• 投稿の最終変更日:12月 10, 2022

国際結婚してアメリカの日本食レストランで、サーバーになった話

sushi

2019年9月にアメリカに移住し、早くも4カ月が経とうとしています。

私たちは最初、コロラド州に移住しました。

しかし、水や森林が大好きな私たちにとって、コロラドの乾燥した気候や緑が少なく、黄色や茶色い自然の風景に馴染めず、ジャパダムのふるさと・ウィスコンシン州に引っ越しました。

以前移り住んだ北海道に比べて、雪が少なく、寒いです。

12月現在ウィスコンシンの、日中の最高気温が-13℃とか、明け方の最低気温が-23℃とか…北海道に比べて-10℃くらい寒いです。

2018年の冬は-51℃を観測し、緊急事態宣言みたいなのが発令されていました。

さすがにほとんどの人が自宅にいたようですが、ジャパダムの友人はいつも通り、バスで出勤。普段なら満員のミネアポリスの朝のバス車内も、その日の利用者は友人だけでした。

というか、その極寒の中、バスが走っていることがすごい…。

さて、私は2019年11月13日から、住んでいるウィスコンシンの小さな町の日本食・中華のレストランで、サーバー(ウエイトレス)として働き始めました。

働き始めてすでに1ヶ月が経ったので、だいぶ仕事にも慣れてきました。

アメリカのレストランでサーバーとして働くことについて、私の経験や考えをまとめようと思います。

本当に色々なお客さんが来るので、日本のウエイトレスとは働き方がだいぶ違います。

これからワーホリでカナダやオーストラリアに行って、サーバーになりたい人や、国際結婚でアメリカ移住に興味がある人の、お役に立てれば嬉しいです。

アメリカやカナダの、日本食レストランでサーバーになると、稼げます

私はサーバーになって、1ヶ月で20万円ほど収入を得ています。

サーバーになると、精神的にも肉体的にも強くなるし、異文化を学べるので、海外で働いてみたいと思っているならサーバーはオススメです。

アメリカのレストランでサーバーになる方法

私のアメリカでの就活期間はたったの1~2週間でした。

意外とすぐに就職先が決まりました。

<アメリカでのサーバーの仕事の探し方>

・インターネット検索

・実際に働けそうなレストランまで行って、店のドアや窓に求人の張り紙がないか、確認する

・ダメもとでお店へ行って「働きたい」とお願する

私はこれらの方法で仕事を見つけました。

と言っても、小さな田舎町なので、そもそもの選択肢が少なかったですが。

インターネット検索では、日本でもお馴染の「インディード(Indeed)」を利用しました。

内容は英語で書いてあるので、もちろん英語で検索しないと出てきません。

例えば、

「(自分の住んでいる町の名前)、restaurant、server」

とかで検索すれば、求人が出てきます。

日本とは違い、「時給いくら、週〇日勤務」とか、はっきり書いていないレストランが多いです。

特に中国人が経営している日本食・中華レストランは…正直テキトーな所が多いかな。

このテキトーさが、いい意味でもあります。

また、店頭に貼ってある求人のサインは「Now Hiring」や「Help Wanted」なので、意識して歩けば、いたるところで目にするサインです。

日本語に訳すと「求人募集中」みたいなものですね。

このサインがあるお店は、求人募集を出しているお店、ということになります。

私は、もともとサーバーになりたかったので、サーバーの仕事にフォーカスして仕事探しをしました。

サーバーになりたかった理由は、単純に「お金」です。

カナダにワーホリに行ってサーバーになった友人の多くは、やはり日本食レストランでサーバーになり、毎月20万~40万円くらい稼いでいるのを聞いていたからです。

そういえば、アメリカやカナダでの就活では、カバーレターやレジュメ(履歴書)が重要!とよく言われていますが、私は、作成はしてみたものの、印刷して持って行かなかったです。(書いた意味なし)

けど、レストラン側も「レジュメが欲しい」なんて、何も言ってこなかったです。

ゆるいレストランなら必要なさそうですね。

私の友人も、ニューメキシコ州の日本食・タイ料理レストランで働いていますが、同じような感じです。

★私のアメリカでの就活…1軒目。

日本食のレストランが求人を出していることをインターネットで見つけ、実際にお店まで行ってみて、求人の張り紙もチェックし、そのまま手ぶらで、レストランに入りました。

さすがに見た目の清潔感は大事かな、と思い、帽子は外し、大きなジャケットは車内に置いて行きました。

レストランに入り、スタッフに「仕事を探していること、求人の張り紙を見たこと、サーバーになりたいこと、アプリケーション(申請書・応募用紙のこと)が欲しいこと」を英語で伝えました。

あと、対応してくれたスタッフに「この仕事は好きか?」を聞きました。

英語で伝えるので

「Hello! I’m looking for a job, and I saw you are hiring now. I want to be a server, which position is open? 」

(ハロー!仕事を探してるんですが、今求人出してますよね?サーバーになりたいんですが、何の仕事のポジションを募集していますか?)

