• 投稿の最終変更日:9月 30, 2023
ネイティブ・アメリカンとは?歴史と迫害、服装など丸ごと解説!

ネイティブ・アメリカンとは?歴史と迫害、服装など丸ごと解説!

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アメリカに興味がある人「ネイティブ・アメリカンってなんですか?」

こういった疑問に答えます。

✓もくじ

1.ネイティブ・アメリカンとは?

2.ネイティブ・アメリカンの歴史とは…まさに残酷である

3.ネイティブ・アメリカンの人口は?(迫害前と現在)

4.ネイティブ・アメリカン、昔と現在の居留地は?

5.ネイティブ・アメリカンの服装は?昔と現在は違うのか

この記事を書いている私は、この記事を書いている私は、アメリカ在住歴3年半。現在は、ミネソタ州ツインシティに住んでいます。

2022年、2023年の夏は、ミネソタ州にあるネイティブ・アメリカンの居留地のカジノRVパークで、キャンパー暮らしをしていました。

友人にネイティブ・アメリカンの男性がいます。

ネイティブ・アメリカンに関して、ネイティブ・アメリカンの友人からの話・実体験・英語の文献調査に基づいて解説します。

1.ネイティブ・アメリカンとは?

1.ネイティブ・アメリカンとは?

ネイティブ・アメリカンとは、アメリカの先住民族のことを言います。

ヨーロッパから白人が入ってくる1492年よりも前から、アメリカの現地に住んでいた民族の総称です。

今回の記事では、私が住んでいるアメリカ・ミネソタ州周辺の、ネイティブ・アメリカンに関して解説しています。

↑ネイティブ・アメリカンに関する知識がなくても読める本です。

■ネイティブ・アメリカン?ネイティブ・インディアン?名前の違いとは?

現在は「ネイティブ・アメリカン」と呼ばれることが一般的ですが、「ネイティブ・インディアン」という呼び方もあります。

✓ネイティブ・インディアンと呼ばれた理由と歴史

1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見しました。

当時、発見したアメリカ大陸を「インド」だと思っていたため、先住民族を「インディアン」と呼んでいた、という歴史があります。

・ネイティブ・アメリカンとインド人を区別する、差別的な言い方もある

アメリカのインディアンと、インドのインディアン(インド人)を区別するための、差別的な言い方があります。

・アメリカン・インディアン=フェザー・インディアン(ワシの羽をつけているから)

・インド人=ドット・インディアン(額に赤い点をつけているから)

↑これらは差別的な言い方なので、言ってはいけません!

・ネイティブ・アメリカンの名前は、1960年代から始まった

ネイティブ・インディアンという呼び方に代わり、「ネイティブ・アメリカン」という言葉が、1960年代に使われ始めました。

現在は、ネイティブ・アメリカンという言い方が、一般的です。

当の本人たちは、どちらで呼ばれても気にしていないみたい。

■ネイティブ・アメリカンの先住民の生活とは?

ネイティブ・アメリカンは、放牧や狩猟で生活を営んでいました。

ネイティブ・アメリカンの主食は、トウモロコシです。

湖や川の近くに住む部族は、魚をたくさん食べていました。

✓ネイティブ・アメリカンの食文化

ネイティブ・アメリカンの食文化の中に、揚げパン(Frybread/フライブレッド)があります。

私も、2022年の夏のネイティブ・アメリカンのお祭りで食べました。

めーちゃくちゃおいしかったです(上の写真。黒いのはブラックオリーブ、白いのはサワークリーム、赤いのはサルサ)。

✓ネイティブ・アメリカンは、バッファローを狩って生活していた

✓ネイティブ・アメリカンは、バッファローを狩って生活していた

一部の部族(ダコダやシャイアンなど)にとって、バッファローは食料、衣服、アクセサリーなど…ネイティブ・アメリカンにとっての「すべて」でした。

※ネイティブ・アメリカンの言語(ラコタ語)で、バッファローのことを「タタンカ(tatanka)」と言います。

バッファローの群れを追って、部族自体も遊牧生活を送っていました。

だから、teepee(ティピー)という移動式テントで生活していたんですね。

白人による迫害によって、多くのバッファローが殺され、ネイティブ・アメリカンの食料や生活のすべてを奪っていきました。(食料を奪ってしまえば、インディアンが生きていけないから)

