニティ内に公衆電話があることも

コミュニティが所有している “公衆電話” があることもあります。

家電話やスマホは禁止ですが、コミュニティが所有している「みんなの電話」は使えます。

と言っても、使うのは緊急時のみ。

✓アーミッシュはスマホ禁止

上記でも述べましたが、アーミッシュはスマホ禁止です。

アーミッシュでは、「コミュニティ所有」がメインで、「個人所有」はあまり許されません。スマホに限らず、農機や電話など。

とはいえ、現代のアーミッシュは「コミュニティのビジネスに必要な場合」にスマホやパソコンを使っています。

アーミッシュのコミュニティは、農業や酪農、家具などで現金収入を得ています。

コミュニティの収入に欠かせないビジネスにおいて必要である場合は、スマホもパソコンも取り入れているコミュニティもある用です。

※もちろん、個人の所有は禁止です。

↓アーミッシュがスマホやパソコンを使っている写真が見られます。

英語記事ですが、写真を見るだけでも興味深いですよ。

4.アーミッシュの生活:食事

アーミッシュの食生活についてみていきます。

■アーミッシュの食生活は、自給自足

アーミッシュは、ベジタリアンでもヴィーガンでもありません。

基本的に、食べ物はコミュニティ内で採れた、無農薬のオーガニック野菜(有機野菜)です。

家畜(牛、豚、鶏、羊、ヤギ)もいるので、ミルクや卵は採れたものを食します。

でも、アーミッシュはコストコで買い物します。ポテチとか買ってるアーミッシュもいます。

■アーミッシュのコミュニティによっては、猟銃を所有

ちなみに、ほとんどのアーミッシュは銃を所有していませんが、いくつかのコミュニティでは猟銃を所有しています。

もちろん猟銃を使うのは男性で、リスやウサギ、鹿を捕まえてみんなで食べます。

畑の作物が食べられてしまうのを防ぐ目的もあります。

アーミッシュは、アメリカのミッドウェスト(midwest)に住んでいるため、日常生活において、野生動物がとても身近です。リス、ウサギ、鹿は毎日何匹も見かけます。

■アーミッシュのキッチン

アーミッシュのキッチンについてです。

✓アーミッシュ家には、水道がない?

アーミッシュの家には、私たちの家にあるような「水道」がありません。

水道がない理由は、配管工事をしないためです。

じゃあ、どうするの?って思いますよね。

↓こんな感じのポンプが、台所のシンク横にあるのをイメージしてみましょう。

■アーミッシュの料理や暮らし

私たちのイメージする水道の蛇口の場所ではなく、シンクの横の部分にこのような小さめのポンプが設置されています。

✓アーミッシュの水事情

アーミッシュの家では、すべて井戸水(ポンプ)・雨水を使って水を確保します。

アーミッシュは雨水を溜めて、洗濯、お風呂、お皿洗いに使います。

蛇口をひねれば水が出る、私たちが使う水道は存在しません。すべてバケツを利用しての水仕事です。

✓アーミッシュは冷蔵庫持ってるの?

アーミッシュの家に冷蔵庫が歩かないかは、コミュニティによって分かれます。

冷蔵庫がない家庭では、あまり肉を食べません。

肉を食べる場合は、さばいたばかりの新鮮な肉のみです(保存がきかないので)。

ニューヨークに住むアーミッシュの家にある、「アイスハウス」の写真を発見しました。

画像引用元:Amish Ice House

これがアーミッシュの冷蔵庫なんですね~。

画像引用元:Amish Ice House

✓アーミッシュのコンロは?

家庭によっては、wood kitchen stove(薪式コンロ)があります。

※英語でコンロのことを「stove(ストーブ)」と言います。

ガスコンロではなく、薪を入れられる場所があって、熱を得られる造りになっています。

↓こんな感じ。

アーミッシュのコンロは?