「I want an application.」(申請書がほしいです。)

「Do you like your job here?」(この仕事、好き?)

↑ この「仕事好き?」の質問に対して、アメリカで働いている人は、みんな笑顔で「yes」と答えます。

アメリカで働いている人たちは、みんな自分の仕事が好きなのです。

やりがいや誇りを持って働いている人が多いです。

嫌な仕事だったら、辞めて新しい仕事を探すのが当たり前の文化なんだ、と目の当たりにしました。

日本は仕事が嫌でも、辞められませんからね…。

そして、私は、アプリケーションをもらい、家でゆっくり書いて、後日もう一度出向いて面接…の予定でした。

が、このレストランは、その場でアプリケーションを書かされ、書き終わったらそのまま面接でした。

正直、超ビックリ。

「今、レジュメもないし、家に持って帰って記入したい。後日持参するから。」とお願いしたのに、なぜかダメと言われました。

アプリケーションを埋めるには、アメリカのソーシャルセキュリティー番号や、住所、携帯の電話番号、過去の職歴(職場の住所や上司の名前)など、いろいろな情報が分かっていないと書けません。

さすがに困ってしまい、車の中で待っていてくれたジャパダムをレストラン内に呼んで、アプリケーションを埋めるのを手伝ってもらいました。

全部英語で書かなくてはいけないしね。

そして、面接は1対1(オーナーと私)で行いました。

中国人女性のオーナーで、「同じアジア人なので、アメリカでの辛い状況や大変な境遇は分かるよ、だから助けてあげたい。」と言ってくれました。

日本食レストランですが、従業員はみな中国人ばかり。

日本人は1人もいませんでした。

面接は15分くらいで、アプリケーションに書いた大学時代の居酒屋でのウエイトレスの職歴について聞かれました。

そして面接後、雇ってくれる、となったのですが、フランチャイズのレストランだったのかな、中国人のオーナーなのに、厳しかった!

私は、ソーシャルセキュリティナンバーは持っていて、グリーンカードはまだ手元に届いていません。

私のビザは、日本のパスポートに貼ってある、1年間有効のものなので、それを提示しました。

しかし、パスポートのビザではダメ、と言われ、アメリカの政府が発行した、顔写真付きの身分証明書(アメリカの運転免許証など)が必要と言われてしまいました。

そのオーナーいわく、「納税などの関係で、政府に提出しなくてはいけない書類になるから、ないと雇ってあげられない」そうです。

残念ながら、あと一歩のところで働けませんでした。

★私のアメリカでの就活…2軒目(ここで就職)。

その面接の帰りみち、近くにあったアジア系のレストランを見つけたので、また飛び込みで「仕事を探している、今求人を出していますか?」と聞きに、レストランに入りました。

回答は「このレストランでは求人は出していないが、ダウンタウンにあるもう一つの姉妹店がサーバーを募集しているよ」とのこと!!

対応してくれた中国人の男性に名前と、連絡先を渡し、その足で姉妹店のレストランへ。

アプリケーションをもらいました。

1軒目のアプリケーションと比べると、「え、これでいいの?」と疑うくらい簡単なアプリケーション用紙。

むしろ出さなくてもいいでしょ、と思ってしまうようなアプリケーションでした。

2軒目のレストラン(今の職場)では、面接もありませんでした。

姉妹店で渡した電話番号で、後日メッセージをもらい、オーナーと電話をしました。

すぐに働くのは気が引けたので、「1週間後の水曜日から働けます」と伝えると、「じゃあその日に10:10にお店に来てね。黒いクツと黒いズボン、あと黒いペンを持ってきてね」とのこと。

アメリカでの就活は、私たち日本人の学歴なんて関係ありません。(大学の研究員の就活なら話は別ですが…)