・ネイティブ・アメリカンの居留地には、バッファローがいる

私が住むミネソタのカジノ(Treasure Island Casino)のエリアには、バッファローの農場があります。

50頭ほどのバッファローが、よく放牧されています。

■ネイティブ・アメリカンとスピリチュアル文化は、切っても切れない

ネイティブ・アメリカンといえば、スピリチュアルな神聖儀式ですね。

ネイティブ・アメリカンの儀式と言えば、タバコ、ペヨーテスウェット・ロッジ(sweat lodge)などが連想されます。

✓ネイティブ・アメリカンとタバコ

ネイティブ・アメリカンにとって、タバコも神聖なものの1つです。

かつてはネイティブ・アメリカンにとって、タバコは「薬」でした。

頭が痛かったらタバコ、腕を切ったらタバコの葉を当てるなど…。

もう、「すべてタバコで解決!」って感じだったようです。(日本で言う薬草、まじないみたいな感覚)

・ネイティブ・アメリカンは、タバコを神聖なものとして扱う

神への贈り物や、誰かに何か大事なことをお願いするときのお礼品としても、タバコが用いられていました。

日本でいうところの、寺社仏閣への神聖なお供え物的な存在ですかね。

ピースパイプ(peace pipe)」と呼ばれるパイプで、タバコの飲み回しをした場合、そのときに結ばれた約束事や契約は絶対に破ってはいけません。

セージのお香も、ネイティブ・アメリカンのスピリチュアルなものです(セージはネイティブ・アメリカンにとって、非常に大切で神聖なものです)。

燃やしたときに出る煙が、悪いスピリットを空へ持って行ってくれ、いいスピリットを呼び込んでくれるとされています。

ネイティブ・アメリカンの友人がプレゼントとしてくれたので、私たちも持っています。

✓ネイティブ・アメリカンとドラッグ「ペヨーテ」

砂漠地帯に暮らすネイティブ・アメリカンにとって、ペヨーテ(peyote)というサボテンも重要です。

ペヨーテはとても特別なもので、ネイティブ・アメリカンがご先祖様とつながるとき(儀式)に、ペヨーテを用います。

・ネイティブ・アメリカンが使うペヨーテは、めちゃくちゃ強い

ペヨーテは、め~ちゃくちゃ強いドラッグです。

ペヨーテはアメリカの法律によって、違法です。

一部の地域では法律によって、ネイティブ・アメリカンだけは合法で使えるとされています。

ペヨーテでは、幽体離脱ができるそう…。だから、ご先祖様とつながれるんですね。

・ネイティブ・アメリカンのペヨーテが乱獲されている

現在も、アメリカの砂漠地帯(テキサス州やメキシコ)に行けば、ペヨーテ(サボテン)は自生しています。

ですが、多くの大学生や若者が、勝手に砂漠地帯に入ってペヨーテを盗んでいってしまいます。

そのため、ネイティブ・アメリカンにとって、非常に重要でスピリチュアルな存在のペヨーテが、乱獲されてなくなってしまうのは、大きな問題となっています。

■現在のネイティブ・アメリカンと、アルコール依存症

メキシコとの国境付近に住む、一部の部族を除いたネイティブ・アメリカンには、「酒造」の文化がありません。

そのため、「お酒を飲むペース」という感覚がなく、お酒があればあるだけ飲み干し、泥酔してしまうそう。

「完全禁酒(Alcohol Free)」を掲げている部族自治区もあります。

✓映画「親父たちの星条旗」でも、ネイティブ・アメリカンが泥酔している

画像出展:IMDb