毎回薪を燃やして、火を起こすのがめんどくさそう…。

5.アーミッシュの生活:お風呂事情

アーミッシュのお風呂についてです。

■アーミッシュは、あまりお風呂に入らないイメージがある

アーミッシュの家庭にシャワーはありません(配管工事をしないので、プラミングなし)。

水道がなくても、バケツの底に穴をあけて吊るし、バケツシャワーを作って使うことも可能です。

多くのアメリカ人は、アーミッシュに対して「あまりお風呂に入らない」というイメージを持っています。

✓アーミッシュ本人は、お風呂に入っていると主張

アーミッシュは「毎日お風呂に入る(湯船につかる)、夏場は1日に2回お風呂に入ることもある」、とアーミッシュの女性がインタビューに答えている、英語の記事を読みました。

アメリカ人も「アーミッシュはあまりお風呂に入らない」というイメージを持っているため、どのくらいお風呂に入るか、よく質問されるようです。

見栄を張って「毎日入る」と答えている可能性もあります(アーミッシュは見栄を張らない性格ですが…)。本当に毎日お風呂に入っているのかは、正直不明です。

■アーミッシュのお風呂は手間がかかる

毎回薪を燃やして、湯船を用意するのは時間がかかります。

(アーミッシュ女性は家事・育児で忙しいので、毎日お風呂の時間なんて確保できないのでは…?)

■アーミッシュは、体臭がキツイらしい。

アーミッシュの男性と1日だけ一緒に建設現場で働いたことのある友人が、「彼はめちゃくちゃ臭かった」と言っていました。

建設現場のアメリカ人でさえ「臭い」と思うレベルは、かなり強烈です。

アーミッシュ男性はほとんどお風呂に入らないと思います。多分、週1回とか…?(エコ生活の集団なので)

しかも、毎日1日中働いているので、お風呂に入っている余裕なんてなさそう。お風呂も娯楽に入るのかな…?

✓アーミッシュのお風呂は、日本とは違うイメージ?

また「お風呂に入る」と言っても、日本のお風呂を想像してはいけません。

海外では、シャワーでは体を洗いますが、湯船につかるときは体を洗いません。そんな感じ。

(日本のようなお風呂場ではないから)体をゴシゴシ洗わなくても、湯船につかって、濡れた体を拭けば、きれいさっぱり!という考え方ですね。

アメリカでは、シャワーと湯船は別物です。

■アーミッシュは女性、ムダ毛処理禁止

アーミッシュの女性は、ムダ毛の処理をしてはいけません。

腕も脚も脇毛も、処理は禁止です。

眉毛も整えてはいけません。

✓アーミッシュの石けん

アーミッシュが作っているハンドメイドのソープもあります。

アメリカのアマゾンで探したら売っていました(ちょっとびっくり)。日本への送料も含めて、3,000円ほどで買えます。

アメリカのアマゾンを使って購入する方法は、【超簡単】アメリカ版のAmazonアカウントの作り方・手順。英語が苦手でも大丈夫!で解説しています。よかったらご覧ください。

6.アーミッシュの生活:洗濯事情

↑上の写真は、アーミッシュ(またはメノナイト)の家の、洗濯の様子です。

■アーミッシュは、洗濯物を外に干す

外に洗濯物がたくさん干してあって、家に電気を引いていない(電線がない)のがアーミッシュの家です。

アメリカでは、洗濯物は自宅にある乾燥機で乾かすので、外に干す習慣がありません。

そのため、アーミッシュの家は見れば簡単にわかります。

■アーミッシュの生活は、洗濯が辛いよ

厳しいアーミッシュのコミュニティでは、未だに洗濯板で、一枚一枚の服を手で洗っています。

洗濯は女性の仕事です。大家族なら、洗うものも大量。

春夏秋はまだいいですが、ペンシルベニア州、オハイオ州、ウィスコンシン州など、五大湖の周辺地域の州はカナダにも近く、冬は雪も降ります。

毎日マイナス20℃になる冬の洗濯は、想像するだけでも寒そう。家の地下で暖炉があれば、寒い日の洗濯も大丈夫なのかな…?

お金があるコミュニティでは、昔の型の洗濯機があります。(60年前の日本で使っていたようなもの)

アーミッシュの生活は、洗濯が辛いよ

↑実際のアーミッシュの家の中(地下)にある洗濯機の写真を見つけました。

バケツに入っている水を利用しているのもわかります。

7.アーミッシュの生活:トイレ事情

7.アーミッシュの生活:トイレ事情

画像引用元:Inside an Amish…Outhouse

↑アーミッシュの学校の裏にあるトイレの写真を発見しました。

■アーミッシュ生活、トイレはボットン

アーミッシュのトイレは、地面に穴を掘っただけの「ぼっとんトイレ」です。

配管工事をしていないため、水洗トイレではありません。

■アーミッシュ生活…ボットントイレってどういうこと?