重要なのは、英語力と過去の経験です。

もし、あなたが少しでも居酒屋やレストランで働いたことがあるなら、10年前のことでも絶対にレジュメに書きましょう。

数ヶ月くらい働いていた期間を長めに書いても大丈夫です。

アメリカやカナダのレストランでサーバーになるには、過去の経験値をアピールすることが非常に重要です。

晴れて就職先が決まり、仕事が始まるまでの1週間、リサイクルショップで黒いズボンを買いました。

レストランのキッチン用の滑りにくい、黒いクツ(2,500円くらい)を購入。

あとは、インターネットの載っているそのレストランのメニューをノートに書きだし、覚えました。(実際には全然覚えられてなかったけど)

中国人の経営するレストランは、めっちゃメニューがあって、覚えるのが大変です。

働きながら覚えるしかありません。

あっと言う間に、仕事初日、10:10に行っても、レストランには誰もいなくて、10:20くらいにやっとスタッフがきました。

11月のウィスコンシン、めっちゃ寒いなか、外で待たされるのは辛かったですね。

ちなみに、他にも1軒、ダウンタウンにあるタイ料理レストランにも足を運び、「求人募集中ですか?」と聞きました。これはダメ元でしたが。

回答は「No, you know. It’s slow here.」でした。

確かに、ランチタイム過ぎに行って、お客さんは店内にいませんでした。

お客がたくさん来ないお店は、忙しくないのでスタッフもたくさんは必要ないんですね。

しかも、アメリカやカナダのレストランでは、サーバーの収入はチップで支えられているので、「お客さんが来ない=稼げない」ということです。

  • 1軒目のアプリケーション(申請書)の項目

氏名、生年月日、過去の職歴3つ、書く所がありました。

職場の住所や上司の名前、電話番号、仕事内容やポジション、お給料なども書かなくてはなりませんでした。

アメリカでの住所や電話番号、ソーシャルセキュリティナンバーは必須です。

また、自分のアピールポイントも書かなくてはなりません。

顔写真付きの、アメリカ政府が発行した、運転免許証みたいなもののコピーが必要だったので、働くことはできませんでした。

  • 2軒目(今の職場)のアプリケーションの項目

氏名、生年月日、アメリカでの住所、電話番号、過去の職歴とポジション、以上。

1軒目のレストランのアプリケーションが一般的なので、ただのA4用紙に印刷されただけの簡素な形式に、不安になりました。

仕事初日にアプリケーションを持参し、面接でもあるのかと思いきや、中国人の女性オーナーと少し話をして終了。

お給料は、時給は2.33ドル。

「…時給230円くらいって。まじ?」と正直思いましたが、もう働くことになってしまったので、今更無理とも言えず、そのままOKしました。

仕事初日は、朝10;30~夜20:30過ぎまで、いきなり働きました。

「夜22時までや週末は深夜まで仕事だけど、大丈夫?アメリカ人の旦那さんは、嫌がる人が多いんだよね」とのことでしたが、一刻も早く収入が必要だった私たちに選択の余地はありませんでした。

働き始めて数日後、ソーシャルセキュリティナンバーを聞かれました。

私の経験からすると、アメリカやカナダでレストランに仕事探しに行く時は、急に面接になる可能性(低いはずですが…)も考えて、ペン、ソーシャルセキュリティナンバー、自分の住所、過去の職場のメモなどを持って行くと安心ですね。

(って、これらが書いてあるのが、レジュメなのか笑) やっぱりレジュメは持って行った方が自分が安心できそうです。

何度も言いますが、アメリカの就職活動では、過去の経験値で評価されます
 
少しでも居酒屋やレストランでなどで、ウエイトレスとして働いた経験があるのであれば、絶対に書きましょう。
 
 
 
アメリカ人に枝豆が人気です。前菜として注文する人が多いです。
 

・アメリカのサーバーの仕事内容

基本的には、居酒屋の仕事と同じだと思ってくれて大丈夫です。

・お客さんが来たら、人数を聞いて席へ案内します。(私のレストランはホストがいないので)

・注文を聞いて、コンピューターに注文メニューを入力。

・食べ物ができたらテーブルまで運びます。

・水が少なくなれば注ぎに行きますし、レシートを作成し、お会計を済ませて、お客が帰ったらテーブルをきれいにします。

・閉店時間が近づけばフロア掃除やトイレ掃除、翌日の準備なども行います。

・サラダやみそ汁、ドレッシングなど、調理の必要ない簡単な準備はサーバーが行います。

(あくまで私のレストランでの話です。友人のレストランでは、コックさんがトイレ掃除をするそうです。)