映画「Flags Of Our Fathers(親父たちの星条旗)」の中でも、ネイティブ・アメリカンの兵士がいつも泥酔している姿が描かれています。

アルコール依存症のネイティブ・アメリカンも、とても多いんです。

・「チーフ」は、ネイティブ・アメリカンに対する差別的な呼び方

映画の中で、ネイティブ・アメリカンの兵士は「チーフ(Chief)」と(ニックネームで)呼ばれています。が、これも、実は差別的な呼び方です。

なぜなら、「チーフ(Chief)=酋長(しゅうちょう)」の意味で用いられるからです。

酋長(しゅうちょう)とは、主に文明的な農耕型社会から見て「未開」とされる部族の長をいう。

そもそも「未開」という認識そのものが差別的行為であり、侮蔑的な語であるとして、現在では使用が忌まれる傾向にある。

引用元:Wikipedia(酋長)

■ネイティブ・アメリカンの言語とは

コロンブスがアメリカ大陸を発見し、ヨーロッパから白人が入植してくる前は、南北アメリカ大陸に、約7500万人ものネイティブ・アメリカンが暮らしていたとされています。

何百もの部族や文化、約2,000種類もの異なる言語が存在していました。

✓第二次世界大戦では、ネイティブ・アメリカンの言語がコードとして使われた

第二次世界大戦では、ネイティブ・アメリカン(ナバホ族)の言語が暗号コードとして使われていました。

実在する言語なので、「暗号解読」「コードを読み解く」などといった技は、通用しません(だって暗号やコードじゃなくて、本物の言語だから日本人には絶対に解読しようがない)。

しかも、「話す」言語のみで「書く言語」は存在しないため、絶対に分からない言語だったのです。

アメリカ、めちゃくちゃ賢い作戦ですよね。

・映画「ウィンドドーカーズ」でネイティブ・アメリカン言語が聞ける

画像出展:IMDb

2002年の映画「Windtalkers(ウィンドトーカーズ)」でこの話が見れます。Huluで視聴できます。

Huluなら2週間の無料トライアルがあるので、実質無料で見れます。

アメリカのAmazonの利用方法は、【超簡単】アメリカ版のAmazonアカウントの作り方・手順。英語が苦手でも大丈夫!で解説しています。よかったらご覧ください。
VPNをアメリカに接続して見れます。

✓ネイティブ・アメリカンの友人は、言語を少し話せる。

私の友人は、ネイティブ・アメリカンです(ミネソタ州)。

彼はネイティブ・アメリカンのクオーターで、彼の部族の言葉をたまに話していました。

都市部に住んでいると言葉を使わないので、かなり忘れちゃった、と言っていました。

■ネイティブ・アメリカンの名言とは

ネイティブ・アメリカンの名言を、3つご紹介します。

✓ネイティブ・アメリカンの名言①

Before eating, always take time to thank the food.

訳:食べる前は、いつも食べ物に感謝する時間を設けよ。

日本の「いただきます」の文化と似ていますね。

✓ネイティブ・アメリカンの名言②

It does not take many words to tell the truth.-by Chief Joseph

訳:真実を伝えるのに、多くの言葉はいらない。

✓ネイティブ・アメリカンの名言③

Listen, or your tongue will make you deaf.

訳:耳を傾けなさい。さもなければ己の舌で(大切なことが)聞こえなくなる。

■ネイティブ・アメリカンの有名人とは?