英語でボットントイレのことを「Outhouse(アウトハウス)」と言います。

ボットントイレは、文字通りのトイレです。地面に深~い穴を掘って、トイレを作ります。

トイレの穴が排泄物でいっぱいになったら、LIME(ライム)と言われる、炭酸カルシウムを入れて、牛などフンと混ぜて、畑の肥料として再利用します。

※アメリカなので和式トイレは存在しません。ボットントイレとはいえど、すべて洋式です。

■アーミッシュも、トイレットペーパーは生活必需品

アーミッシュもトイレットペーパーは使います。

アーミッシュは、コストコで買い物することが多いです。

✓アーミッシュは生理ナプキンを使うのか?

生理のときは、おそらく布を使います(コミュニティによるはず)。

アーミッシュなので、タンポンもナプキンも使わないと思われます。

でも、トイレットペーパーはお店で購入して使うから、ナプキンも買って使っているのかな…?

生理に関しては、英語でネット検索しまくって調べましたが、確実な情報が得られませんでした。

■アーミッシュ生活では、歯磨きしない?

アーミッシュは、毎日歯を磨かないようです。フロスもしません。

理由はわかりません。(歯科助手の私からしたら考えられません…。)

8.アーミッシュの生活に必須な馬車は、危険も伴う。

アーミッシュと言えば、馬車に乗っているイメージですね。

キャリッジは、アーミッシュの象徴物の1アーミッシュを象徴するものといえば、女性のワンピース、馬、キャリッジ、ランタンです。

アーミッシュを象徴するものといえば、女性のワンピース、馬、キャリッジ、ランタンです。

■アーミッシュの生活に欠かせない馬車

この馬車は「Carriage:キャリッジ」や「Buggy:バギー」と呼ばれます。

もちろん、キャリッジはアーミッシュの男性による手作りです。

車で使うラバータイヤは、アーミッシュは使用禁止なので、木の車輪に鉄製の輪をあてがって作られています。

乗り心地がめちゃくちゃ悪そうです。

■アーミッシュの生活に欠かせない馬車

キャリッジで公道を走るので、非常に事故が多いです。キャリッジの後ろが、車で渋滞することも多いです。

ウィスコンシン州の田舎町では、のんびり公道を走るキャリッジを見かけます。

キャリッジで農道を走っていた2人の女性アーミッシュが、こちらに手を振ってくれたのを覚えています。

■アーミッシュが馬車を使う理由

アーミッシュが車を使わないのは、神への忠誠心やテクノロジーを使わない、という理由だけではありません。

車によって行動範囲が拡大し、家にいる時間が減り、家族と過ごす時間が少なくなって、家族の絆が弱まるのを防ぐためでもあります。

■アーミッシュが使う馬車移動は、とにかく時間がかかる

アメリカは広大です。アメリカの「車で10分」とは、高速道路を利用していることが前提です。

車で10分の場所は、キャリッジで1時間かかります。

車で20分の場所なら、キャリッジで2時間かかります。

キャリッジはとても遅いです。まぁ、木製のタイヤだから当然か。

■アーミッシュは、成人になると屋根付き馬車に乗れる

また、成人(18歳以上)の大人だけが屋根付きのキャリッジに乗れます。

子どもや青年は屋根がないものを使わなくてはなりません。

■実は、アーミッシュも車に乗ります

アーミッシュが車を持っていないだけであって、車への乗車までもを拒むわけではありません。

あくまで車の所有・運転がダメなだけです。

必要なときには、誰かの車に乗せてもらうことや、ウーバー(タクシー)を利用することもあります。

お金を払ってレンタカーを借りて、誰か(イングリッシュの人)に運転してもらうのはOKです。

アーミッシュにとって車が必要なときとは、キャリッジでは運べないものがあるときや、キャリッジで何時間もかかってしまう場所に行くとき、高齢アーミッシュや病院へ行く必要があるときなどです。