ここまで聞くと、「なんだ、日本の居酒屋と同じじゃーん!」って思いますね。

でも、実際に働くと、全然違う!ということに気づきます。

アメリカのレストランでは、プレッシャーが高いです。お客さんがサーバーにいい接客を期待しているのです。

というのも、やはり文化の違いから…。

あと、洗いものはしなくて済みます。

洗い物は調理人の仕事で、多くのレストランで、お皿洗い担当のスタッフがいるからです。

その点は、本当にありがたいです。

手が荒れるけど、日本の居酒屋のバイトよりはマシです。

アメリカのレストランでお客さんが「すいませーん!」と、サーバーに来てほしい意思表示をすることは、絶対にありません。

理由は周りの雰囲気をぶち壊すから。

アメリカ人は、めっちゃ雰囲気を重要視します。ロマンチックな人が多いのかな、たぶん。

日本の居酒屋やレストランでは「すみませーん!」と大きめの声でウエイトレスやスタッフを呼んでもいいですね。

しかも、「呼びベル」があるので、ウエイトレスは、どのお客さんの所に行かなくてはならないか、すぐに分かります。

でも、アメリカやカナダの文化は違うのです。

アメリカのレストランで「すみませーん!」なんて大声を出したら、周りのお客さんに「うっわ!」と思われてしまいます。

アメリカのレストランには、呼びベルもありません。

アメリカやカナダのレストランやバーなどで、お客さんがサーバーに用がある時は、ひたすらアイコンタクトです。

お客さんがこちら(サーバー)を見つめてきたら、「用があるから、来てほしい」の意思表示なのです。

だから、サーバーは、常に自分のお客さんに目を光らせていなくてはなりません。

すぐに対応しないと、お客が機嫌を損ねて、チップがもらえなくなる可能性があるからです。

サーバーの収入は、チップで支えられています。

チップの重要性については、下記のお給料で話しますね。

しかも、お客さん自身も、「担当してくれているサーバーが、自分たちのことをどれくらい気にかけてくれているか」を期待している、と言う部分もあるので、食事を提供してからしばらくして「味はいかがですか?」とか、食事後「楽しめましたか?」など、笑顔で話しかけなくてはなりません。

お水がなくなっていたら、すぐに注がなくてはなりません。

私の職場のレストランでは、テーブルごとに担当サーバーが決まっているわけではなく、来店した客のグループを順番にサーバーに振り分けていくシステムなので、常に自分の担当するテーブルの場所が変動します。

(普通は、テーブルごとにサーバーが決まっているので、自分のお客さんを把握しやすいようですが。)

また、私のレストランでは、お客さんのグループの大小は関係ないので、1人で来たお客も、10人の大きなグループも、「1グループ」のカウントです。

チップでたくさんのお金を稼ぐには、もちろん人数の多い大きなグループをゲットすることです。

でも、自分の順番ではなかったら、大きなグループは得られません。

順番なので、平等といえば、平等。

というか、運ですね…。

そして、私はまだ1ヶ月しか働いていないので、6人のグループで精一杯です。

10人グループとか、無理!

また、2人や3人のグループでも、週末の忙しいディナーの時間帯で、同時に4~5つのグループを受け持ってしまうと、もうパニックです。

どの席の客が自分の担当かも分からなくなってしまいます。

何度もメモを見て確認しないとならないのですが、それもいちいち時間ロスだし。

週末はサーバーが4人ほど働いているので、たまにスキップさせてもらい、なんとか乗り越えています。

そして、アメリカ人の食事時間は、異常に長いです。

とにかく、喋る、喋る。混んでいる週末の夕食の時間帯でも、周りの客に関係なくずーっと居座って喋っているお客さんは、いーっぱいいます。

10人以上待っている客がいても、お構いなしです。

長く居座るなら、もっと注文して食べてくれればいいんですけどね~。

食事を提供するときは、なるべく一気に、同時に持って行かなくてはなりません。

そのため、お盆も駆使して、4~7個のお皿を一気に運ぶスキルも必要になります。

腕の力、指の力が鍛えられます。

また、夜22時に閉店なのに、時間を過ぎても居座る迷惑なお客もたまにいます。

本当に、アメリカ人は喋ることが大好きです。

いいことですが、レストランで働く側からすれば、迷惑だな~と感じることも。

「日本人だったら…」と考えてしますとストレスになるので、なるべく考えないようにしています。

アメリカに来たら、私は移民ですから。

日本を思い出すと、日本が恋しくなります。

自分の担当したテーブルは、片付けまで自分でやらなくてはなりません。

日本のように「助け合う」文化はなく、「自分のことは、自分でやる」という考えが、アメリカでは非常に強いです。

週末の忙しい時間帯は、私にとって本当に地獄です。

接客対応しているお客さんだけでも、てんやわんやなのに、食べ散らかした物をきれいにし、待っている次のお客をテーブルに案内しなくてはならないので、とにかくスピードが必要とされます。