Geronimo(ジェロニモ)-部族:Chiricahua

2.ネイティブ・アメリカンの歴史とは…まさに残酷である

2.ネイティブ・アメリカンの歴史とは…まさに残酷である

ネイティブ・アメリカンの歴史は、読んでいて辛いものが多いです。

ヨーロッパからの白人が来るまでは、自分たちの文化継承しつつ、ほかの部族とも平和を保ったりして独自に暮らしていたのに…。

白人によって、すべてを奪われてしまったのです。

■ネイティブ・アメリカンの迫害の歴史

1492年にヨーロッパからの白人によって、アメリカ大陸の入植がはじまりました。

ヨーロッパからの白人は、入植当時は新しい環境(開拓されていない大自然)で、どうやって暮らせばいいか分からず、死にかけていました。

そんな白人を助けたのが、ネイティブ・アメリカンです。だから今でも「サンクスギビング」があるんですね。

✓初めのヨーロッパからの白人は、宗教者だった

ヨーロッパからアメリカ大陸に来た、最初の人たちはヨーロッパの宗教信者でした。

彼らは、その信仰を理由にヨーロッパで迫害され、「自由」を求めてアメリカにやってきました。

なので、最初は別にネイティブ・アメリカンにとって、特別に大きな被害はなかったんですね。

・アメリカの資源や土地が豊富すぎた

ですが、時が経ち、もっと多くの人がヨーロッパからやってくるようになりました。

「アメリカという土地には資源やゴールド、土地がある」とわかると、どんどん貪欲な人が流れ込み、ネイティブ・アメリカンを追いやっていくことになります。

特に、白人は「オイル(石油や天然ガス)」得るために、ネイティブ・アメリカンを排除し、土地を奪っていきました。

✓ネイティブ・アメリカンの迫害について(サンドクリークの虐殺)

1864年11月に、コロラド地方で起きた「サンドクリークの虐殺(Sand Creek massacre)」は有名です。

無抵抗のネイティブ・アメリカンの部族に対して、アメリカ政府軍が虐殺行為をしました。

約500人の女性・子ども、約100人の男性と老人男性が、半日かけて皆殺しにされました。

というのも、たまたま、ほとんどの男性がバッファロー狩りに出かけていたのです。

無抵抗だったインディアンを皆殺しです。子どもも女性も老人も。

殺された約600人の遺体は、みんな頭皮と耳を剥ぎ取られ、バラバラずたずたにされたのです。

(インディアンの頭皮と耳には、懸賞がかけられていました。)

ネイティブ・アメリカンに関する映画は、ネイティブ・アメリカン(インディアン)を描いた、おすすめ映画で解説しています。よかったらご覧ください。

■ネイティブ・アメリカンの疫病・伝染病の歴史とは

ヨーロッパから白人が来たことによって、風邪やウイルスなどがアメリカ大陸に持ち込まれました。

今までアメリカ大陸に存在しなかった風邪やウイルス(別に特別なものではない)なので、白人が入植した時点で、多くのネイティブ・アメリカンが亡くなりました。

✓1492年から持ち込まれた風邪で、ネイティブ・アメリカンが多く亡くなった

というのも、ヨーロッパから持ち込まれた風邪やバイ菌に対して、免疫力が全くなかったからです。

今で言う「軽い風邪」でも、当時は死に至るレベルだったんですね。

当時は、新しい風邪やウイルスに対して免疫力もないし、薬もないし、知識もないし…

もう、本当にヨーロッパからの白人の入植が、ネイティブ・アメリカンのすべてを壊していったんですね。

3.ネイティブ・アメリカンの人口は?(迫害前と現在)

ネイティブ・アメリカンの人口について解説します。

上記でも述べましたが、ヨーロッパからの入植により、ただ白人がアメリカ大陸に入ってきただけで、本当に多くのネイティブ・アメリカンが命を落としました(風邪などが原因)。

■ネイティブ・アメリカンと強制移動の歴史

1492年にヨーロッパから白人がアメリカに入植し、ネイティブ・アメリカンの居住地を西へ、西へと追いやっていきました。

白人や政府は「今から、ここの地域に住んでいい」…「やっぱり、これからは向こうの地域に住んで」と言った感じで、とにかく強制移動や居住地の縮小を余儀なくされました。

ネイティブ・アメリカンの保留地(居留地): reservation(発音:リザーベーション)といいます。

✓ネイティブ・アメリカンの迫害は、多くの命が失われた

歩いて2か月もかかる場所に強制移動させられ、水も食料もないまま、部族の半数が命を落とすなど…迫害はとにかく過酷でひどいものでした。

画像出展:IMDb

↑2006年の実話映画「Trail of Tears」で描かれています。

アメリカのAmazonでしか見れません。日本語はありません。

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■ネイティブ・アメリカンの部族とは

ネイティブ・アメリカンには、たくさんの種類の部族があります。

有名なものでいうと、

・ナバホ(Navajo)