9.アーミッシュの生活では、ほしいものは手に入らない

アーミッシュのコミュニティでの暮らしは、とにかくシンプルで、みんなで互いに協力し合い、支えあっていくものです。

■アーミッシュの「コミュニティ」に対する考え方

アーミッシュにとって、「コミュニティのメンバー=家族」というとらえ方です。

アーミッシュのコミュニティはアメリカ国内に無数に存在します。

アーミッシュのコミュニティ同士が結合して、大きなコミュニティを作ろうとすれば簡単にできるはずです。

でも、アーミッシュの各コミュニティは、小規模で暮らしたいのです。「コミュニティを拡大したくない」という考え方がとても強いです。

■アーミッシュでは、必要なものだけ手に入る

生活に必要なもの(トイレットペーパーなど)は、コミュニティにリクエストして買ってもらえます。

が、贅沢(ぜいたく)はできませんし、自分の欲だけでほしいものが手に入ることはありません。

アーミッシュにとって重要なのは、「自分たちのアイデンティティを失わないかどうか」です。

■アーミッシュはコミュニティ中心

家も食事もすべて、コミュニティが面倒をみてくれるアーミッシュ社会。

アーミッシュは、みんな同じ格好をし、同じ暮らし方・習慣で、共通の目的・信仰を持つことがよしとされています。

その代わり、みんなで農作物を育てて、「労働」という形で奉仕し、家具・農作物販売などで稼いだお金は、まとめてコミュニティで管理されます。

基本的に給自足の生活なので、個々に報酬(お給料)がもらえるわけではなく、自分のお金・自由に使えるお金はほぼ存在しません。

■アーミッシュのビジネス

アーミッシュは、独自のビジネスを行っています。

男性が行う「仕事」とは、基本的にはコミュニティ内での農業、酪農、家や家具作りですが、イングリッシュ(外の世界の人)に向けて家具や農産物を販売しています。

ウィスコンシンで車を走らせれば、アーミッシュの家具屋さんを見かけますよ。

コミュニティによっては、イングリッシュの人々向けに観光ビジネスを行っている場所もあります。

イングリッシュを馬車に乗せたり、ギフトショップやオーガニック野菜のレストランを経営して現金収入を得ています。

■アーミッシュコミュニティからの外出は、許可が必要

自分の住むアーミッシュのコミュニティ(アーミッシュの村)の外へ外出したい場合は、そのコミュニティのリーダー(牧師)にお願いを立てて、許可をもらわなくてはなりません。

これは所属するコミュニティの牧師に大きく左右されます。めちゃくちゃ厳しい牧師もいれば、案外自由な牧師もいます。

例えば、外出許可が必要なコミュニティでは、仕事や病院などの用事での外出は許可が出ますが、遊び目的の外出には許可が下りません。

アーミッシュの人をテクノロジーから遠ざけたい、テクノロジーがはびこる社会を知ってほしくない、というものから来ています。

そもそも、娯楽、快楽も禁止されているので、カフェに行ってまたりコーヒーを飲むこともダメですし、映画館なんて絶対に行けません。

■アーミッシュと病気、病院

大病のときは、アーミッシュも病院へかかります。

そのときの費用もコミュニティのお金で工面します。

しかし、アーミッシュは保険に加入してはいけません。

理由は聖書の「仮定説」に反するからです。

アメリカで保険なしで病院にかかるのは、医療破産を招きます。

参考までに、私が保険なしでアメリカで親知らずを抜歯したときの費用に関する記事、【元歯科助手】アメリカ・保険なしで親知らず抜歯【費用:$669】も読んでみてください。

アメリカで、保険なしで手術したら5,000万円、1億円かかるようなこともザラです。

■アーミッシュ女性の仕事は?

アーミッシュの女性は料理、洗濯、掃除、裁縫、子育てはもちろん、時間があれば畑や酪農など、外仕事も手伝わなくてはなりません。

一方で、アーミッシュの男性は料理、洗濯など女性の仕事は「やってはいけない」決まりがあります。

すべての家事と子育ては女性の仕事です。

女性は母であり、アーミッシュの学校の教師も女性なので、尊敬はされています。でも、男性に反論したり、意見を持ったりしてはいけません。

✓アーミッシュ女性は裁縫しまくり

下着を含めて、すべての衣類を女性が縫わなくてはなりません。(電気を必要としないミシンも利用します。)

女性たちは、着古した服の端切れや余りの端切れを使ってキルトを作っています。

アーミッシュの手作りキルトはとても有名です。

↑アマゾンで購入できます。

■アーミッシュは選挙の投票はしない

「神が正しい人物を大統領に選ぶ」という信条から、投票はしません。(神が選んだのがトランプなのか?ありえない。)

アーミッシュは、外の世界との接触を避けるので、政治にも参加しません。

✓アーミッシュに関する本

↑アーミッシュに関して書かれている本『アーミッシュ―もう一つのアメリカ』もあります。興味がある人はぜひ。

以上、参考になればうれしいです。

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