そのため、1度にいかに多くの食器やコップを運べるかが勝負になります。

両手で合計8個のグラスを運ばなくてはなりません。

お皿が割れない程度に、大量に重ねて積み上げ、両手で持ち上げて、一気にキッチンまで運びます。

本当に体を使う仕事で、仕事終わりはぐったり疲れます。

1ヶ月続けて、やっと体が慣れてきました。

また、アメリカ人の食べ方は本当に汚いです。

食べ散らかすレベルが違います。

また、日本のお米と違って、中華チャーハンの「パラパラご飯」をイメージして下さい。

本当にお米の粒がテーブルにも、床にも、イスの上にも、たくさんこぼれています。

ソースやしょうゆもベッタリとテーブルにこぼしてあるので、毎回片づける時に「はぁ~…」となります(笑)。

また、私はまだ働き始めたばかりなので、ほとんど担当していませんが、サーバーはテイクアウトの対応と、電話による注文の対応もしなくてはなりません。

もちろん、電話もすべて英語なので、リスニングができないと電話対応での注文受け付けは厳しいですね。

しかも、悲しいことに、テイクアウトのお客さんがチップをくれることは少ないです。

(テイクアウトだから、あなたのサービスは受けてないでしょ、という理由だと思います。)

私は電話対応でのテイクアウトはまだできませんが、そのうちやらなくてはなりません。

また、客足が少なく、レストランが暇なときは、ディナー用のナプキンをひたすら折ります。アメリカのナプキン文化が根深いです。

・要望の多い、わがままなアメリカのお客たち

日本では、メニューはメニューですよね。

嫌いなピーマンが入っていたら、そのピーマンをよけて食べればいいし、それも嫌ならその料理はやめて他のものを注文しませんか?

アメリカのレストランでは、お客さんからの要望がものすごく多いです。

例えば…

「ピーマンなしで」

「マッシュルームなしで」

「白米じゃなくて、チャーハンがいい」

とか…。

「刺身盛りだけど、サーモンメインで、他の魚は少しにしてほしい」とか。

最強なのは、注文したお酒が好きな味ではなかったら「やっぱり別のワインにしたいんだけど…」と言って、ちょっと飲みかけの最初のお酒を取り下げるよう、差し出してきたり。

私のレストランでは、お酒交換の要望に応えます。(オーナーが良いっていうので…。)最初に作った方のお酒の代金はもらいません。交換してあげれば、お客さんもハッピーになるし、自分のレストランを好きになってくれるから、っていうのが理由ですね、たぶん。

「先に寿司を持ってきて、食べ終わる頃にチャーハン、帰るときに持ち帰りのサラダを用意して」とかさ。

他にも、

「辛いのが苦手だから、ちょっとだけ辛くしてほしい」とか、

「20時までに食べないとならない食生活だけど、あと10分でデザート用意できるかな?」とか…

お客さんの要望はキリがありません。そういうお客さんほど、チップが少ないから嫌なんですよ。

本当に、いろんなエピソードがあります。

食べ始めて、飲み始めて、自分の好きな味じゃなかったから、やっぱり交換してほしい、という要望には本当に驚きます。

しかも追加料金なしですからね。

あと、コーラやスプライトなどソフトドリンクのおかわりは、基本的に無料だと思っているお客さんが多いです。

そのため、おかわりしても1杯分の料金しか請求しないようにしています(←オーナーには内緒ですが)。

というのも、理由があって、以前、コーラを2杯飲んだお客さんに、2杯分(400円)を請求したら、「ちょっと、私1杯しか飲んでないけど…」って言われて、1杯分の請求に直したことがあるからです。

さらに、私の体験談からしても、私がアメリカでバーに行くと、いつもスプライトを注文します(アルコールが好きじゃないので)。

バーで飲むスプライトは確かにおかわりが無料です。

しかも、バーによって違いますが、スプライト1杯300円だったり、200円だったり、たまに無料だったりするのです。

スプライトが無料って…笑 

「アメリカのバーで、スプライトやコーラだけを飲む人なんていないよ。みんなお酒を飲みにバーに行くんだから」とジャパダム(主人)に言われました。

だから、私もソフトドリンクのおかわりは無料にしてあげています。

その方が、お客さんも嬉しいし、チップをはずんでくれる可能性も高まるからです。

他のサーバーも実はそうしているのかな?