・チェロキー(Cherokee)

・スー(Sioux)

・チョクト-(Choctaw)

・チペワ(Chippewa)

・アパッチ(Apache)

・ブラックフット(Blackfoot)

・ダコダ(Dakota)

などがあります。

チペワとダコダは、ミッドウェスト(ミネソタ州やウィスコンシン州あたり)やカナダ地域のネイティブ・アメリカンです。

※部族=英語で「tribe」といいます。発音は「チョライブ」ですかね。

✓ネイティブ・アメリカンのアメリカの居住地

アメリカに住むネイティブ・アメリカンの人口の3分の1が、3つの州(カリフォルニア、アリゾナ、オクラホマ)に集中しています。

■ネイティブ・インディアンの名前は、現在の土地の名前となっている

街の名前、ストリートの名前、湖や川の名前など、いろいろな名前がネイティブ・アメリカンの言葉からきています。

・Milwaukee/ミルウォーキー(インディアンの発音では、ミルワケと言う)

・Mississippi/ミシシッピ

など、日本人でも知っている名前も、実はネイティブ・アメリカンの言葉からきているんです。

■ネイティブ・アメリカンは、みんな黒くて長い髪の毛を持っている

ネイティブ・アメリカンは、髪の毛を霊力の源と考えており、神聖なものとして、とても大事にする文化があります。

そのため昔も今も、ネイティブ・アメリカンは、女性も男性も黒くて長い髪の毛をもっています。

長髪・黒髪は、ネイティブ・アメリカンのアイデンティティとも言えます。

✓ネイティブ・アメリカンは、長い黒髪なのですぐにわかる

私は、ネイティブ・アメリカンの居留地(RVパーク)に7か月間住んでいたので、たくさんのネイティブ・アメリカンを見かけました。

黒くて長い髪、三つ編みの男性を見ると、「この人もネイティブ・アメリカンなんだなー」って見た目ですぐにわかります。

■映画でもよく見る、ネイティブ・アメリカンの文化「頭皮剥ぎ」

ネイティブ・アメリカンが出てくる映画を見ていると、ネイティブ・アメリカンが敵(多くの場合は白人)を殺して頭皮をはぎ取るシーンが出てきます。

これは、頭皮を剥ぐことで、戦果と栄誉(えいよ)を示していたからです。

(日本でも、侍が頭を持ち帰ったり、耳や鼻をそぎ落として持ち帰ったりしていたのと同じことですね。)

頭皮剥ぎは、ネイティブ・アメリカンが始めたものではなく、古代ヨーロッパにも存在していました。

4.ネイティブ・アメリカン、昔と現在の居留地は?

ネイティブ・アメリカンは、2013年の時点で部族集団は、566の集団が存在するとされています(連邦政府)。

■ネイティブ・アメリカンの現在…アメリカのカジノは、先住民であるインディアンが経営

現在、アメリカにはたくさんのカジノがあります。

日本人にはほとんど知られていませんが、カジノの経営者はネイティブ・アメリカンと法律で決められています(インディアン・カジノ)。

カジノ事業は、現代のネイティブ・アメリカンにとって、主要な収入源です。

(※ラスベガスとアトランティックシティなど、大きな場所はカジノの街なので例外。)

✓ネイティブ・アメリカンの迫害の代償として…

ネイティブ・アメリカンを迫害し、土地や権利などすべてを奪い取った償(つぐな)いとして、カジノの運営権はネイティブ・アメリカンのものと、アメリカの法律で決めています。