あと、アレルギーの人も来店するので、かなり注意が必要です。

天ぷらなどの揚げ物はエビなど、同じ油を使用するので、提供できない料理が多く存在します。

グルテンフリーのしょうゆが欲しいといお客さんの注文した食事にも注意しなくてはいけません。

「グルテンフリー」という注意書きを、コンピューターに入力してオーダーします。

忙しいときなどに言われると、イラッとします。

・アメリカのサーバーのお給料

さて、多くの人が1番気になる、お金の話です。

私がアメリカで、日本食のサーバーになりたかった理由が「お金」です。

私は働き始めて、最初の1週間は見習だったので、時給7ドルでチップなしでした。

初めてのお給料は1万5千円でした。

2週目から、「あなた結構できるね」と、働きぶりを評価され、晴れて一人立ち、サーバーとなりました。

アメリカでは2週間に1回のペースでお給料が支払われます。(日本では月に1回ですね。)

昨日、2週間分のお給料をちょうどもらいました。2019年12/2~12/15までの2週間分で$880でした。

日本円にするとおよそ88,000円。

2週間で!

週5で働いていますが、2週間で72時間くらいの労働なので、1週間で36時間労働ですね。

日本よりも労働時間は少なく、お給料は高いです。

前回のお給料は10万円(2週間分)で、1週間、42時間労働でした。

というのも、毎日お客さんの数が違うし、チップの金額も違うので、日によって時給が変動します。

ちなみに、私の時給は$2.33で、日本円にするとおよそ時給230円。

衝撃の金額です。

レストランから支払われるお給料は、2週間でたったの16,900円です。

「こんなに低い時給、違法なのでは?」と思ってしまいますが、私が住んでいるウィスコンシン州の小さな町の他のレストランも、だいたい時給2ドルだそうです。

私の働いているレストランの他のサーバー(勤務歴2年)の人も、今は時給3ドル、と言っていました。

もしも、ミネソタ州のミネアポリスや、カナダのバンクーバーなど、大都市でサーバーになれば、時給1,000円以上でさらにチップももらえるので、収入は確実に2倍、月に35~40万円は稼げることでしょう。

しかし、大都市に住むと、結局物価も2倍になるので、生活費も高くなります。

それは日本も似ていますね。

サーバーが稼げる理由は、チップです。

自分が担当したお客さんからもらうチップのだいたいは、そのまま自分のお給料につながります。

稼いだチップのうち合計20%ほどは寿司シェフとバーテンダーに行くのですが、寿司シェフやバーテンダーは自分のカウンターにお客さんが座ってくれない限り、チップを稼ぐことができないので、まあ、仕方ないですよね。

アメリカのチップ文化では、食事の合計金額の18%ほどを支払うのがルールです。

でも、本当にお客さんによります。

チップをはずんでくれるお客さんなら8,000円の食事に対して2,000円のチップをくれる人もいますし、6,000円も食べたのに100円しかチップをくれなかった、なんてひどいお客さんもいます。

本当に、運というか、担当したお客さんに左右されます。

もらえるチップはだいたい300円~800円が多いです。大学生の客さんだと、チップをくれない人が多いです。

だから、たくさんのテーブル・お客さんをゲットすることが、チップを稼ぐ近道になりますが、平日はお客さんが全然来なくて、ランチで3,000円しか稼げないことも。

ディナーの方がメニュー価格が高いので、5,000円以上はチップで稼げます。

アメリカやカナダでは寿司が人気です。

また、寿司はメニュー価格が高く、800円~1,500円だったりするので、2人で来てディナーでたくさん食べてくれれば、軽く3,000円~5,000円は超えます。

週末となれば、ものすごい数の人が押し寄せるので、金曜日のディナーだけで12,000円のチップが稼げたり、以前土曜日のディナーで深夜まで働いた時には、19,000円もチップで稼ぐことができました。ビックリ。

お客さんが来ないと、本当に稼げないので、アメリカやカナダのレストランでサーバーになりたいと考えているなら、人気のレストランを選びましょう。

もしくは、時給が高いレストランならお客さんが少なくても、時給分は確実に収入になるので、しっかり検討しましょう。

私のレストランは、サンクスギビング以外は年中無休です。

恐ろしい…

営業時間も長く、

月曜~木曜は11時~14:30、16時~22時まで営業。

金曜は11時~14:30、16時~深夜0時まで営業。

土曜日は11時~深夜0時まで営業。

日曜日は12時~21時まで営業しています。

アメリカで働いてみて、日本は長期連休があっていいな~、と実感しました。

アメリカでは、有休を消化できますが、日本みたいなお盆、お正月、ゴールデンウィークなどの大型連休はありません。

私のように中国人が経営するレストランのサーバーになった場合、「休みを取る=お給料が減る」に直結するので、休むことができません。しかも、健康保険もないし…。1年以上は続けたくはないかな、と。

だからこそ、カナダのワーホリでサーバーになるのはオススメです。

ワーホリなら1年しか働けないので、その1年でがっつり稼ぐことができると言えます。

そして、毎日色々な人と接することができます。

英語力もグンと高まるのが実感できます。

大都市で働けば月35万円もレストランで稼げますし、結婚していなければシェアハウスなど、都心でも5万円程で住む場所を見つけられます。

お給料のもらい方ですが、私のレストランではチェック(小切手)でポイッと投げ渡されます。

日本のときのように「お疲れ様~」なんてねぎらいの言葉はありません笑。

日本って本当にすごい国なんだな~と改めて実感。

・アメリカやカナダの日本食レストランで働くメリット

本食レストランで働くと、たまにお寿司が食べられます!

これが最大のメリットだと、私は思います。

アメリカに引っ越してきて、本当に日本食が恋しくなりました。

もちろん、アメリカで食べるハンバーガーやサンドウィッチ、パンケーキなど、おいしいです。

でも、すぐに飽きます。

また、アメリカの食べ物はどれも、本当に高カロリーで体に悪く、頻繁に食べると体調が悪くなります。

アメリカに引っ越してきてからは、和食から離れた食生活になったので、スナック(チップス)やチョコレートを食べる機会も増えました(安くて簡単に食べられるので)。

そして、体が常にだるい、疲れやすくなった、というような症状を感じるようになりました。

今までいつでも、気軽に食べれた100円の回転ずしも、コンビニのおにぎりも、アメリカでは絶対に気軽になんて食べられません。

アメリカのお寿司は高いです。羽田空港にあるお寿司屋さんは、アメリカやカナダと同じ価格設定になっていました。

3,000円は覚悟してレストランに行かないとなりませんし、もちろんチップも払わなくてはならないので、日本食を口に出来る機会は本当に少なくなります。

だからこそ、「注文ミスで作った寿司だから、食べていいよ~」と差し出してもらえるお寿司には、本当に感動します。

日本の寿司とは全然違う味のお寿司もたまにありますが、たまに、「日本の味だ!」と思うようなお寿司もあります。

お寿司や米が食べられない生活を毎日続けることは、海外に住む日本人にとって非常に難しく、苦痛のように思います。

また、日本食レストランには、日本に興味を持っているお客さんや、日本を訪れたことのあるお客さん、日本語が話せるアメリカ人、たまに日本人のお客さんも来てくれます。

アメリカに住んでいると、日本語を話せる機会がほとんどないので、日本語を話せる人がいるととても嬉しくなります。

また、そういうお客さんと仲良くなると、チップをはずんでくれます。

たまに、お客さんにお箸の使い方を教えてあげたりもします。

日本食レストランで働くことで、日本人であることに誇りを持てます。

また、日本食レストランなのに、中国人が経営していて、「なんちゃって日本食」なことが多いです。

スタッフも寿司シェフも全員中国人かアメリカ人だったりして、「日本に行ったことないのによく日本食作ってるな~」なんて感心します。

焼きそばの麺がうどんだったりね(笑)。

基本的に、アメリカの寿司にはアボカドが入っています。

他にもマンゴーが使われていたり。

カニ(クラブミート)…あぁ、「カニカマ」のことね。

そういえば、私の働いているレストランで提供している日本茶は「静岡産の玄米茶」でした!!

私は静岡出身なので、なんだか嬉しくなりましたよ。

こんなところで飲まれているんだな~、って。

しかも、わかめやゴマなどは日本産のものを使用しているので、レストランの物に意識を向けて見ると、意外と日本語表記が多いんです。

この日本語たちを読めるのは私だけ…という不思議な感覚です。

以前、諏訪神社の交通安全のお守りを持ってきたお客さんがいました。

「コレ友人からのお土産なんだけど、なにかわかる?」と質問され、お守りについて説明しました(旅のお供に、バッグや車内に置いておくと、身を守ってくれる、とか簡単に説明)。

中国人やアメリカ人のスタッフは日本語を話せませんし、日本に興味があるお客さんの質問にも答えてあげられないので、唯一の日本人である私は、「日本人なの?!」とお客さんに喜んでもらえます。