✓ネイティブ・アメリカンが運営するカジノ

ネイティブ・アメリカンが運営する「インディアン・カジノ」の収入の多くは、

「白人や政府によって没収された土地の買戻し」

「部族の医療費や教育費、住居」のための資金

「道路の舗装・整備」など

ネイティブ・アメリカンの福利厚生を目的として利用されています。

✓ネイティブ・アメリカンのカジノは、貧乏なカジノもある

「カジノ」と言えば、ギャンブルなのでお金がザクザク儲かる…なんてイメージもあるかもしれません。

が、ネイティブ・アメリカンのカジノは、場所によっては貧乏なカジノもあります。

私が働いていたカジノはかなり儲かっているカジノですが、1時間離れた場所にある別のカジノは、全然儲かっていないカジノです。

✓体験談:ミネソタ州のカジノで働いたけど、オーナーはやっぱりネイティブ・アメリカンだった。

私は2022年の夏に、ミネソタ州のカジノで働いていました。

従業員の出入り口には、Tribal Council(ネイティブで構成される評議会)に属する、5人のネイティブ・アメリカンが写った、大きな写真が飾ってあります。

写真では、ネイティブ・アメリカンの伝統的な衣装を着て写っていました。

オーナーはとてもいい人で、気さくに話しかけてくれる人、毎週水曜日にカジノに顔を出してくれる、と聞いています。

(ホテルの部屋清掃という仕事上、実際にオーナーに会う機会はありませんでしたが。)

・ネイティブ・アメリカンの評議会の下で働く、最高位GMとは

あと、勤務していたカジノのボス(GM-ジェネラル・マネージャー)にも会ったことがあります。

GMとは、ネイティブ・アメリカン以外の人が就ける、カジノでの最高位です。GMの上にいるのが、Tribal Council(ネイティブで構成される評議会)です。

年収で言ったら、5千万円~1億円近くなんじゃないかな?

GMはイメージとは違い、すごく物腰柔らかな優しそうな男性アメリカ人でした。

・ネイティブ・アメリカンの居留地は、ネイティブ・アメリカンだけが住める

ちなみに、カジノがある場所はネイティブ・アメリカンの居留地です。

ネイティブ・アメリカンしか、その土地に住むことはできません。しかも、収入がものすごく低く、政府の補助で生活している人たちのみです。

■ネイティブ・アメリカンが経営する、カジノで働いて知ったこと

カジノで働いてみて、ネイティブ・アメリカンとカジノ(ビジネス)との亀裂(問題点)を知りました。

私が働いたカジノのスタッフ(←ネイティブ・アメリカンではない)から聞いた話や、実際に見て体験したことを以下に備忘録として書き残しておきます。

・ネイティブ・アメリカンは、働いていない人も多い。

実際に、居留地に住むネイティブ・アメリカンは無職なので、大人も子どもも、みーんな毎日、1日中釣りをしています(冬場以外)。

カジノの横を流れるミシシッピ川で魚を釣っています。

釣った魚は食べているようですが、鯉(コイ)まで食べているというのだから驚きです。

・無職で暮らすネイティブ・アメリカンは、まじで、究極に怠け者。

アメリカ人が持つ、ネイティブ・アメリカンに対するイメージは、「怠け者」というネガティブなものもあるそうです。

実際に、パウワウでアメリカ中からネイティブ・アメリカンがカジノに集まる日は、RVパーク(キャンプ場)のトイレ・シャワーがものすごいことになります。

スタッフから聞いた話だと、シャワーの個室でう〇こをする人がいたとか…。ナマケモノを通り過ぎて、理解不能です。

特に女性トイレは、床が長い髪の毛だらけになります。排水溝も詰まります。

・ゴミは地面にポイ。

パウワウの会場は、芝生の広場です。パウワウが終わった翌日には、芝生がゴミで埋め尽くされている光景を目にして驚きました。

生まれてから1度も働いたことがない、死ぬまで働かなくていい…そうなると、とにかく何もかもが面倒くさいんですかね?