お客さんの中には、日本に1年間住んでいた人や、日本に旅行に行ったことがある人が以外とたくさんいます。

東京や富士山を中心に話をすれば通じることが多いので、積極的に日本のことを話して、お客さんと仲良くなるといいです。

また、まかないが無料なので、本格中華の家庭料理みたいな食事が楽しめます。スパイスが効きすぎて、お腹が痛くなりそうなこともありますが。日本のお米は食べられないけど、違う種類の米でも、米は米。毎日パンやシリアルの食生活では苦痛です。

あ、あと嬉しいのは、自分の仕事さえ終われば10分とか30分とか、早く帰宅できる点もいいです。

日本だったら、絶対に勤務終了時間までいなくてはならないけど、アメリカはそんな感じではありません。

逆に言えば、自分の担当するお客さんがなかなか帰ってくれなければ、自分も帰ることができませんが。

・いいお客さんもたくさんいる

1ヶ月働いた今でさえ、間違えたり、お客さんの注文内容が聞き取れなかったりすることがあります。

働き始めた頃は、本当に大変でした。仕事が辛くて、毎日「日本に帰りたい」と思っていました。

でも、優しくてフレンドリーなお客さんもたくさんいて、注文を取っているときに「Sorry, I’m  new. So I have to double check.」(私、新人なので、確認しないとなりません)と伝えると、「新人何だね、いいよ、いいよ」と多めに見てくれる人もたくさんいます。

欧米人は物事をはっきり言うので、仕事ぶりを認めてくれたり、褒めてくれたりします。

アメリカやカナダでサーバーになったときに大事なのは、とにかくフレンドリーに喋ること!

これに尽きます。

仲良くなったアメリカ人の女の子のお客さんは、毎回レシートの裏に応援メッセージをくれます。

辞めたくても、せっかく覚えた仕事だし、お金も稼げるから、辞めるのはもったいないな~と思う仕事です。

・サーバーの仕事で嫌なこと

日本の居酒屋でも同じだと思いますが、水に触れる機会が多いので、とにかく手が荒れます。

さかむけもたくさんできますし、手の甲がアカギレで出血することも…。

提供するお皿が熱いこともあるので、指先や手が熱さに強くなくてはいけません。慣れれば勝手に皮フが強くなります(笑)

私のレストランでは、お盆を使うサーバーは少ないので、工夫して、両手を駆使し、1度に大量にお皿やグラスを運べるスキルを身につけないとなりません。

不機嫌なお客さんやフレンドリーではないお客さんを接客するときの嫌な空気がきらいです(そういう人たちは、チップも悪いです)。

また、私のレストランでのトイレ掃除が大嫌いです。

理由は、掃除方法が汚くて不潔だから。

日本のトイレは本当にきれいですよね、清潔さにも信頼性がもてますし。

けれど、私のレストランのトイレ掃除で驚いたのは、便座を拭くぞうきんと便器を拭くぞうきんが一緒で、さらにそのぞうきんで水回りも拭きます。

う●ちやオシッコのこびりついた便器を拭いたぞうきんで、便座を拭くのです。

初めてトイレ掃除のやり方を教えてもらった時に、私はゾッしました。

それ以降、アメリカのトイレでは空気椅子状態でトイレを利用しています。

絶対に便座にも便器にも触れないように気をつけています。

信頼できるトイレは自宅のトイレだけ…と。

アメリカのトイレは、見た目はきれいです。

でも、どんなふうに掃除しているかまでは、自分が掃除する側にならないと分かりません。

また、日によってめっちゃ混んでカオスな日もあるし、まったくお客さんが来なくてチップが稼げない日もあります。

毎回稼いだ合計チップの金額を確認して、一喜一憂です。

また、中国人ばかりが働いているので、みんな中国語で会話をしていて、アウェー感が大きいです。

さらに、私の英語の発音で笑われることが良くあります。

「そっちの英語の発音も私より中国語なまりじゃん」と心の中で思いながらも、バカにされても笑って流すようにしています。

また、私のレストランのスタッフは時間通りには出勤しないので、だいたい5分遅れです。日本人のように5分前行動なんてしていたら、待機時間が長くなるだけなので、のんびり出勤するようにしています。

時間にルーズなのって、あんまり好きではないけど。

以上、アメリカで1カ月、日本食レストランでサーバーをしている、アメルカの体験談を書きました。

お金を稼ぐって、本当に大変です。

でも、大変だから、楽しい!

ワーホリを考えている人、国際結婚で働かなくてはいけない人のお役に立てれば嬉しいです。