とにかく、「ゴミをゴミ箱に捨てる」という習慣が身についている人が少ないように感じました。

・パウワウの賞金が、ネイティブ・アメリカンに盗まれた事件。

スタッフから聞いた10年以上前の話ですが、過去にはパウワウの賞金が、ネイティブ・アメリカンによって盗まれる事件もあったそうです。

しかも、現金で$600,000(日本円で8千万円くらい)です。用意された賞金額にも驚きです。さすがカジノ。

パウワウでは、ダンスや衣装でいろいろな部門があり、個人で優勝すれば、賞金をもらえます。

・RVパークの薪3年分が、一晩で盗まれた。

RVパークで管理しているキャンプファイヤー(焚火)用の木、3年分が、一晩にして地元のネイティブ・アメリカンに盗まれた事件が、3年ほど前に起こりました。

盗まれた木は、大きな丸太の状態で、薪にするために長い間乾燥させていたものでした。

ネイティブ・アメリカンの考え方は、「ここは俺たちの土地(居留地)だから、なにをしてもいい」というもの。この考えによって、カジノとのトラブルが絶えません。

確かに居留地だからネイティブ・アメリカンの土地なのだけど、カジノは立派なビジネス…。そして、そのカジノのおかげでいろいろな恩恵を受けているのも事実。カジノに勤務する非ネイティブ・アメリカンにとっては、迷惑なのです。

・特定のネイティブ・アメリカンは、まじで金持ち。

多くのネイティブ・アメリカンは無職で貧乏ですが、カジノで上位に立つネイティブ・アメリカンは、信じられないほどお金持ちです。

いい車に乗り、高いバイクを持ち、高いトラックも持ち、新しいキャンパーも所有。とにかくお金を持っているのが、明らかにうかがえるレベルです。

・ネイティブ・アメリカンの儀式が衝撃的。

スタッフから聞いた話です。私が勤務するカジノの地域の、ネイティブ・アメリカンの儀式について。

男の子が成人するときに行われる儀式は、両肩の皮ふの薄皮に、大きな釣り針みたいなフックを食い込ませ、バッファローの頭蓋骨を引きずるというもの。

ネイティブ・アメリカンの「成人年齢」は不明ですが、15~18歳くらいですよね、きっと。

バッファローの頭蓋骨なんて、めちゃくちゃ大きいし、重たいです。

円を描くように歩いて引きずり、本人が失神するまで続けます。「戦士、強い男」を証明するための儀式ですね。現在も行われているはずです。

・ネイティブ・アメリカンの男の子が成人するときは、カミツキガメを捕る。

私が勤務するカジノの地域のネイティブ・アメリカンは、男の子が成人するときにミシシッピ川周辺に生息する「カミツキガメ」を1人で捕獲して、家に持ち帰ってスープにし、家族にふるまう風習があるそうです。

この話は、実際にネイティブ・アメリカンから聞きました。

捕獲するカミツキガメは、大きいほどいいとされています。

カミツキガメは、非常に狂暴で危険です。噛みつかれたら、人間の足や腕なんて簡単に切断されてしまいます。

以上、このような感じなので、実際のアメリカでは、ネイティブ・アメリカンは白人を嫌っているし、非ネイティブのアメリカ人は、ネイティブ・アメリカンに対していいイメージを持っていません。

※あくまで、私が見たり聞いたりした内容です。ネイティブ・アメリカンは地域によって全然違いますし、しっかり働いて自立しているネイティブ・アメリカンもたくさんいます。いい人もたくさんいます。

5.ネイティブ・アメリカンの服装は?昔と現在は違うのか

5.ネイティブ・アメリカンの服装は?昔と現在は違うのか

ネイティブ・アメリカンと言えば、カラフルな衣装で目を奪われますよね。

普段の生活では派手な衣装は着ていませんが、お祭りとなるとド派手でカラフルです。

■ネイティブ・アメリカンの現在も受け継がれる衣装と祭り

ネイティブ・アメリカンの踊りの集会・お祭りがパウワウ(Pow-Wow)です。

Pow-Wowは日本語ではパウワウですが、英語での発音は「パォワォ」です。

ネイティブ・アメリカン以外の人でも参加・見学ができます。

✓ネイティブ・アメリカンの踊りの祭り

4日4晩続く大きなお祭りもあります。

まさに、私が働いていたカジノに併設されているパウワウ会場で、毎年行われます。

本当に、4日4晩で、朝から深夜過ぎまで、4日間ぶっ通しで行われます。

ミネソタ州なのに、アリゾナ州のナンバープレートの車がずらっと並び(車で片道20時間ほどかかります)、1,000人近くのネイティブ・アメリカンが集結して踊りまくります。

ネイティブ・アメリカンの踊りの祭り

↑2022年夏、ミネソタ州で行われたPow-Wow

・ネイティブ・アメリカンの踊り

ネイティブ・アメリカンのお祭りと言えば、円になってリズムを取りながら踊るのが印象的です。

いくつかの踊りの型があり、自分が好きなスタイルで踊ります。部族によっても、それぞれの踊るスタイルがあります。

ネイティブ・アメリカンは、太鼓(ドラム)フルートも使用します。

✓ネイティブ・アメリカンの衣装・服装とは

ネイティブ・アメリカンのお祭りのカラフルな衣装は、すべて彼らの手作りです。

ネイティブ・アメリカンの衣装・服装とは

私の友人が教えてくれた、彼が所属する部族の動画があります。

実は、彼のいとこが出演しています。

動画の中で、衣装のことについていろいろ語っています。

■ネイティブ・アメリカンと言えば、白頭鷲

ネイティブ・アメリカンと言えば、白頭鷲

アメリカの象徴ともいえる「白頭鷲(はくとうわし)」は、英語で「bald eagle」と言います。

ボールド・イーグルですが、発音は「ボールド・イーゴー」って感じです。

白頭鷲は、ミネソタ州のミシシッピ川の周辺では、めちゃくちゃたくさん飛んでいるのを見ることができます。

✓白頭鷲はネイティブ・アメリカンの象徴!羽を拾っていいのは、ネイティブ・アメリカンだけ

実は、「白頭鷲の羽を拾ったり、家に持ち帰って保管したりしていのは、ネイティブ・アメリカンだけ」とアメリカの法律で決まっています。

私の友人のネイティブ・アメリカンの彼の家には、白頭鷲の羽が飾ってあります。

イヌワシの羽も同様。

■ネイティブ・アメリカンのかわいいアクセサリー

ネイティブ・アメリカンは、とてもかわいいアクセサリーをつけています。

✓ネイティブ・アメリカンの、アクセサリーの素材とは?

アクセサリーの素材には、「porcupine(ポーキーパイン)」…日本語では「ヤマアラシ」と呼ばれる動物の針がよく使われています。

トルコ石もよく使われます(部族によって異なる)。

鹿の皮を使ったバッグや、カメの甲羅を利用したマラカスもあります。

もちろんワシの羽も、いろいろなものに使われます。

✓ドリームキャッチャーもネイティブ・アメリカンから

ドリームキャッチャーも、ネイティブ・アメリカンの文化です。

(※お土産用になっているものは、ワシの羽ではなく、別の鳥の羽が使われています。)

■ネイティブ・アメリカンは、日本の先住民「アイヌ」と似ている

ネイティブ・アメリカンの文化や衣装、生活様式などは、実は日本の北海道の先住民「アイヌ」に似ています。

アメリカの博物館や資料館に足を運ぶと、ネイティブ・アメリカンの服などの展示物の隣に、「Ainu(アイヌ)」と書かれて展示物が並べられていることが多いんです。

以上、参考になればうれしいです。

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